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アスペな母娘、そして家族
【尊敬】
しおりを挟む私はずっと自分をダメ人間だと思い続けてきました。
だから、自分が尊敬されているんなんて、
夢にも思っていなかった。
私は、アメリカで1ヶ月だけだったけど、
ネイティブ英語に触れた。
たった1ヶ月で信じられない成長を遂げた。
もはや会話には困らなくなった。
そして地元に帰って兄に言われたのだ。
「そんだけ直向きにがんばれるなんて。
尊敬するよ。」
私はびっくりして固まった。
いや、嬉しかった。
けど、私、友達めっちゃくちゃ少ないよ?
彼氏いないよ?
料理もできないし、片付けも苦手。
嫁なんていけない。
母さんにも親不孝って。
「それはお前がひとつのことを一生懸命貫いたから。
なんでもできる人は、結局ひとつひとつの精度は低いから。」
この時、私は初めて尊敬していると言われたのだ。
すごくくすぐったくて、嬉しかった。
もっと英語をがんばろうって思えた瞬間でもあった。
私が英語を貫いたのは、別にかっこいい理由があったからじゃない。
最初は、大好きな洋楽の歌手の歌や
インタビューの内容を理解したかったから。
けど、いつの間にか理由は変わっていた。
『それしか取り柄がなかった』
からだ。
そう。もはや英語しか取り柄がなかった。
私から英語をとったら、ただのトロくさいダメ人間。
英語がギリギリ私の生きる希望になっていたのだ。
そして、兄からの言葉はさらに私の生きる希望となった。
アスペに挟まれていた兄はさぞ大変だっただろう。
いつも、ありがとう。
兄と絶縁なんて絶対にしないよ。
もう、繰り返さないよ。
大切な家族だから。
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