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第16章:砂漠の薔薇編
第183話:さらなる謎
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あれからセネカ達は森の中を奥へと進んでいった。進行方向に現れる魔物は基本的にセネカが対応し、それ以外を他のみんなが対応している。
「セネカ、このまままっすぐ進んで! 集落の跡地があるからそこに隠れて作戦を練り直すわ!」
「分かった!」
セネカは返事をしながら跳び上がり、木から木へと飛び移るオルニクスを斬り伏せた。滑空していたオルニクスは宙で二つに分かれ、そのままべちょっと地面に落ちた。
「ルキウス、プラウティア! 三匹のラピトリクスがすごい速さで向かってくるから迎撃準備! モフは風魔法の防御をお願い!」
「私はー?」
「セネカはオルニクスを警戒して!」
セネカは目線を上に向けてオルニクスの影を探した。オルニクスはトカゲに翼が生えたような魔物で、木を飛び移り上方から奇襲してくるのが得意だ。強い魔物ではないが、戦いの匂いを嗅ぎつけてくるので、早めに始末しておきたい。
セネカは一人で先行しているので、パーティの様子はよく分からない。先ほどからマイオルの指示が聞こえてくるので、いまは全員で戦っているのだろう。
後方での戦いに注意を払いつつも辺りを見回していると、前方から『ガサッ』という音がした。
目を凝らすと大きな木の枝にオルニクスに良く似た魔物がいた。オルニクスと比べると体に丸みがあり、羽根に光沢がある。カラリスだ。
この魔物は声で行動を妨害したり、仲間を呼んだりするので早く倒してしまいたい。
セネカはカラリスに向かって走りながら[魔力針]を発射した。避けられてしまうが、動いた先にまた針を撃つ。こうすることで大きな鳴き声を出す隙を与えない作戦だ。
カラリスはセネカの針を避けながら移動を続ける。原鳥類の魔物は飛行できないので木と木を飛び移るのが基本だ。
カラリスが陽の当たる木に移動するのを見てからセネカはその影に[まち針]を飛ばした。直撃する方向ではないので、カラリスは避けなかった。
「影縫い」
セネカはスキルを発動してカラリスの影を地面に縫い付けた。カラリスは麻痺したかのように身体を動かせなくなっている。
「それじゃあね」
セネカは針刀を大きく振りかぶり、カラリスを斬った。
再び周囲を警戒しながらマイオルの指示を待つ。音が止んでいるので、あちらの戦いも済んだのだろう。
マイオルのおかげで面倒な戦闘は避けられていそうだが、それでもかなりの数の魔物と戦ってきた。まるで魔物に追われているようだ。
少し待っているとルキウスを先頭にみんながやってきた。
「セネカ、僕とプラウティアさんが前に出るから中衛と合流だって」
「はーい」
ルキウスとプラウティアに抜かされるとマイオルの顔が見えてきた。
「セネカ、ありがとう。おかげで安全に進めたわ。もう少しでリザードマンの集落に到着するから移動しながら情報を共有するわね」
セネカは頷きながらマイオルの横につき、並んで走り始める。
「まず現状なんだけど、あれから森中の魔物が活性化していて、徘徊している魔物がすごく多くなっているわ。私達が来た方向にはリザードマンの群れが集まっていて、戻るには決戦を覚悟しなければいけない状況ね」
「ワイバーンを倒したのがきっかけだったのかな?」
「そう考えるのが自然だって思っているわ。空にいるワイバーンの数も増えているし、まるで私たちを探しているような動きなの」
「そっかぁ……」
魔物に追い込まれているような気がしていてのはセネカの思い過ごしではなかったようだ。
「拠点に戻るのが大変そうだから、森の奥に逃げ込むのが良いんじゃないかってここまで進んできたんだけどね……」
「何か問題があったの?」
「【探知】出来ない場所を見つけたの。スキルを使っても何にも分からない空白地帯が森の奥にあるの……」
マイオルは気まずそうな顔をしている。正確な状況を知るためにセネカは質問を続ける。
「魔物や魔力の反応がないってこと?」
「ううん、まるでそこに何もないかのようなの。魔物がいなくたって植物や地面を検知するはずなのに、ある地点を境にそれが無くなるの」
それは異常事態だ。そんな場所があると聞いたことがない。もしそこだけ【探知】出来ないのだとしたら土地に何か秘密があるのかもしれない。
「その場所って遠いの?」
「ここからそんなに遠くないと思うわ。上空に出れば様子を見られると思っているんだけど、ワイバーンの数が多くて簡単じゃなさそうなの」
「だから一旦作戦会議なんだね」
「そうね。進むには不確定要素が多すぎて、戻るには敵が集まりすぎているっていうのが現状かしらね。集落に隠れながら空に出る機会があると良いんだけど……」
兎にも角にも必要なのは情報だが、それを得る方法が限られている以上、慎重にならざるを得なかった。
前を見ると先の方でルキウスとプラウティアが立って待っていた。そこが集落の入り口なのだろう。
セネカは走る速度を緩め、横にいるマイオルを見た。マイオルは疲れていそうな様子でもあったけれど、不敵な笑みを浮かべていた。
「ねぇ、セネカ……。もしあたしのスキルを阻害するような場所があったとしたら、そこには何があると思う?」
セネカはマイオルをじっと見ながら考えた。
「そこまでするほどの大切なものか、危険なものじゃない?」
「やっぱりそうなるわよね」
マイオルがそう言うと同時にセネカ達は集落に到着した。
◆
セネカたちはリザードマンの無人集落に到着し、集落の調査を行うことになった。
探索を始める前に、ガイアの提案でこれまで通ってきた領域の名前を統一することにした。
名前は渓谷側から拠点領域、リザードマン領域、ワイバーン領域で、さらに奥に空白地帯が存在している。今のところ魔物は奥に行くほど強くなっていて、龍っぽさが増しているようにセネカは感じていた。
ワイバーン領域にもリザードマンはいるが、より強力な個体が多く、集落も大規模だ。
セネカ達はこれから空白地帯へ進むか、魔物の集団を突破して拠点領域に戻るかを話し合う。そのためにまずは集落の安全性を確認し、周辺の状況を調べようとしている。
セネカはプラウティアとともに集落内を見回っていた。マイオルのスキルで魔物がいないことは確認しているが、他に危険がないかを調べるのが仕事だ。
罠のありそうな場所を中心に二人で丁寧に見回りをする。この集落の家は木や枝がきれいに処理されていて、リザードマン領域で見たものよりも洗練されていそうだ。
話し合いに使えそうな家を見繕った後で、セネカとプラウティアは集落の中に進んで行った。
奥に入るにつれて家は立派になり、地面もならされている。群れの中で地位の高いものがここに住むのだろうか。
気づいたことを話しながら二人で進んでいくと、開けた場所に出た。広場のような場所なのだろう。
「プラウティア、ここは広場かな?」
「そう見えるね。あっ、あそこに何かあるよ」
プラウティアが指差した方を見ると、青みがかった大きな石が置かれていた。上部は平らで白色の石のようなものが積み上げられている。
「お供え?」
岩は小綺麗にされている。もしこれが古代人の遺跡にあったら原始的な信仰の現れだと感じるだろう。
「何が置かれているんだろうね」
セネカは罠に警戒しながら近づいていった。青石の上にある物が徐々に見えてくる。
それはセネカの拳ほどの大きさで、ゴツゴツしていて……そして薔薇のような形をしていた。
「これって、砂漠の薔薇?」
「なんでこれがここに? 森の中なのに……」
セネカとプラウティアは顔を見合わせて驚いた。
「とにかくみんなに知らせよう。本物かどうか私たちじゃ分からないし」
そう言ってセネカはみんながいる集落の入り口に戻り始めた。
少しだけ歩くとモフがこちらに向かってくるのが見えた。迎えにきてくれたのだろう。
セネカは手を振りながら今さっき見つけた特大の情報を口にした。
「モフ! あのね、集落の奥に――」
だが、それはモフの声にかき消された。
「二人とも、聞いてよぉ。ルキウスが魔物の隙を見て空に上がったんだ。そして空白地帯がどうなってるか目で確認したんだよ」
「えっ、そうなの? 魔物の目をうまく避けられたんだね……。それでどうだったの? やっぱり奥には何にもなかった?」
セネカはモフに詰め寄って聞いた。プラウティアも思わず前のめりなっているようだ。
「空白地帯には砂漠が広がっていたんだ! 何にもない場所だったんじゃなくて、マイオルさんのスキルが阻害されていたんだよぉ!」
----------
お読みいただきありがとうございます!
物語の速度が上がってきたこともあり、この章が終わるまでは火曜と金曜の週2回更新に変更しようと思います。
引き続きお楽しみいただけたら嬉しいです!
「セネカ、このまままっすぐ進んで! 集落の跡地があるからそこに隠れて作戦を練り直すわ!」
「分かった!」
セネカは返事をしながら跳び上がり、木から木へと飛び移るオルニクスを斬り伏せた。滑空していたオルニクスは宙で二つに分かれ、そのままべちょっと地面に落ちた。
「ルキウス、プラウティア! 三匹のラピトリクスがすごい速さで向かってくるから迎撃準備! モフは風魔法の防御をお願い!」
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「セネカはオルニクスを警戒して!」
セネカは目線を上に向けてオルニクスの影を探した。オルニクスはトカゲに翼が生えたような魔物で、木を飛び移り上方から奇襲してくるのが得意だ。強い魔物ではないが、戦いの匂いを嗅ぎつけてくるので、早めに始末しておきたい。
セネカは一人で先行しているので、パーティの様子はよく分からない。先ほどからマイオルの指示が聞こえてくるので、いまは全員で戦っているのだろう。
後方での戦いに注意を払いつつも辺りを見回していると、前方から『ガサッ』という音がした。
目を凝らすと大きな木の枝にオルニクスに良く似た魔物がいた。オルニクスと比べると体に丸みがあり、羽根に光沢がある。カラリスだ。
この魔物は声で行動を妨害したり、仲間を呼んだりするので早く倒してしまいたい。
セネカはカラリスに向かって走りながら[魔力針]を発射した。避けられてしまうが、動いた先にまた針を撃つ。こうすることで大きな鳴き声を出す隙を与えない作戦だ。
カラリスはセネカの針を避けながら移動を続ける。原鳥類の魔物は飛行できないので木と木を飛び移るのが基本だ。
カラリスが陽の当たる木に移動するのを見てからセネカはその影に[まち針]を飛ばした。直撃する方向ではないので、カラリスは避けなかった。
「影縫い」
セネカはスキルを発動してカラリスの影を地面に縫い付けた。カラリスは麻痺したかのように身体を動かせなくなっている。
「それじゃあね」
セネカは針刀を大きく振りかぶり、カラリスを斬った。
再び周囲を警戒しながらマイオルの指示を待つ。音が止んでいるので、あちらの戦いも済んだのだろう。
マイオルのおかげで面倒な戦闘は避けられていそうだが、それでもかなりの数の魔物と戦ってきた。まるで魔物に追われているようだ。
少し待っているとルキウスを先頭にみんながやってきた。
「セネカ、僕とプラウティアさんが前に出るから中衛と合流だって」
「はーい」
ルキウスとプラウティアに抜かされるとマイオルの顔が見えてきた。
「セネカ、ありがとう。おかげで安全に進めたわ。もう少しでリザードマンの集落に到着するから移動しながら情報を共有するわね」
セネカは頷きながらマイオルの横につき、並んで走り始める。
「まず現状なんだけど、あれから森中の魔物が活性化していて、徘徊している魔物がすごく多くなっているわ。私達が来た方向にはリザードマンの群れが集まっていて、戻るには決戦を覚悟しなければいけない状況ね」
「ワイバーンを倒したのがきっかけだったのかな?」
「そう考えるのが自然だって思っているわ。空にいるワイバーンの数も増えているし、まるで私たちを探しているような動きなの」
「そっかぁ……」
魔物に追い込まれているような気がしていてのはセネカの思い過ごしではなかったようだ。
「拠点に戻るのが大変そうだから、森の奥に逃げ込むのが良いんじゃないかってここまで進んできたんだけどね……」
「何か問題があったの?」
「【探知】出来ない場所を見つけたの。スキルを使っても何にも分からない空白地帯が森の奥にあるの……」
マイオルは気まずそうな顔をしている。正確な状況を知るためにセネカは質問を続ける。
「魔物や魔力の反応がないってこと?」
「ううん、まるでそこに何もないかのようなの。魔物がいなくたって植物や地面を検知するはずなのに、ある地点を境にそれが無くなるの」
それは異常事態だ。そんな場所があると聞いたことがない。もしそこだけ【探知】出来ないのだとしたら土地に何か秘密があるのかもしれない。
「その場所って遠いの?」
「ここからそんなに遠くないと思うわ。上空に出れば様子を見られると思っているんだけど、ワイバーンの数が多くて簡単じゃなさそうなの」
「だから一旦作戦会議なんだね」
「そうね。進むには不確定要素が多すぎて、戻るには敵が集まりすぎているっていうのが現状かしらね。集落に隠れながら空に出る機会があると良いんだけど……」
兎にも角にも必要なのは情報だが、それを得る方法が限られている以上、慎重にならざるを得なかった。
前を見ると先の方でルキウスとプラウティアが立って待っていた。そこが集落の入り口なのだろう。
セネカは走る速度を緩め、横にいるマイオルを見た。マイオルは疲れていそうな様子でもあったけれど、不敵な笑みを浮かべていた。
「ねぇ、セネカ……。もしあたしのスキルを阻害するような場所があったとしたら、そこには何があると思う?」
セネカはマイオルをじっと見ながら考えた。
「そこまでするほどの大切なものか、危険なものじゃない?」
「やっぱりそうなるわよね」
マイオルがそう言うと同時にセネカ達は集落に到着した。
◆
セネカたちはリザードマンの無人集落に到着し、集落の調査を行うことになった。
探索を始める前に、ガイアの提案でこれまで通ってきた領域の名前を統一することにした。
名前は渓谷側から拠点領域、リザードマン領域、ワイバーン領域で、さらに奥に空白地帯が存在している。今のところ魔物は奥に行くほど強くなっていて、龍っぽさが増しているようにセネカは感じていた。
ワイバーン領域にもリザードマンはいるが、より強力な個体が多く、集落も大規模だ。
セネカ達はこれから空白地帯へ進むか、魔物の集団を突破して拠点領域に戻るかを話し合う。そのためにまずは集落の安全性を確認し、周辺の状況を調べようとしている。
セネカはプラウティアとともに集落内を見回っていた。マイオルのスキルで魔物がいないことは確認しているが、他に危険がないかを調べるのが仕事だ。
罠のありそうな場所を中心に二人で丁寧に見回りをする。この集落の家は木や枝がきれいに処理されていて、リザードマン領域で見たものよりも洗練されていそうだ。
話し合いに使えそうな家を見繕った後で、セネカとプラウティアは集落の中に進んで行った。
奥に入るにつれて家は立派になり、地面もならされている。群れの中で地位の高いものがここに住むのだろうか。
気づいたことを話しながら二人で進んでいくと、開けた場所に出た。広場のような場所なのだろう。
「プラウティア、ここは広場かな?」
「そう見えるね。あっ、あそこに何かあるよ」
プラウティアが指差した方を見ると、青みがかった大きな石が置かれていた。上部は平らで白色の石のようなものが積み上げられている。
「お供え?」
岩は小綺麗にされている。もしこれが古代人の遺跡にあったら原始的な信仰の現れだと感じるだろう。
「何が置かれているんだろうね」
セネカは罠に警戒しながら近づいていった。青石の上にある物が徐々に見えてくる。
それはセネカの拳ほどの大きさで、ゴツゴツしていて……そして薔薇のような形をしていた。
「これって、砂漠の薔薇?」
「なんでこれがここに? 森の中なのに……」
セネカとプラウティアは顔を見合わせて驚いた。
「とにかくみんなに知らせよう。本物かどうか私たちじゃ分からないし」
そう言ってセネカはみんながいる集落の入り口に戻り始めた。
少しだけ歩くとモフがこちらに向かってくるのが見えた。迎えにきてくれたのだろう。
セネカは手を振りながら今さっき見つけた特大の情報を口にした。
「モフ! あのね、集落の奥に――」
だが、それはモフの声にかき消された。
「二人とも、聞いてよぉ。ルキウスが魔物の隙を見て空に上がったんだ。そして空白地帯がどうなってるか目で確認したんだよ」
「えっ、そうなの? 魔物の目をうまく避けられたんだね……。それでどうだったの? やっぱり奥には何にもなかった?」
セネカはモフに詰め寄って聞いた。プラウティアも思わず前のめりなっているようだ。
「空白地帯には砂漠が広がっていたんだ! 何にもない場所だったんじゃなくて、マイオルさんのスキルが阻害されていたんだよぉ!」
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