CV.=俺!?な悪役ヒーロー~俺は悪役ヒーローにはなりません!!~

水魔沙希

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16.ミノタウロスを退治しました。

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膠着状態になって、負傷者が出る始末。俺は光魔法で負傷者の治療に専念する。また、メイディスも同じく後衛で負傷者の治療をしている。“有明月”さんはMP5を手に物理攻撃している。弾丸の数に限度はないのだろうか?不思議だが、この世界は魔法で満ちあふれる世界。あまり深くは詮索しない。



思った以上にライトは強く、前線でも活躍しているが、少し気持ちが先走り過ぎている気がする。大丈夫だろうか?“黒狼”はコンスタントに攻撃の見極めをしていて、流石だなって思った。この人は心配いらないな。



なのだが、ミノタウロスは闇属性の魔鉱石を食べて、体力を回復させているので、中々倒す事が出来ない。魔鉱石をぶっ壊したい衝動に駆られるが、この土地の特産物で、なるべく壊さないように言われている。



・・・一回、爆発しちゃう?規模は小さめで。いや?そんな事したら、遺跡がぶっ壊れるか?でも、膠着状態が続いたら、こちらが不利になるよな・・・?魔力は無限じゃないから。



そんな事を思っていたら、“黒狼”からの直々のご命令が。


「“朧月”!!何とかして、隙を作れ!」


さて、爆発エクスプロージョンの出番かな?しかし、“黒狼”は正面に立っている。爆風に巻き込まれたら、逆に“黒狼”に隙が生まれてしまう。しかし、俺は悪役ヒーロー!!やってやる!


「皆さん、下がって下さい!!そして、ちょっと、爆風に気を付けて下さいね?」


皆が下がったところで、俺は叫ぶ。


爆発エクスプロージョン!!」



一気に、形成逆転。“黒狼”は爆風をものともせず、体勢が崩れたミノタウロスに一撃食らわす。流石に、遺跡破壊しないだけの威力の爆発(最小限級)の後なだけに、“黒狼”の攻撃はもろに当たる。しかも、大きな隙が出来たので、モーションが大きな技を見事に決める事が出来、ミノタウロスは地面に伏せる。“黒狼”は連続して、魔物のコアとなる魔鉱石を破壊しようとした、その時。



「うおーりゃー!!」


そんな声が上がった同時に、声の正体であるライトが“黒狼”の攻撃の邪魔をする。決して、本人はそのつもりではなかったんだろうが。結果的にはそうなった。モーションが大きな技、おそらくは技名を叫びながらなので、彼個人の必殺技なんだろうなと思った。だが、無駄な動きが多くて、攻撃をした後、かえってそれがミノタウロスに攻撃をさせるチャンスを与えてしまった。ミノタウロスはライトめがけて左腕を上げて、攻撃をしようとした。



「お前、バカか!?」


“黒狼”は叫びながら、前に出て、ライトを庇おうとする。マズい・・・!!これが“黒狼”の左目が見えなくなるイベントなのか?反射的に、俺は魔剣・デュランダルを手にして、攻撃しようとしているミノタウロスの左腕に向かって斬りかかる。


「「「“黒狼”さん、危ない!!」」」


俺は持ち前の敏捷性で“黒狼”が攻撃される前に、ミノタウロスの左腕を切り落とした。そして、右腕の方を見ると、メイディスが聖剣・エクスカリバーを手にして、光り輝く炎を剣に纏わせながら、ミノタウロスの右腕を切り落としていた。直後、ミノタウロスの背後には、ガン◯ム型のゴーレム?が剣を手にして、ミノタウロスの動きを封じたと思ったら、ミノタウロスの前にゴーレムが現れて、ミノタウロスのコアとなる魔鉱石を破壊していた。





・・・ん?ちょっと、待って?今、何が起きたの?見たまま、説明したが状況が理解出来ない。









ふぅ・・・。深呼吸をしたら、少し、状況が読めてきた。まず、叫んだのは、俺とメイディスと“有明月”さんだな。俺が、ミノタウロスの左腕を切り落とし、右腕をメイディスが、光魔法と炎魔法を併用して、切り落として、ガン◯ム型のゴーレム?を出せるのは、俺じゃないなら、他には“有明月”さんしかいない。そして、最後のトドメを刺したのが“黒狼”だろう。



・・・だって、メイディスに炎魔法の贈与を、“黒狼”に土魔法の贈与をしたんだもん。“黒狼”が使える魔法は、闇魔法以外に炎魔法、風魔法だけだもん。終わり良ければ、全てよし!!



俺は、“黒狼”を見る。・・・どうやら大した怪我はしていないようだ。そして、安心したように、“有明月”さんが地面に伏せる。どうやら、力を使い過ぎたようだ。俺は“有明月”さんに光魔法をかけた。“有明月”さんは少しして、ようやく立ち上がった。
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