53 / 80
自閉症児 in Canada
【面接】
しおりを挟む
「日曜日の朝の11ごろに、ウォーターフロント駅で会いましょう。」
メールの返信が返ってきた。
次の日だ。
いよいよ、面接するんだ。
しかし、私が住んでいるところからは遠く、行ったことのない地域でもあるため
まずどうやって行くかその確認を何度も地図を見て行った。
えっとえっと。。。。。
必死にレジュメを作成し、何をどう答えるかシムレーションし、
面接に備える。
そして迎えた面接当日。
スラッと背の高い男性と、横を歩く綺麗な女性が一緒にこちらに向かって歩いてくる。
バチっと目が合い、初対面なのになぜかわかった。
「お待たせ。少し遅れちゃったわねー」
と綺麗な英語で気さくに話しかけてきたのはお母さんであるアシュリーだ。
白い肌。目は青?と思いきや私と同じ黒。髪は赤く染められていて、妙によく似合っている。
その横にはむきむきのイケメンパパがいた。名前はボブ。
白い肌に黒い目は同じ。髪は剃っていてキャップをかぶっている。
子供たちは面接には来ていなかった。
アシュリーとボブは周辺を少し案内しつつ
お洒落なカフェへ私を連れて行ってくれた。
席へと案内され、初対面なのに奢ってもらってしまったコーヒーを飲みつつ
面接がスタートした。
その時、私は驚いたのだ。
あれ?
レジュメも聞かれなければ、私の過去の体験も何も聞いてこないアシュリーとボブ。
ふたりはこう面接で私に話してくれた。
「メールで行ったように、私たちの上の子供は自閉症なの。4歳。でもオムツをしてるわ。
わたしは嘘をつかない。正直時々汚れ仕事もあるわ。嫌になるかもしれない。でも、とってもアクティブで遊ぶことが大好きなの。
下の子もとっても可愛いのよ。
私たちは、子供たちとより多く関わってくれて、
本を読んだり、歌を歌ったり、一緒に走ったり。
そういう人がいいと思ってるわ。」
そして私は、自信を持ってこう答えた。
「私の家族にも自閉症がいます。自閉症スペクトラムで、大人になるまで診断されず、
幼少期という大切な時期に何の養育も受けられず、
何十年も孤独と戦い性格はひどくゆがみました。
そういう家族を見て来ているからこそ、私はとても自閉症に興味があり、早期発見された子供たちが
同じ経験をしないようサポートしていきたいと心から思っています。」
自分だとは言わなかったが、
それでも私は本心を伝えられて嬉しかった。
母との戦い。それがどれだけ壮絶だったか。
その後私たちはアシュリーとボブと世間話をしつつ面接を終えた。
面接というより、ただのhang outに近かったような。。。。
でも、なんだかすごく心地よくて、
働きたい!とすごく思った。
そしてアシュリーは帰り際に突然切り出した。
「次はいつ会えるかしら?
子供達と会って欲しいの!」
???????
私は心臓が飛び出そうになった。
つまり、これは面接通過ってことーーーーー!!??
メールの返信が返ってきた。
次の日だ。
いよいよ、面接するんだ。
しかし、私が住んでいるところからは遠く、行ったことのない地域でもあるため
まずどうやって行くかその確認を何度も地図を見て行った。
えっとえっと。。。。。
必死にレジュメを作成し、何をどう答えるかシムレーションし、
面接に備える。
そして迎えた面接当日。
スラッと背の高い男性と、横を歩く綺麗な女性が一緒にこちらに向かって歩いてくる。
バチっと目が合い、初対面なのになぜかわかった。
「お待たせ。少し遅れちゃったわねー」
と綺麗な英語で気さくに話しかけてきたのはお母さんであるアシュリーだ。
白い肌。目は青?と思いきや私と同じ黒。髪は赤く染められていて、妙によく似合っている。
その横にはむきむきのイケメンパパがいた。名前はボブ。
白い肌に黒い目は同じ。髪は剃っていてキャップをかぶっている。
子供たちは面接には来ていなかった。
アシュリーとボブは周辺を少し案内しつつ
お洒落なカフェへ私を連れて行ってくれた。
席へと案内され、初対面なのに奢ってもらってしまったコーヒーを飲みつつ
面接がスタートした。
その時、私は驚いたのだ。
あれ?
レジュメも聞かれなければ、私の過去の体験も何も聞いてこないアシュリーとボブ。
ふたりはこう面接で私に話してくれた。
「メールで行ったように、私たちの上の子供は自閉症なの。4歳。でもオムツをしてるわ。
わたしは嘘をつかない。正直時々汚れ仕事もあるわ。嫌になるかもしれない。でも、とってもアクティブで遊ぶことが大好きなの。
下の子もとっても可愛いのよ。
私たちは、子供たちとより多く関わってくれて、
本を読んだり、歌を歌ったり、一緒に走ったり。
そういう人がいいと思ってるわ。」
そして私は、自信を持ってこう答えた。
「私の家族にも自閉症がいます。自閉症スペクトラムで、大人になるまで診断されず、
幼少期という大切な時期に何の養育も受けられず、
何十年も孤独と戦い性格はひどくゆがみました。
そういう家族を見て来ているからこそ、私はとても自閉症に興味があり、早期発見された子供たちが
同じ経験をしないようサポートしていきたいと心から思っています。」
自分だとは言わなかったが、
それでも私は本心を伝えられて嬉しかった。
母との戦い。それがどれだけ壮絶だったか。
その後私たちはアシュリーとボブと世間話をしつつ面接を終えた。
面接というより、ただのhang outに近かったような。。。。
でも、なんだかすごく心地よくて、
働きたい!とすごく思った。
そしてアシュリーは帰り際に突然切り出した。
「次はいつ会えるかしら?
子供達と会って欲しいの!」
???????
私は心臓が飛び出そうになった。
つまり、これは面接通過ってことーーーーー!!??
0
お気に入りに追加
4
あなたにおすすめの小説


サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。


ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
鬼母(おにばば)日記
歌あそべ
現代文学
ひろしの母は、ひろしのために母親らしいことは何もしなかった。
そんな駄目な母親は、やがてひろしとひろしの妻となった私を悩ます鬼母(おにばば)に(?)
鬼母(おにばば)と暮らした日々を綴った日記。
後宮の棘
香月みまり
キャラ文芸
蔑ろにされ婚期をのがした25歳皇女がついに輿入り!相手は敵国の禁軍将軍。冷めた姫vs堅物男のチグハグな夫婦は帝国内の騒乱に巻き込まれていく。
☆完結しました☆
スピンオフ「孤児が皇后陛下と呼ばれるまで」の進捗と合わせて番外編を不定期に公開していきます。
第13回ファンタジー大賞特別賞受賞!
ありがとうございました!!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる