異世界

PoliteFlower

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【新居】

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「ノア、今空いてる部屋はあったかしら?」



「いくつかあるはずですよ。
夏江に確認します。」


ノアさんはすぐに腰に下げていた無線機のような物で連絡を取った。


「あ、夏江、ノアだけど。
部屋の空き状況確認お願いしまーす」


さっきと随分口調が違う。


「おっけー少々お待ち」


無線機の向こう側からガサガサと音が聞こえる。


「ちなみに夏江は俺と同じ中級の戦士。
宮殿の部屋を含む設備管理を担ってて
水道の故障とかもしあれば夏江に伝えれば大丈夫だから」


ノアさんがグッと親指を立てた。


「ありがとうございます!」


ノアさんは中級なんだ....!
まだ戦ってる姿は見たことないけど
強いんだろうなぁ....
この宮殿に来るまでの走りが凄かったなぁ...



ぼーっとノアさんの方を見ていると
ノアさんと目が合ってしまった。


「俺、顔になんかついてる?」


ノアさんはなんだこいつ、と言わんばかりの表情で言った。



「いえ、ぼーっとしてしまってて...ノアさんの顔を見てたわけじゃなくて、その..」


 私はあわあわと焦りながら説明した。



そうこうしていると無線機の向こうから夏江さんの声がした。


「すぐに使えそうな部屋なら
229号空いてるよ~すぐ手配する?」


「おー、頼むわ!」


「おっけーじゃ、建物内の道案内はよろしくー」


夏絵さんはその後すぐにプツっと無線機を切った。


その後は女王の部屋を出て
ノアさんが宮殿内をあちこち案内してくれた。



食事は食堂で日替わりで当番の人がご飯を作って提供するらしい。
食料は森へ直接調達に行く。

ノアさんが森でハントと言っていたのは
食用に鹿などをハントするという意味だった。


他にも大人数のミーティングルームや
大庭園など様々な所を回った。
1回では覚えられなさそうだ。




あちこち歩き回って足に限界が来はじめた頃に
やっと私は自分の部屋へと来た。


「ここが真愛の部屋。
2階で女王に近い部屋だから周りは上級の戦士ばっかでちょっとピリピリしてるかも。
まぁなんかあれば気軽に連絡してや」


そう言うとノアさんは無線機を渡してくれた。


無線機を受け取って中に入ると、
けっこう広くてびっくりした。


ベッドがありソファがありお風呂もトイレも
全て部屋の中にある。
まるでホテルのスイートルーム....


今日からここで生活するんだ。



「じゃあ今日はここまで。
もう夜の7時だしくたくたでしょ?
とりあえず風呂入って食堂に来なよ。
俺と女王しかほぼ知り合いいないだろうから待っててやるよ。」



「あ、ありがとうございますー!」


あぁ、知らない世界で知らない土地で出会った人が悪い人じゃなくてよかった。



神様、ありがとう....
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