異世界

PoliteFlower

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【まさかの父も知っていた】

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ハクが現れてから一晩が経ち、
私はいつものように階段を降りてリビングルームへと向かった。



母が朝ごはんを既に作っていて、
父のかいが新聞を読んでいてた。



「おはよう真愛」


両親が同時に声を出し、お互いに目を合わせてふっと笑った。

父はカメラマンで、
テレビの生中継や様々な番組ロケの撮影をしている。

いつもはもっと朝早いけど今日はゆったりしているようだ。


私が椅子に座って朝ごはんを食べ始めると
父が私の方を見て言った。


「真愛、何かいいことあったか?
なんだか嬉しそうな顔じゃないか。」




「うん、まぁね」


「友達できたか?」


「うん、そんなところ」

「そうか。それはいい知らせだ」


父は嬉しそうに言った。


まぁ。。。友達ではないけど。
人間ですらない。




「母さんと父さんは鷲とか飼ったことある?」



私が唐突に尋ねると、
父も母も目を丸くして私を見つめた。




「ないよ
    あるよ」


「え!あるの!?」


2人が同時に話したのでどっちがどっちを言ったのかわからなかった。



「あなた、あるの!?」


どうやらあると言ったのは父のようだ。



「俺はないんだけどさ、
俺のひいひいひい...正確にはわからないけど何世代か前に鷲を飼ってたって俺のひいおじいちゃんが言ってたよ。真っ白ででかかったってさ。」



「もしかして名前はハクとか!?」



「お、そうそう。って、なんで知ってるんだ!?」



父は新聞からひょこっと顔を出して驚きながら言った。



「昨日、神社で会ったの。
名前はハクだって。」



あぁ、父も母も呆れているだろう。
イカれた娘だと思われたかな... 

私は下を向いてから顔を上げられなかった。



父が新聞を畳んでテーブルに置いたのが聞こえた。



「見たのは小白神社か?」


私はびっくりして顔を上げた。


「そう!屋根の上にいて。。。」



父は開いた口が塞がらない状態だった。



「俺のひいじいちゃんが言うには、
数世代前その小白神社でこっそりとハクという鷲が飼われていたって話だったんだ。
数百年に渡ってずっと社家で代々語り継がれてて...
俺もいずれお前に言おうと思ってたけど、まさかすでに会ったと言われるとは思わなかったよ」



「えええぇぇー!!!」



私と母が驚いて声を上げた。!



「じゃぁきっと守り神かな?
守護霊とか」


「きっとそうだろうな。
社家では代々ずっと語り継がれてる。
それがなぜかはわからないけどな。」



「おっとそろそろ行かないと。」



父は腕時計を確認すると急いでカバンを掴んだ。



しかしあの鷲と関係があるなんて...
いったい父はどんな家系なんだろう?
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