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20.破滅フラグがやってきた。
しおりを挟むそれから、半年程経って、俺達は9歳になったよ。“有明月”さんの教育係を終える事になりました。一番ガン〇ム型ゴーレムを自由自在に使えるようになって、魔力量も一気に増えた。相変わらず、“黒狼”には注意されるが、こればかりは本人のイメージの問題だから、仕方ないようだ。“有明月”さんは基本的には魔法騎士隊第一部隊と仕事をする事が多い。俺とはあまり仕事をしなくなったよね。
話は変わるが、今日、魔法騎士隊第一部隊に新しい新人が入ってくる。どうやら、辺境伯の息子で、最近になって属性魔法が発動したらしく、入ってくるらしい。俺と同い年らしい。もしかしてだけど、このゲームの攻略対象だったりして?確か、貴族で魔法騎士やっている奴いたんだよな。ちょっと、小生意気な奴。声を当てている人とは事務所が一緒で大先輩で話が中々盛り上がった記憶がある。まぁ、余談に入っちゃったけど。
さて、どんな奴なのかな?
△△△△
・・・と思っていたら、予想していた通り、その攻略対象だった。俺、女の声優さんとも話をさせていただいたから、声を聴けば思い出す事ができる。名はゼノン・フィーリア。青髪が特徴的で、綺麗な青い瞳。性格は小生意気。貴族意識が高いとも言える。“ワーウルフ”をライバル視しているキャラで、また俺にとって厄介な奴が入ってきたなと思ってしまった。
俺、こいつのライバルキャラらしい。俺にとって、こいつは破滅フラグの持ち主といえる。仲よくしたかねー。ヒロインがこいつと恋に落ちると、ハッピーエンドで“ワーウルフ”を蹴落とすんだぜ?嫌だな。ハルディーン様は天賦の才を持っているにも関わらずな。まぁ、続編でもライバルキャラで出てくる。今度はハルディーンとしてね。こいつは、どこ行ってもライバルキャラは俺なのかよ!!くそっ!!
隊長がゼノンを皆に紹介して、そして、ゼノンが自己紹介する。
「俺はゼノン・フィーリア。平民とは馴れ合う気はねーから、そこんとこよろしく。」
その言葉で、一気に敵を増やした。魔法騎士隊第三部隊のほとんどは平民なのだ。実は、隊長くらいしか貴族がいないのだが、隊長は実力でその座に就いている。だから、皆、隊長を信頼している。俺は実力があっても隊長になる気はないけど。正直、面倒じゃない?
隊長は続ける。
「こいつの教育係はヒロトな。そして、今日は仕事が入ってる。今から隊全員で仕事に向かうから、午後から行けるようにしとけ。」
「えっ!?ゼノン・フィーリアの教育係、俺っすか?」
「ゼノンと同じ年で、実力を兼ね備えた奴はやっぱりお前だろ。今日から半年よろしくな。」
肩をポンッと叩く。うぇぇ。俺かよ・・・。これ、余計に破滅フラグが近いんですけど!?隊長に任されたから仕方ないんだけど。そして、また教育係かよ・・・。何度、教育係をやれば、いいんだよ!?二度目だぞ!!前回は魔術師としてだけど。
俺はゼノンに向かって挨拶をする。
「ゼノン君、俺がヒロト。君の教育係。これからよろしくね。」
「ふんっ。平民とは馴れ合う気はねーっつってんだろ。」
さっさとそれだけ言って去ってしまった。おい、これから仕事だぞ!?お前も強制参加だぞ!!どこに向かっているんだよ!!そっちは、王城に出るコースで、今から準備しようとするには向かう所がおかしいと思うんだが?
俺はゼノンに声をかける。
「あのー?どこに向かおうとしているんですかね?今から、仕事ですよ?ちゃんと武器を準備してから仕事に向かわないと後々、大変なんですよ。分かります?」
「あぁ!?俺に歯向かってんじゃねーよ。俺には魔法があるから、平気だ。」
・・・全然、平気じゃねーし、俺の方が強いわ!!ゲームでも、ゼノンは“ワーウルフ”に勝った事ねーんだぞ?それに、魔法騎士隊だ!騎士隊である事を忘れてんじゃねーか?こいつ、本当にムカつく!!
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