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グレイシアと話したのは初めてだったが、俺の存在を認識して、そして、認めてくれるとは思わなかった。少しは信じてくれないものだと思っていたし、あんなにもすんなりと信じてくれるとは露知らず。というか、あんな5歳児いるのかな?頭、良すぎだよ!!
まぁ、自分の責任もあるのだけど。グレイシアは朝食作りに精を出している。必要な食材はアイテムボックスにいれてあるし、必要とあれば文明の利器、スマートフォンを利用して食材を買ってしまえばいいだけの事。これは、神様の特権だよね?
グレイシアは朝食作りに必要な食材をスマートフォンでネット・ショッピングというスキル発動させて、野菜を購入していた。
こういうのすぐに順応出来る人なんだね!すごいや、グレイシアは!
俺はよく利用していたから、出来るって事かな?元々、素質があったって事かな?
(´ε`;)ウーン…
そんな事を考えていると、朝食作りが終わったようだ。グレイシアは初めてにも関わらず、美味しそうなご飯を作り出した。俺は身体の主導権を奪うと、朝食にかぶりつく。
「お、美味しい・・・!すごいな、グレイシアは!!」
『本当に、そうだね。僕、初めて料理したんだよね?それなのに、これだけのものを作れるなんて驚きだよ!』
元々の素質が良かったみたいです。だから、治癒能力を使えるのかもしれない。心優しいグレイシア。
朝食を食べ終わり、習慣であったギルドに向かう為に自身の姿を22、3歳くらいの青年に変化させる。その際に、髪の色を元々の金髪から茶髪へと変化させるのを忘れない。ちなみに、瞳の色は碧眼である。
「アポロンは僕がこの国の第二王子だから、変装していたんだよね?・・・そう、思うと緊張してきた。」
『でも、その習慣に慣れないと生きていけないんですケド。今日はグレイシアが行動してください。』
その動きはぎごちない。緊張でしばらく動けなかった。しかし、ある時自分の頬を叩いたと思ったら、踏ん切りをつけてギルド近くの路地裏にテレポートする。
「・・・初クエストかぁ。緊張するなぁ。」
『まぁ。簡単なものでいいから頑張って。』
緊張しながらもギルドの扉を開く。中に入ると、ギルドはいつも以上に盛り上がっており、何事かと一瞬思った。
『あ、今日アディエル王子の誕生日だ。・・・あ!アディエル王子と言うのは、この国の第一王子の事だよ!』
「あ、ありがとう。だから、こんなに盛り上がっているんだ。」
まぁ、ついでに言うと、グレイシアも誕生日なんだけどね。これは、サプライズにしておこう。ボードに掲げてあるクエストを見ると、今日はめでたい日だからと割と競争力が低い。要するに、アディエル王子をお祝いするムードが高く、ギルドでお酒を酌み交わす人達が多くいる。というか、俺に酒をすすめてくる他人が多い。俺達、変化を解けば、未成年者だ。
「シア!今日はめでたい日だ。クエストを受けずに、一緒に酒飲もうぜ!」
この国では15歳以上からお酒が飲めるが、おあいにく様。グレイシアは5歳である。姿は誤魔化しているけれども。グレイシアはそれがなんとなく分かっているのか、そう言った誘いを断っている。
グレイシアは悩みながらもEランクの薬草集めのクエストを受けるようである。
クエストを受付嬢に渡すと、受付嬢は所定の手続きをとる。
「シア様のクエストはディリジェンス草の採取です。10セット採取してください。期限は本日の夕刻までです。」
☆☆☆☆
グレイシアはギルドを出ると、ディリジェンス草が取れる森へとテレポートしていた。勿論、人目は気にしているが。人っ子一人もいないし、魔物もいないのが気になるところだけど。
グレイシアはスキルについて、理解しているのかな?あらかたのスキルは習得しているが、使いこなせるかは別である。
「ディリジェンス草ってなかなか見つからないね。」
『そんなに難しいクエストじゃないから、割とすぐに見つかると思うよ!!・・・【鑑定】スキルを使ってみようか?』
「スキル?」
『そう。スキルの出番だよ!目に力を集めるようにしてみて!何か見えるはず。』
グレイシアは俺の言う通り目に力を集中させる。【鑑定】スキルが発動するのを感じると同時に【アラート】スキルが発動した。
【リオネットドラゴンが接近中。戦闘態勢を整えてください。】
『あー。だから、魔物が人っ子一人もいないのかぁ。お祝いモードだけじゃないんだ。今のは【アラート】スキルってやつ。身に危険が及びそうになると教えてくれるの。』
「なるほど。つまり、魔物が近寄ってくる時にこの声が聞こえるのですね。貴方もこういう魔物を時々倒していましたね!よーし!僕も頑張ります!」
グレイシアは臨戦態勢をとる。あー。稀には倒すけど、初魔物退治にはドラゴンとはとんでもないと思うよ?しかも、やる気に満ちているし、危機感より高揚感の方が高いってどういう事なの!!グレイシア、気付いて!!こんな事、滅多に起きないからね!?違和感、仕事しろ!
まぁ、自分の責任もあるのだけど。グレイシアは朝食作りに精を出している。必要な食材はアイテムボックスにいれてあるし、必要とあれば文明の利器、スマートフォンを利用して食材を買ってしまえばいいだけの事。これは、神様の特権だよね?
グレイシアは朝食作りに必要な食材をスマートフォンでネット・ショッピングというスキル発動させて、野菜を購入していた。
こういうのすぐに順応出来る人なんだね!すごいや、グレイシアは!
俺はよく利用していたから、出来るって事かな?元々、素質があったって事かな?
(´ε`;)ウーン…
そんな事を考えていると、朝食作りが終わったようだ。グレイシアは初めてにも関わらず、美味しそうなご飯を作り出した。俺は身体の主導権を奪うと、朝食にかぶりつく。
「お、美味しい・・・!すごいな、グレイシアは!!」
『本当に、そうだね。僕、初めて料理したんだよね?それなのに、これだけのものを作れるなんて驚きだよ!』
元々の素質が良かったみたいです。だから、治癒能力を使えるのかもしれない。心優しいグレイシア。
朝食を食べ終わり、習慣であったギルドに向かう為に自身の姿を22、3歳くらいの青年に変化させる。その際に、髪の色を元々の金髪から茶髪へと変化させるのを忘れない。ちなみに、瞳の色は碧眼である。
「アポロンは僕がこの国の第二王子だから、変装していたんだよね?・・・そう、思うと緊張してきた。」
『でも、その習慣に慣れないと生きていけないんですケド。今日はグレイシアが行動してください。』
その動きはぎごちない。緊張でしばらく動けなかった。しかし、ある時自分の頬を叩いたと思ったら、踏ん切りをつけてギルド近くの路地裏にテレポートする。
「・・・初クエストかぁ。緊張するなぁ。」
『まぁ。簡単なものでいいから頑張って。』
緊張しながらもギルドの扉を開く。中に入ると、ギルドはいつも以上に盛り上がっており、何事かと一瞬思った。
『あ、今日アディエル王子の誕生日だ。・・・あ!アディエル王子と言うのは、この国の第一王子の事だよ!』
「あ、ありがとう。だから、こんなに盛り上がっているんだ。」
まぁ、ついでに言うと、グレイシアも誕生日なんだけどね。これは、サプライズにしておこう。ボードに掲げてあるクエストを見ると、今日はめでたい日だからと割と競争力が低い。要するに、アディエル王子をお祝いするムードが高く、ギルドでお酒を酌み交わす人達が多くいる。というか、俺に酒をすすめてくる他人が多い。俺達、変化を解けば、未成年者だ。
「シア!今日はめでたい日だ。クエストを受けずに、一緒に酒飲もうぜ!」
この国では15歳以上からお酒が飲めるが、おあいにく様。グレイシアは5歳である。姿は誤魔化しているけれども。グレイシアはそれがなんとなく分かっているのか、そう言った誘いを断っている。
グレイシアは悩みながらもEランクの薬草集めのクエストを受けるようである。
クエストを受付嬢に渡すと、受付嬢は所定の手続きをとる。
「シア様のクエストはディリジェンス草の採取です。10セット採取してください。期限は本日の夕刻までです。」
☆☆☆☆
グレイシアはギルドを出ると、ディリジェンス草が取れる森へとテレポートしていた。勿論、人目は気にしているが。人っ子一人もいないし、魔物もいないのが気になるところだけど。
グレイシアはスキルについて、理解しているのかな?あらかたのスキルは習得しているが、使いこなせるかは別である。
「ディリジェンス草ってなかなか見つからないね。」
『そんなに難しいクエストじゃないから、割とすぐに見つかると思うよ!!・・・【鑑定】スキルを使ってみようか?』
「スキル?」
『そう。スキルの出番だよ!目に力を集めるようにしてみて!何か見えるはず。』
グレイシアは俺の言う通り目に力を集中させる。【鑑定】スキルが発動するのを感じると同時に【アラート】スキルが発動した。
【リオネットドラゴンが接近中。戦闘態勢を整えてください。】
『あー。だから、魔物が人っ子一人もいないのかぁ。お祝いモードだけじゃないんだ。今のは【アラート】スキルってやつ。身に危険が及びそうになると教えてくれるの。』
「なるほど。つまり、魔物が近寄ってくる時にこの声が聞こえるのですね。貴方もこういう魔物を時々倒していましたね!よーし!僕も頑張ります!」
グレイシアは臨戦態勢をとる。あー。稀には倒すけど、初魔物退治にはドラゴンとはとんでもないと思うよ?しかも、やる気に満ちているし、危機感より高揚感の方が高いってどういう事なの!!グレイシア、気付いて!!こんな事、滅多に起きないからね!?違和感、仕事しろ!
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