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自閉症児 in Canada
【初の対面!】
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家に帰って椅子に座った。
みしっと小さな音を椅子がたてる。
なんてことだ。。。!
子供たちと来週対面ということになった。
子供の世話なんてろくにしたことないのに、
自閉症の子供の世話なんてできるの!?
しかもオムツ変えたことない!
たくさんの不安があった。
けどもはや前に進むしかない。
永住権を得るためならなんだってしてやる。
思えば永住権得る、得ないをサクッと決めることができたのは、
ある意味母に依存できず自立したからなのだろう。
こんなアスペな私を理解してくれる人が徐々に現れてから
人生は思わぬ方向へと進んでいた。
それはなんというか、すごくドキドキする感覚。
汽車に乗ってどこか彼方へと行くような感覚。
人生捨てたものじゃないんだな!
英語好きでよかった!
いや、そんなことよりもとりあえずツナミに報告だー!!!
「おめでとう!やったやんーこれで永住権取れるね!」
自分のことのように喜んでくれたツナミ。
ありがとう。
永住権確定ではないけど。
一歩前進。
そして来たる日曜日。
私は前回と同じ駅でアシュリーとボブと子供達を待った。
そわそわして落ち着かない。
だってこれから初めて子供に、しかも自閉症を持って生まれた子供に会うのだから!
大冒険だ。
そろそろ待ち合わせの時間。
聴いていた音楽を止めて
イヤホンをカバンへしまい込む。
遠くを見つめると、見えてきた。
アシュリーとボブだ。
子供がひとりと、ベビーカーも。
初めははっきりと見えなかったけど、
徐々に近づいてきて、
顔がはっきりと見えた。
「ウァ、ウァ、ウァ!!」
子供の声が大きく聞こえた。
ひたすらその言葉を繰り返している。
小さな、小さな身体。
白い肌に黒目はもちろん両親と同じ。
長くて少し赤みの入ったブロンドヘアーがなびく。
そこら辺を元気いっぱいに走り回っている。
下の子は寝ているようだ。
「またまた待ってくれてありがとうね!
この子はアンナ。寝ている方がチャーリーよ。」
私はどきどきしながら子供達に近づいた。
嫌がる素振りはなく、私の方をチラチラ見ながらも気にせず走り回っている。
最初の印象は、とにかく可愛い。
こんなに子供って可愛んだなって。
小さくて、触ったら崩れてしまいそう。
守ってあげたいと心から思った。
母性本能なのだろうか。
「では、場所を移動しましょう!
近くに室内の遊び場があるの。」
そう言ってアシュリーとボブは遊び場へと案内してくれた。
そこには滑り台やブランコ、メリーゴーランドもあってすっごく豪華!
全員で入場料数千円。。。お金持ち!
私たちがそこに入ると、入口が固く閉ざされた。
「アンナはね、1度走り出すと戻ってこないの。
だからこういうところで遊ばせると安心なの。」
そう言ってアシュリーはアンナを滑り台の方へと誘導した。
そして私の方を見て言った。
「じゃあ見てるから一緒に遊んできてね!」
え???えーー!!!!!!
あ、遊ぶの?何するの!!??
私は訳が分からないまま
返事だけは元気よくした。
私はアンナの手を引くと、一緒に滑り台の方へと走った。
意外と走るのが早い。
そして滑り台へつくと、アンナは私の両手を引っ張って
自分の身体に巻こうとした。
一緒に滑りたいってことだね!
なんとなくわかった。
そして、いざ滑り台に座り下を見下ろすと。。。
長!!!こわ!!!
私は最早アンナよりはるかに怖がっていた。
こんな長いの降りるの?!え?え?
と言ってい間に私は
アンナを抱きしめるような体制で
一緒に滑った。
ぎゃああああぁあぁぁぁ!!!!!!
私の雄叫びが室内に響いた。
すると、アンナはそれを聞いて笑っている。
アンナはさらに私の手を引き今度は大きなトンネルの中へと行った。
なんだか子供時代に戻ったようだ。
アンナは楽しそうにピョンピョン跳ねながら
私達はトンネル内を探検した。
窓があるね!
ちょっと暗いね!
なんて言いながら
時間はあっという間に過ぎた。
気がつけば、アンナは私の手をいつも引いてくれるようになった。
そしてアシュリーが嬉しそうに駆け寄ってきて言った。
「すごいわ!!アンナが初めての人を嫌がらないなんて!奇跡よ!あなたは本当にすごいわ!」
ボブも後に続いた。
「もうベストフレンドだね!驚いたよ。」
私はなんだか嬉しくなって
あぁ、今まで頑張ってきてよかったと心から思った。
そして気づいたのだ。
なぜアシュリーとボブは私にレジュメや経験を聞いてこなかったのかを。
みしっと小さな音を椅子がたてる。
なんてことだ。。。!
子供たちと来週対面ということになった。
子供の世話なんてろくにしたことないのに、
自閉症の子供の世話なんてできるの!?
しかもオムツ変えたことない!
たくさんの不安があった。
けどもはや前に進むしかない。
永住権を得るためならなんだってしてやる。
思えば永住権得る、得ないをサクッと決めることができたのは、
ある意味母に依存できず自立したからなのだろう。
こんなアスペな私を理解してくれる人が徐々に現れてから
人生は思わぬ方向へと進んでいた。
それはなんというか、すごくドキドキする感覚。
汽車に乗ってどこか彼方へと行くような感覚。
人生捨てたものじゃないんだな!
英語好きでよかった!
いや、そんなことよりもとりあえずツナミに報告だー!!!
「おめでとう!やったやんーこれで永住権取れるね!」
自分のことのように喜んでくれたツナミ。
ありがとう。
永住権確定ではないけど。
一歩前進。
そして来たる日曜日。
私は前回と同じ駅でアシュリーとボブと子供達を待った。
そわそわして落ち着かない。
だってこれから初めて子供に、しかも自閉症を持って生まれた子供に会うのだから!
大冒険だ。
そろそろ待ち合わせの時間。
聴いていた音楽を止めて
イヤホンをカバンへしまい込む。
遠くを見つめると、見えてきた。
アシュリーとボブだ。
子供がひとりと、ベビーカーも。
初めははっきりと見えなかったけど、
徐々に近づいてきて、
顔がはっきりと見えた。
「ウァ、ウァ、ウァ!!」
子供の声が大きく聞こえた。
ひたすらその言葉を繰り返している。
小さな、小さな身体。
白い肌に黒目はもちろん両親と同じ。
長くて少し赤みの入ったブロンドヘアーがなびく。
そこら辺を元気いっぱいに走り回っている。
下の子は寝ているようだ。
「またまた待ってくれてありがとうね!
この子はアンナ。寝ている方がチャーリーよ。」
私はどきどきしながら子供達に近づいた。
嫌がる素振りはなく、私の方をチラチラ見ながらも気にせず走り回っている。
最初の印象は、とにかく可愛い。
こんなに子供って可愛んだなって。
小さくて、触ったら崩れてしまいそう。
守ってあげたいと心から思った。
母性本能なのだろうか。
「では、場所を移動しましょう!
近くに室内の遊び場があるの。」
そう言ってアシュリーとボブは遊び場へと案内してくれた。
そこには滑り台やブランコ、メリーゴーランドもあってすっごく豪華!
全員で入場料数千円。。。お金持ち!
私たちがそこに入ると、入口が固く閉ざされた。
「アンナはね、1度走り出すと戻ってこないの。
だからこういうところで遊ばせると安心なの。」
そう言ってアシュリーはアンナを滑り台の方へと誘導した。
そして私の方を見て言った。
「じゃあ見てるから一緒に遊んできてね!」
え???えーー!!!!!!
あ、遊ぶの?何するの!!??
私は訳が分からないまま
返事だけは元気よくした。
私はアンナの手を引くと、一緒に滑り台の方へと走った。
意外と走るのが早い。
そして滑り台へつくと、アンナは私の両手を引っ張って
自分の身体に巻こうとした。
一緒に滑りたいってことだね!
なんとなくわかった。
そして、いざ滑り台に座り下を見下ろすと。。。
長!!!こわ!!!
私は最早アンナよりはるかに怖がっていた。
こんな長いの降りるの?!え?え?
と言ってい間に私は
アンナを抱きしめるような体制で
一緒に滑った。
ぎゃああああぁあぁぁぁ!!!!!!
私の雄叫びが室内に響いた。
すると、アンナはそれを聞いて笑っている。
アンナはさらに私の手を引き今度は大きなトンネルの中へと行った。
なんだか子供時代に戻ったようだ。
アンナは楽しそうにピョンピョン跳ねながら
私達はトンネル内を探検した。
窓があるね!
ちょっと暗いね!
なんて言いながら
時間はあっという間に過ぎた。
気がつけば、アンナは私の手をいつも引いてくれるようになった。
そしてアシュリーが嬉しそうに駆け寄ってきて言った。
「すごいわ!!アンナが初めての人を嫌がらないなんて!奇跡よ!あなたは本当にすごいわ!」
ボブも後に続いた。
「もうベストフレンドだね!驚いたよ。」
私はなんだか嬉しくなって
あぁ、今まで頑張ってきてよかったと心から思った。
そして気づいたのだ。
なぜアシュリーとボブは私にレジュメや経験を聞いてこなかったのかを。
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