アスペでADDな母娘

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自閉症児 in Canada

【こだわりにどこまでつきあうか】

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自閉症の子供達は、こだわりがとても強いことが多いです。
こだわりが強すぎて、生活や楽しいはずの遊びに支障をきたすことがしばしば。


かく言うアンナも、とてもこだわりが強いです。
おもちゃの遊び方は常にワンパターンで、
たとえば紐を見つけるとトイカーの上にシートベルトのような感じで巻きます。


少しでもずれると、
悔しいのか、
むかつくのか、
凄まじいカマキリ声で八つ当たりし、
自分の思い通りになるよう大人を使おうとします。

大人が手伝うと、まるでもう用無しと言わんばかりにその人を両手で押し、
出来上がった自分の「想像像」を見て
何事もなかったかのように喜びます。


自閉症の子供のこだわりにつきあうのはとても大切なことです。
しかし先程の述べたように、 ただ大人を使って終わりの状態では
「いつでも思い通りになる」
と思い込み、叫ぶ→大人を使う
という行動は長く続くでしょう。


何かあれば大人を使えばいい。


そんな生活をしているようでは、
本人のためにはなりません。



まず、こだわりは本人のコンディションによってかわります。

アンナは体調が悪かったり睡眠不足だったりすると、
こだわりが強くなり、すぐにキレてしまいます。


あまりにもコンディションが悪すぎて
どうにもならない場合はつき合った方がいい時もあります。


なぜなら、
コンディションが悪い時は何をしても、何を言っても無駄だからです。
そんな時に大人ががんばってもはっきり言って時間の無駄です。
こだわりにつき合うか、
不可能なことをしようとして他に当り散らし、暴れ、物を破壊するようなら最悪の場合取り上げ、見えないところに隠しましょう。




さて、こだわりにつきあう場合は、
でつき合わない、これがまずは鍵となるでしょう。


つまり、大人を使うのは有料ということです。
どういうことかと言うと、
例えば、本人に合わせたコミュニケーション(絵カードや手話など)を使わせてから
こだわりにつきあう、などです。


ただし本人に合わせたコミュニケーションを使い始めたばかりの時の場合は、
もっと楽しい場面でたくさん使わせた方がいいかもしれません。


アンナの場合は欲しいものの要求が絵カードでできるようになり、
それに慣れ続けていました。


思い通りに行かなくて泣いて喚き散らすようなら助けません。
とても怒るでしょう。
でも、本人が怒ったなら叫ばせ切ることも大事です。

ひっくり返りたければひっくり返ってもらい、
叫びたければ叫ばせましょう。
それは、今まで本人が使ってきた大人を使う「通貨」です。

でも、その通貨はもう無効です。
よほどのことがなき限りは
こちらの「通貨」を使ってもらいます。


これになれれば絵カードで必ず
助けてほしいと要求してきます。
叫んでいたとしても、絵カードを使ったなら助けます。


そのうち癖のように叫んでいたアンナも
うーーーっ!と我慢しながら
絵カードを使うようになりました。

こんなことさせやがって!
と言わんばかりの態度ですが、
この私達の「通貨」は、普通の子供が「お母さん、手伝って」というのと同じことです。


アンナは、「お母さん」と呼ぶ代わりに、
喚き散らしていました。
ただ、方法を知らなかっただけでしょう。


そしてアンナはひとつ、
とても執着しているおもちゃがありました。 
レゴのバイクのおもちゃです。
アンナはこのレゴのバイクに人型のレゴをはめこみ、なぜか逆さにして遊んでいました。


それ自体は良かったのですが、
その逆さにすることに対するこだわりが異常でした。


レゴは子供用です。
子供でもはめやすいようゆるいです。
あまりにも固いと子供が遊ぶことができません。
それがあだとなったのか、
アンナが逆さにすれば
いつかは落ちます。


この、落ちた時のアンナの毎回の他害・自傷・破壊行動があまりにも凄まじかったため
私達はある日そのバイクのおもちゃを人型レゴごと思い切って捨てました。


アンナがそのバイクで遊んでいない時に。

遊んでておもしろくないなら、
余計に自分を苦しめるなら、
ない方がいいです。


アンナはそれ以降すぐに別のお気に入りの遊びを見つけ、
バイクのことなどすっかり忘れてしまいました。


時には大胆な行動にでるのもいいのかもしれませんね。


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