アスペでADDな母娘

自閉症児 in Canada

【一進一退】

アンナは、一進一退をしながら成長しています。
なので、その日できたことはたまたま機嫌がよかっただけ、
たまたま条件が整ってただけ、
その時だけ興味があった、
などが多く、本当の意味で成長したと感じることはなかなかないです。


そして私が働き始めて1年ほど経った頃。
アンナのコミュニケーションが絵カードからipadによる写真コミュニケーションに切り替わりました。


クッキーの写真をタップすると、
「クッキー」と音声がなり、
お目当てのクッキーがもらえるという仕組みです。


アンナはこれをすぐにマスターしました。
ここから、アンナは大きな成長をとげることとなったのです。


ipadによるコミュニケーションに変えてから、
アンナの癇癪が少し減りました。
たまたま機嫌がいいとかではなく、
明らかに減ったのです。


それは、絵カードとは違う便利さがあるからでした。
絵カードはまず、写真を用意するのが大変です。
しかも、たまに無くなったりして
必要な時になかったり、
BIを雇う会社に頼んでも全然手配されなかったりして、
アンナは結局中途半端にしか思いを伝えられませんでした。


その点ipadはインターネットです。
写真を追加するなんて5秒でできます。
単語を検索して、追加するだけ。
写真や発音は勝手に設定され、
違っていれば修正をかけるだけ。


そのため、アンナの思いがより細かく表現可能となりました。


例えば、アンナは突然1階に行こうとして、
「今はだめ」
と止められると激しい癇癪を起こしていました。

しかし1階には玄関があります。
こちらの手があかない時に
ひとりで行かせてしまうと、家を出ていく可能性もあります。


しかしipadにしてからは、
絵カードではなぜかできなかった2語の組み合わせが少しできるようになったのです。

下の階
おもちゃ

と組み合わせると、
下の階に放り投げたであろう
おもちゃがほしいということが推測できます。

おもちゃを取りに行って戻ってきてくれるなら、
一緒に下へおりて、また上がってくれば
それで事が済みます。



こう言ったより少し複雑なコミュニケーションをはかることができるようになったことで、
アンナの癇癪は劇的に減りました。


5歳を過ぎてなお発語はありませんが、
コミュニケーションが取ることができるようになり、
アンナも自信を少しずつ得ていることでしょう。



まだまだ課題はたくさんありますが、
アンナの成長にケアギバーとして喜びを感じる日々です。