上 下
4 / 15
1.おはようございます。グレイシア!

4.初めての出来事!

しおりを挟む
何もかもが初めての出来事。初めてはワクワクする。魔物退治も然り。人に害為すのならば、僕が倒さなくては。


アポロンの記憶では、魔法で対処していた。だったら、僕も同じ手段を選ぶ。アポロンだって僕の一部。もう一人の僕が魔物を討伐に失敗した事がない。ならば、身体を共有している以上僕に討伐出来ない訳がない!


リオネットドラゴンが目の前に現れたのを確認すると、僕は息を思いっきり吸い込む。そして、大声で叫ぶ。


世界の終焉ワールド・エンド!!」


リオネットドラゴンは僕の放った魔法の影響で見事に地面に押し潰される。そして、リオネットドラゴンは大きな魔石を落とし、姿を消した。僕は魔石を拾い、アイテムボックスにしまう。そして、大きく手を上げた。


「やった!!魔物を退治出来た!」


喜びを感じたが、身体がふらつく。


『あー。魔力を使いすぎたね!グレイシアが極大魔法を使うから。俺でもこんな大規模魔法使わないよ!?でも、初魔物退治おめでとう。』


これが、魔力切れか・・・。気分悪いけれど、やってやったって感じでなんか気持ちいい感じ?いや、変態とかじゃないよ。いや、断じて。


これって時間経過で回復するはず。しばらく待とうか。


『歌えば?治癒能力って自分も回復するはずだよね?』


えっ?歌うの?それはなんか恥ずかしいなぁ。それに治癒能力を己の私欲の為に使うなんてもってのほか。僕が使うのは烏滸がましいよ!!


『でも、もしこの能力で人を助けたいなら、ちゃんと使えるか確かめないと。人々の期待を裏切る事になるよ?』


うっ・・・!アポロンは嫌なところを突くなぁ!!確かに、教会で働いている人達に、期待されているのに、幻滅はされたくないなぁ!


分かったよ。歌ってみる。だから、アポロンちゃんと聞いててね?


♪~♪♪


そうすると、力が湧き起こるのが身をもって確認出来る。気分も高揚してくる。僕の歌、変じゃないかな?



『ヒュー。流石、治癒能力を持っているだけあるよ。上手いよ!!』


どうやら上手くやれていたらしい。アポロンに褒められた。


「ちゃんと使えるみたい。これで期待を裏切らずに済む。」


『まぁ。期待させたのは何処でもない俺なんだけどね!後、グレイシアは気にしていないみたいだけど、独り言のように聞こえるからそこは気にしてね?』


そこは気にしているつもりなんだけどなぁ。どうしても会話が一方通行になっちゃうんだよね。


まぁ。動けるようになったし、ディリジェンス草を採取しよう。


☆☆☆☆


【鑑定】スキルでディリジェンス草を見繕うと10セット採取したところで街にテレポートする。勿論、人目を避けてね。そして、ギルドに向かう。


受付嬢にクエスト完了の報告がてらディリジェンス草を見せると、すぐに買い取ってくれた。


「相変わらずシアさんは仕事が速いですね。状態も良いですし。」


「そうかなぁ?これくらい普通だよ。」


「それを‟普通”と言えるのが、またすごいんですよ!!」


受付嬢は興奮を抑えきれないようである。・・・まだ、僕には受付嬢を驚かせるようなものを持っている。多分ね。僕は顔をにやつくのを抑えきれない。そこを受付嬢は察したのか、僕に聞いてくる。


「シアさん。実はまだ隠している事があるんじゃないですか!?どうですか!!」


ギクッ。
隠している事は色々とあるけれど、これは魔物討伐の事を言えば、良いんだよね?他はバレていないよね?大丈夫だよね?


不安になるも、今一度気を落ち着かせる為に、深呼吸をする。そして、僕はアイテムボックスから魔石を取り出して、受付嬢に渡す事にした。


「そ、そうだなぁ・・・。ディリジェンス草を採取する最中に魔物を討伐してきたんだ。・・・それで、この魔石を落としたから、買い取ってくれる?」
「え?・・・こ、これって・・・!?一体何をすれば、こんなにバカでかい魔石を持つ魔物に出くわすんですか!?そして、それを討伐したと!?」


え?それって、どういう事だろう?確かに、持ち運びには向かないくらい大きな魔石だけど。まぁ、魔石なんだけど、岩って言った方が早いけれども。疑問に思ったので、少し聞いてみる事にした。


「・・・リオネットドラゴンってそんなにすごいやつなの?」


そう言うと、吹き出す受付嬢。すぐにギルドマスターを呼びに行ってしまった。しばらくして、ギルドマスターが来ると取り出した魔石をじろじろと見る。そして、ギルドマスターは深くため息をついた。


「お前さんは、相変わらず大した事ない顔してとんでもないもん倒してくるなぁ。流石に、たかが4、5年でSSランクにまで上り詰めるだけあるわ。」


えっとぉ、まぁとんでもない事したって事だけは流石に、分かるな。でも、アポロンだってこういう事しているでしょ?ギルドマスターの顔がどこか明後日の方向を向いているのは多分、僕の気のせいではないはず。誰か、僕に事情を説明してほしい。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

殺されたが、異世界で自由に生きていくことにした

零月
ファンタジー
会社からの帰り道、見知らぬ女性から刺され殺された白鳥玲は異世界で目を覚ます。 玲はもう1つの人格と異世界を過ごしていきます。 もとは小説家になろう様で書かさせて戴いていたものです。 不定期更新です。

死んだと思ったら異世界に

トワイライト
ファンタジー
18歳の時、世界初のVRMMOゲーム『ユグドラシルオンライン』を始めた事がきっかけで二つの世界を救った主人公、五十嵐祐也は一緒にゲームをプレイした仲間達と幸せな日々を過ごし…そして死んだ。 祐也は家族や親戚に看取られ、走馬灯の様に流れる人生を振り替える。 だが、死んだはず祐也は草原で目を覚ました。 そして自分の姿を確認するとソコにはユグドラシルオンラインでの装備をつけている自分の姿があった。 その後、なんと体は若返り、ゲーム時代のステータス、装備、アイテム等を引き継いだ状態で異世界に来たことが判明する。 20年間プレイし続けたゲームのステータスや道具などを持った状態で異世界に来てしまった祐也は異世界で何をするのか。 「取り敢えず、この世界を楽しもうか」 この作品は自分が以前に書いたユグドラシルオンラインの続編です。

25歳のオタク女子は、異世界でスローライフを送りたい

こばやん2号
ファンタジー
とある会社に勤める25歳のOL重御寺姫(じゅうおんじひめ)は、漫画やアニメが大好きなオタク女子である。 社員旅行の最中謎の光を発見した姫は、気付けば異世界に来てしまっていた。 頭の中で妄想していたことが現実に起こってしまったことに最初は戸惑う姫だったが、自身の知識と持ち前の性格でなんとか異世界を生きていこうと奮闘する。 オタク女子による異世界生活が今ここに始まる。 ※この小説は【アルファポリス】及び【小説家になろう】の同時配信で投稿しています。

家の庭にレアドロップダンジョンが生えた~神話級のアイテムを使って普通のダンジョンで無双します~

芦屋貴緒
ファンタジー
売れないイラストレーターである里見司(さとみつかさ)の家にダンジョンが生えた。 駆除業者も呼ぶことができない金欠ぶりに「ダンジョンで手に入れたものを売ればいいのでは?」と考え潜り始める。 だがそのダンジョンで手に入るアイテムは全て他人に譲渡できないものだったのだ。 彼が財宝を鑑定すると驚愕の事実が判明する。 経験値も金にもならないこのダンジョン。 しかし手に入るものは全て高ランクのダンジョンでも入手困難なレアアイテムばかり。 ――じゃあ、アイテムの力で強くなって普通のダンジョンで稼げばよくない?

ワイ、TS白髪美少女と都市マスターになる

あ・まん@田中子樹
ファンタジー
【2日に1回更新中】  武士のような名前の士郎宗近(シロウ ムネチカ)は社畜ブラックの新人企業戦士だった。  入社3日目で、闇落ちメンブレして二重人格になった彼はブラック上司のとばっちりで電車に轢かれてまさかの異世界転移。それもなぜか二重人格のせいで2人に分離していた。  もう一人の人格シロは心が乙女だったせいか、かわいい白髪の女の子になっていた。 「尾田●一郎先生、ワイ、ラ●テル見つけたよ」 「いや、ここ異世界ですから!」 「ツッコミ欲しがりなん?」 「なぜ私ぃぃぃっ!」   ボケ担当クロとボケを華麗にスルーしまくるシロは召喚された都市の未来を任された。  ふたりの凸凹コンビが織りなす壮大な異世界冒険がついに幕が開く――かも?  

魔法の探求者、異世界で無双する ~美少女奴隷と共にダンジョン探索。屋敷をもらってレアアイテムをゲットして、ついでに爵位も授かっちゃうぜ~

猪木洋平@【コミカライズ連載中】
ファンタジー
 主人公【シンヤ】は日本人だ。  異世界に転移し、魔物に襲われている行商人の一行を助けた。  行商人はお礼として、奴隷を一人譲ってくれると言う。  シンヤが美少女奴隷に目移りしているとき、誰かが彼の腕を引っ張った。  それは助けた者の一人、猫獣人の奴隷【ミレア】だった。 「ん? どうしたんだ?」 「……」  シンヤの問いかけに対して、彼女は熱っぽい視線を向けるだけだ。 「えっと……。君が俺の仲間になりたいのか?」  シンヤはそう尋ねた。  すると、コクッと力強くうなずく。 「そうなのか……。でも、どうして俺なんだ?」 「赤猫族の女……。命の恩人には、絶対服従スル……」 「へ?」  シンヤは思わず聞き返す。  だが、彼が思考を整理している間に、ミレアが距離を詰めてきて……。  彼女の口唇が、シンヤの頬に触れた。 「え!?」  突然のことに驚くシンヤ。  その隙をついて、今度は彼の首筋に舌を這わせる。 「ちょっ……! 何してんだよ!!」  慌てて飛び退くシンヤ。 「強い雄の子種がほしイ……。シンヤ、あたしと子どもをつくろウ?」 「いやいやいやいや!」 「ダメ……?」 「いや、そういう問題じゃなくてさ……。命の恩人というだけで、そこまでしなくてもいいぞ?」 「ソレだけじゃない。匂いも気に入った……」 「はぁ……」 「それに、シンヤはすごく強い魔力を持ってイル……。あたしも魔力持ちだからワカル……」 「まあ、確かにそうだけどな」 「きっと役に立つ……。あたしを使ってほしイ……」  そう言うと、ミレアは再び顔を近づけてくる。 「おい……。ちょっと待てって……」 「シンヤ、スキ……。早く赤ちゃんつくろウ?」 「いやいやいやいや!!」  迫ってくる猫娘を押しとどめようとするシンヤ。  だが、ミレアの力は強く、どんどん押し込まれていくのだった。

45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる

よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です! 小説家になろうでも10位獲得しました! そして、カクヨムでもランクイン中です! ●●●●●●●●●●●●●●●●●●●● スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。 いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。 欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・ ●●●●●●●●●●●●●●● 小説家になろうで執筆中の作品です。 アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。 現在見直し作業中です。 変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。

捨てられ王子は異世界に逃げ込む。

花京院陽菜
ファンタジー
『呪われた子供』と言われ、捨てられたアキト。 そして、アキトは自身の持つ能力で異世界に逃げ込むのであった。

処理中です...