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1.ゲーム開始!・・・するまで。

4.ミライと喧嘩しました。

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「そ、それは・・・。」


言葉に詰まる僕。でも、周りにいた皆がそれを許さない。


「そんな事って許される事じゃねーよな。ネックレスに魂を封じ込めるなんて。」


ミライは僕を激しく責め立てる。この状況、どうすれば?


「・・・でも、こうしなければ兄さんは亡くなっていたんですよ。僕は、どうしても兄さんを助けたかったんですよ。だって、大事な兄さんですから。生きていて欲しかったですよ!」


あんちゃんはどういう事だと言葉に出す。


「・・・あんちゃん。自分達が逃げようとする前に兄さんは処刑されてしまう予定だったのですよ。僕にはそういう未来が見えていたのですよ。」
「未来が見えていた?僕が殺される未来を?」



兄さんはおずおずと尋ねる。僕は首を縦に振った。兄さんは記憶を辿る。そうすると、その時の記憶が蘇ったのか、顔面蒼白である。


「まさか、あの時僕は処刑台に並ぶところだったのか。」


「俺はハーツが殺される未来も、そもそもツバサが未来が見える事も知らなかったが?」


あんちゃんは首をかしげる。


「まぁ。ほんの少しの未来だけですよ。流石に全ては見られないですよ。助けたいと思う気持ちはいけない事ですか?」


僕はミライの顔を、目を見て答える。


「俺はツバサにどんな事があってアリアンローゼン帝国から逃げてきたのか理解は出来ないけれども。それでも、他の方法とかなかったのか?」


ミライは真剣な眼差しで答える。僕はその眼差しから逃れる事が出来ず、お互い見つめ合う。



その方法以外と言われて、初めて他にも方法があったんじゃないのかと思い始める。でも、思い付く事は何もなかった。



「・・・これが自分に出来る最適策でした。殴ったっていいですよ。こんな形でしか兄さんを、救えなかったのですから。」


ミライはうーんと頭を抱えながらも、はっきり言い切る。



「・・・。」


ミライは一発僕の頬をグーで殴ってきた。


ドシャーン!!


僕は歯を食いしばるものの勢いが余って少々吹き飛ばされた。


「これで、赦したる!・・・今回は俺がいたから良かったものの次は赦さないから!他には隠していないか?」



僕は首を横に振った。



「他に隠し事なんてないですよ!!」


まぁ。ゲーム内で起こる事は憶えているから隠し事と言えば、隠し事になるんだと思うけれどね!こればかりは信じてもらえるかどうか。



☆☆☆☆


ミライに殴られたところがヒリヒリ痛む。しかし、殴られるような事をしたんだよね。あの後、兄さんは僕の味方をしてくれたし、それで事なきを得たんだよね。でも、このような方法を取ったのはゲーム内でのイベントストーリーがヒントになったとは、とてもじゃないけど言えないよなー。



まぁ、いっか。あいつ・・・の事なんてどうだっていい。僕はあいつ・・・あんちゃんの弟が嫌いだ。半分あんちゃんと血がつながっている弟。何で、あいつがあんちゃんと血がつながっているんだろう。あんちゃんは素敵な兄貴分なのに。あいつと口を聞くだけでいつも喧嘩になる。ゲーム内では割と普通・・・の仲だったみたいだが、僕は認めません。


だって、あいつは僕と同じ事をしているから。あいつ、他人が作ったものでネックレスにシャルロッテ姉さんを封じ込めやがって!!よりによって、シャルロッテ姉さんの魂と身体を封じ込めたなんて・・・!!今回ミライが許さなかったみたいに、僕だって許してなんかやらないから。



☆☆☆☆


それにしても、ミライ用に作ったネックレスが台無しになっちゃったかな。せっかく創作系チートを駆使して、身体能力と魔力増強するネックレスを作ったのに。まぁ、わざわざ原価が高いピンクダイヤモンドを装飾したりして女の子のプレゼントみたいなんだけど。ミライにあげないなら売っちゃおうかな?



僕はミライにあげる為のネックレスを自分の首から外し、この手に握っているとミライがやってきた。


「・・・ツバサ?何してんだ、こんなところで。」
「ミライ・・・。」

「良かったらこのネックレスを受け取ってくださいですよ。」


僕は手に取っていたネックレスをそのままミライ渡そうとした。でも、ミライは怪訝そうな顔をする。まぁ、そうですよね。あんな事があったばかりだもの。そう、兄さんを助けてからもう2週間程が経った。兄さんはあんちゃんと同じクラスで、もうクラスに馴染んでしまった。何というコミュ力。



いや、そうでなくてね。今はミライの話だよ。



「・・・それ、前みたいな変なものじゃないよな?」
「ただのアクセサリーですよ。ちょっと原価が高いだけですよ。・・・最悪ミライと会えなかったら、売ろうと思っていたものですね。」
「俺に会えなかったらって・・・?」


「前に僕は言ったですよ。ちょっとした未来が見えるって。」


そう、この出会いは運命的なものだって信じているから。
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