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1.幼少期!
13.エレーナに事情を話そう!
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ルシアン王子が、騎士隊に指示している隙にエレーナと『飲み食い処シューリッヒ』に転移して、母上の元へと戻る。
「ただいまー。戻って参りました。」
「グレイシアっ!大丈夫?怪我はない?」
母上は戻ってくるなり、怪我の確認。まぁ、母親としては普通の事か。
グレイはニコッと笑う。
「僕は、女神様の加護を得ているから大丈夫だよっ♪さっ、届けるものは届けたし、帰ろっ♪」
グレイは母上をギューッと抱き締める。それに母上は安心したようです。
ちなみに、母上とアンジュさんは俺達が出ていた間、村長さんの届け物の野球を使った遅めの朝食を取っていたようです。母上も食べても太らない体質みたいです。しかし、大食いという訳ではありませんが。
母上を連れて、店内を出る。暗い路地裏に出ると、俺達は故郷に帰った。
・
・
・
「いや?色々あったねー?」
「まぁ、でもアンジュが元気そうで良かったわ。」
「母さんはあの街に行って、大丈夫だった?」
「グレイシアは優しいのね。少し、戸惑ったかしら?第四王子に会ってしまって。」
「あー。それは僕も予想してなかったなぁ☆」
「ルシアン王子は次の国王になるのですか?」
エレーナはつい疑問を口に出す。エレーナは純粋に知識がないようだ。こういう時、グレイは体の主導権を譲る。説明要員か、俺は!
「ルシアン王子はレイフォルク王国の第四王子だよっ!この国の国王になるには『救世の力』を持つ者が必須条件。でも、国王以外の王族は、誰もこの力を持って生まれていないんだ。そして、『救世の力』を持つ者は男性と決まっている。」
「そうなんですか?」
「そう。でも、『救世の力』を持つ者はこれから生まれる事はない。」
「それは何故?」
防御壁をかけて、周りに聞こえないようにする。エレーナはその俺の様子に緊張感が走る。あー。今、自宅ね!
俺は左手の甲を見せる。偽装スキルは解除する。エレーナはまじまじと見る。
「・・・だって、俺が『救世の力』を持って生まれてきたのだから。この力を持った者が、子供に引き継げるのは一度きり。だから、もう子供が出来たとしても『救世の力』を持って生まれる事はない。」
「グレイシアが次の国王になるのですか?」
「・・・正直、それも難しいところだね。国は秩序を守る為に、王族関係の者しか婚約を受けてはならない。また、肉体関係を持ってはならない。・・・このままだと、母上が非難を浴びる事になる。それは何としてでも、避けたいんだ!」
エレーナは頭を抱えて、悩む。ちょっと、難しかったかな?母上は俯いてしまう。
「だから、俺は、隠れて過ごすしかないんだ。それか、国王陛下に自分の非を認めさせる!」
強い意志を込めて、宣言する。エレーナは強く頷いてくれる。
「私も、お手伝いします!グレイシアにはお世話になっていますから!」
まだ、エレーナと過ごしてそんなに経っていないけど。でも、心強い。しかし、母上は俯いたまま小さく声を上げる。
「でも、本来は第四王子、ルシアン王子が『救世の力』を持って生まれるかもしれなかった。私が、振り解いていれば、こんな事にはならなかったのに!」
俺は、具現化スキルを使って、ゲーム開始時の姿に変化する。そして、母上を強く掴んで、押し倒す。
「・・・これでも、貴方は振り解けたんですか?」
パッと離れ、元の姿に戻る。
「いえ。難しかったかもしれません。」
ここで、体の主導権を奪われる。
「母さんは何も悪くないよっ☆悪いのは、国王陛下なんだからねー?」
「グレイシア・・・。」
「それにしても、グレイシアは第五王子という事になるのですか?」
「一応は、ルシアン王子より誕生日は一日前なんだ☆だから、第四王子かな?まぁ、知っているのは母さんと僕☆本来の立場は第五王子になる予定だったけど、これには理由があったんだよー?」
「それは・・・?」
「・・・『救世の力』を持って生まれる子供は出産に凄い力が必要なんだ。でも、女神様のおかげか、シアは胎内で自我を確立させた。だから、母さんにとっては、早産にはなるけれど『救世の力』で簡単に産まれてきたの☆本来は・・・第四王子が産まれてから、一ヶ月後、難産になって、母さんが亡くなる・・・そんな未来が見えたから。そんな未来は嫌だったから、シアはその時、初めて『救世の力』を使ったの。」
母上はその事実に驚愕する。それと同時に今度は涙を浮かべたグレイを強く抱き締めた。
「ただいまー。戻って参りました。」
「グレイシアっ!大丈夫?怪我はない?」
母上は戻ってくるなり、怪我の確認。まぁ、母親としては普通の事か。
グレイはニコッと笑う。
「僕は、女神様の加護を得ているから大丈夫だよっ♪さっ、届けるものは届けたし、帰ろっ♪」
グレイは母上をギューッと抱き締める。それに母上は安心したようです。
ちなみに、母上とアンジュさんは俺達が出ていた間、村長さんの届け物の野球を使った遅めの朝食を取っていたようです。母上も食べても太らない体質みたいです。しかし、大食いという訳ではありませんが。
母上を連れて、店内を出る。暗い路地裏に出ると、俺達は故郷に帰った。
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「いや?色々あったねー?」
「まぁ、でもアンジュが元気そうで良かったわ。」
「母さんはあの街に行って、大丈夫だった?」
「グレイシアは優しいのね。少し、戸惑ったかしら?第四王子に会ってしまって。」
「あー。それは僕も予想してなかったなぁ☆」
「ルシアン王子は次の国王になるのですか?」
エレーナはつい疑問を口に出す。エレーナは純粋に知識がないようだ。こういう時、グレイは体の主導権を譲る。説明要員か、俺は!
「ルシアン王子はレイフォルク王国の第四王子だよっ!この国の国王になるには『救世の力』を持つ者が必須条件。でも、国王以外の王族は、誰もこの力を持って生まれていないんだ。そして、『救世の力』を持つ者は男性と決まっている。」
「そうなんですか?」
「そう。でも、『救世の力』を持つ者はこれから生まれる事はない。」
「それは何故?」
防御壁をかけて、周りに聞こえないようにする。エレーナはその俺の様子に緊張感が走る。あー。今、自宅ね!
俺は左手の甲を見せる。偽装スキルは解除する。エレーナはまじまじと見る。
「・・・だって、俺が『救世の力』を持って生まれてきたのだから。この力を持った者が、子供に引き継げるのは一度きり。だから、もう子供が出来たとしても『救世の力』を持って生まれる事はない。」
「グレイシアが次の国王になるのですか?」
「・・・正直、それも難しいところだね。国は秩序を守る為に、王族関係の者しか婚約を受けてはならない。また、肉体関係を持ってはならない。・・・このままだと、母上が非難を浴びる事になる。それは何としてでも、避けたいんだ!」
エレーナは頭を抱えて、悩む。ちょっと、難しかったかな?母上は俯いてしまう。
「だから、俺は、隠れて過ごすしかないんだ。それか、国王陛下に自分の非を認めさせる!」
強い意志を込めて、宣言する。エレーナは強く頷いてくれる。
「私も、お手伝いします!グレイシアにはお世話になっていますから!」
まだ、エレーナと過ごしてそんなに経っていないけど。でも、心強い。しかし、母上は俯いたまま小さく声を上げる。
「でも、本来は第四王子、ルシアン王子が『救世の力』を持って生まれるかもしれなかった。私が、振り解いていれば、こんな事にはならなかったのに!」
俺は、具現化スキルを使って、ゲーム開始時の姿に変化する。そして、母上を強く掴んで、押し倒す。
「・・・これでも、貴方は振り解けたんですか?」
パッと離れ、元の姿に戻る。
「いえ。難しかったかもしれません。」
ここで、体の主導権を奪われる。
「母さんは何も悪くないよっ☆悪いのは、国王陛下なんだからねー?」
「グレイシア・・・。」
「それにしても、グレイシアは第五王子という事になるのですか?」
「一応は、ルシアン王子より誕生日は一日前なんだ☆だから、第四王子かな?まぁ、知っているのは母さんと僕☆本来の立場は第五王子になる予定だったけど、これには理由があったんだよー?」
「それは・・・?」
「・・・『救世の力』を持って生まれる子供は出産に凄い力が必要なんだ。でも、女神様のおかげか、シアは胎内で自我を確立させた。だから、母さんにとっては、早産にはなるけれど『救世の力』で簡単に産まれてきたの☆本来は・・・第四王子が産まれてから、一ヶ月後、難産になって、母さんが亡くなる・・・そんな未来が見えたから。そんな未来は嫌だったから、シアはその時、初めて『救世の力』を使ったの。」
母上はその事実に驚愕する。それと同時に今度は涙を浮かべたグレイを強く抱き締めた。
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