CV.＝俺！？な悪役ヒーロー～俺は悪役ヒーローにはなりません！！～

10.魔法贈与の代償。

二人は驚く。しかし、お互いに魔法を使い、光魔法が使える事を確認した。メイディスはアキトに風魔法を教えてもらいながら、使う。・・・見事に使えた。王族紋章継承魔法って魔法の贈与も出来るのね。驚きだよ。俺はモブ（5歳）の姿に戻る。


「それって、光魔法ですか？」


メイディスが問う。


「これは王族紋章継承魔法ですよ。こうまでしないと両手の紋章が隠せませんから。」


俺は証が見えなくなった両手を見せる。これでアキトはヒロトに対する態度に変わる。



「光魔法が使えるようになるなんて、王族紋章継承魔法って本当に凄い魔法なのな。元はと言えば、俺の責任だし、本当にごめんな？」


アキトは分が悪そうに謝罪する。メイディスも新たな魔法を得た反動で今にも倒れてしまいそうだ。


「二人にこの床に落ちた武器をあげます。謝罪の気持ちとして、受け取って下さい。」


今日のところはそこで解散した。メイディスは後で倒れたと聞いた。本当に悪い事をしたなぁ。


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魔法騎士隊の仕事も終わり、帰路につくと、夕刊の一面に『魔術師“朧月”の活躍！！』と載っており、俺がドラグーンを倒した事が大々的に載っていた。しかし、俺がハルディーン第五王子だという事は載っていなかった。俺の意思を尊重してくれたのだと、思い嬉しくなった。


家に帰ると、ドヤ顔をしたディランさんがいた。二人になると、すかさず頭を撫でてくれた。


「いやー？今日の記事、売れ行きが好調でね！重版がかかって、すごく忙しかった！あんなに忙しい事が嬉しくなった事なんて久しぶりだよ！」


正直、恥ずかしさの方が上回った。自分の活躍がこうも評価されるなんて。でも、やっぱり嬉しくもある。もっと、魔術師として、魔法騎士隊として活躍したい！


強く、そう思った。


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それからが大変だった。報告書はちゃんと提出したが、その後の出来事が大変だった。・・・報告書が悪かった訳じゃないよ！



メイディスが新たに魔法が使えるようになった事で、王家は新たにメイディスに魔法の指導者をつける事にしたのだが、これが厄介だった。



ここで、魔法の基本的な説明をしよう。魔法は誰しも使えるものだが、基本的には生活魔法と属性魔法に分かれる。生活魔法は誰でも使える。王族魔法はそれの一つ上の魔法で、人を統率する為の尺度になる。これが強いか、弱いかで王族の中での順位というものが決まる。実は俺とメイディスは王族魔法では非常に強い所にいる。その為、保有する魔力量も人よりも多い。ハルディーンは特に、その上の王族紋章継承魔法があるからな。さらに強い。まぁ、俺がこれまで使っていたのは、生活するために必要な魔法って事で認知です。



俗に、魔法と言われるのは、属性魔法の事である。属性魔法には六つの属性が存在する。炎魔法、水魔法、風魔法、土魔法、光魔法、闇魔法の六つである。これは、誰もが手にできる代物ではない。限りがあるのだ。普通だったら、属性魔法が発動したら、ギルドで魔法使いの職業について働いてしまうのが多い。それ以外には、魔法騎士隊に入門するか、稀に魔術師になる可能性である。魔術師になるのは本当に稀なケースで、入る人が少なければ、試験が難しく、実際に入れる人も少ない。俺はレア中のレアって事で。


その為に、王族の中では国王陛下ぐらいしか使える者がおらず、属性魔法が使える者の多くが貴族という事はこの世界ではありません。珍しいゲームですね。その為に、国王陛下直々に教えるという訳にもいかず、魔術師は数少なく、姿をあまり見せない者ばかり。魔法騎士隊も普段は王城の警備などで仕事がある為、ギルドから魔法使いの職に就く者から公募したのですが、公募から選ばれた魔法使いは、メイディスを誘拐しようとしたのですよ。理由は王家の恨みだとかなんだとかで。なので、メイディスは特別措置として、魔法騎士隊第一部隊に所属する事になり、てんやわんやです。