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自閉症児 in Canada
【偏食】
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日本では、子供の偏食に対するしつけがすごいです。
多分世界的にもかなり栄養を考える国民性だと言えます。
さて、カナダではそうでもありません。
健常な子でも毎日マカロンしか食べない子もいますが、こどもが好きで食べるならそれでよしという親が多いです。
では、偏食はしつけするべきなのでしょうか?
私の中で、答えはYESですね。
でも過剰にする必要はないと思います。
なぜ、偏食へのしつけは大事なのでしょうか?
それは、大人になった時の食に対する意欲が変わってくるからです。
カナダの人達は、大人になってもポテトとバーガーばかり食べて、好き嫌いが多い人がけっこう多いです。さらに肥満率も高い。
それは、子供の頃に偏食のしつけがされていないからです。
栄養があるから少し嫌でも食べるんだよ、という教育は
大人になってから多少好きでなくても例えば料理をアレンジするなどして栄養を取るという意欲につながります。
好きなものだけ食べていればいいというのは、
幅広く食べられるなら問題ないですが、
偏食が強いとやはり体調不良の原因になってしまいます。
さて本題ですが、自閉症の偏食はものすごいです。
ただ、「味がどうしても苦手でつらくて食べられない」
のであればこれは仕方ない部分があります。
大人になっても克服できない食べ物は誰でもあるから、それは無理やり押しすぎるのはよくないです。
問題なのは自閉症児の変色の多くが味ではないことが多いということです。
例えば、初めて見るものは食べない子がいれば、
色にこだわりがあって食べない子もいるし、
サクサクしたものしか食べられないなどもあります。
いわゆる、「こだわり」です。
これは、自閉症であるがゆえのものなので
非常に修正は難しいです。
ただ、こういった偏食は味か嫌いなのとは違います。
つまり、「直すこと」は可能なんです。
味が嫌いなのを直す方が難しいです。
見た目にこだわる自閉症児は多いですが、
小さいうちに違うものを食べても大丈夫なんだという経験をさせておくことが大切です。
幅広く食べられるとより多彩な栄養を摂取でき、健康につながります。
健康になると癇癪はうんと減ります。
見た目にこだわるなんて想像しづらいですが、
皆さん、例えば食卓に虫の唐揚げがでてきたらどうでしょう?
いくら栄養があるとか
おいしいよとか言われても
とてもじゃないけど食べる気にはなれないでしょう。
でも、食べてみたら意外とサクサクしていておいしいかもしれません。
それは、食べるまでわかりません。
つまり、未知なんです。
この未知は自閉症児にとってはとても恐ろしいもの。
だから、無理やり食べさせることはできません。
アンナは私が来た当初はご飯とパスタとパン類しか食べられませんでした。
新しい食べ物には手をつけず、つねに便秘。
腹痛がしているかどうかも私達に伝えることは出来ず、突然癇癪を引き起こすこともしばしば。
そこでアンナにはまず、
好きなものに野菜を混ぜることから始めました。
私はアンナがご飯好きであることを利用し、
炊き込みご飯にまずはあまり目で見えない玉ねぎのみじん切りを投入。
すると、アンナはすんなりと食べました。
次は目で見ることができる人参のみじん切り。
これはやはり手をつけず。
そこで、私はスプーンにそのにんじん入りの炊き込みご飯を乗せ、アンナの口に持っていきました。
アンナは顔をそらしましたが、
私はスプーンをさらにそらした顔の方へ持っていき、本人の様子を伺います。
無理やり食べさないとは言いません。
どう?トライしてみようという優しい雰囲気で。
食べなかった時は特に大した反応はしません。
次またがんばろうねくらいでオッケー。
もちろん褒めませんが、叱ることもしません。
私はこれをほかの食べ物でもたくさんしていたので、アンナは私が無理やり食べさせないことを知っています。これはすごく大切なのです。
なぜなら、ここで癇癪が起こらないからです。
本人は落ち着いていることができます。
自閉症児にとって落ち着いていることはとても重要です。
そして今回、アンナはついににんじん入りの炊き込みご飯に恐る恐るチャレンジしたのです!!
すると、アンナはすぐに気に入ってそのご飯をたいらげてしまいました。
その後、アンナは新しい食べ物でも恐る恐るチャレンジすることが多くなりました。
味や食感が嫌で食べられないものもたくさんありますが、それでも少しずつ食の幅は広がっています。
食べてみた→おいしかった
この経験をたくさん積ませていくことにより、
初めてのものでも大丈夫、ということを学んでいくのです。
アンナにもう少し集中力と忍耐力がつけば
もっとステップを踏んでいけるはずです。
アンナには、無限の可能性がある。
これからもすくすく育ってほしいものです。
多分世界的にもかなり栄養を考える国民性だと言えます。
さて、カナダではそうでもありません。
健常な子でも毎日マカロンしか食べない子もいますが、こどもが好きで食べるならそれでよしという親が多いです。
では、偏食はしつけするべきなのでしょうか?
私の中で、答えはYESですね。
でも過剰にする必要はないと思います。
なぜ、偏食へのしつけは大事なのでしょうか?
それは、大人になった時の食に対する意欲が変わってくるからです。
カナダの人達は、大人になってもポテトとバーガーばかり食べて、好き嫌いが多い人がけっこう多いです。さらに肥満率も高い。
それは、子供の頃に偏食のしつけがされていないからです。
栄養があるから少し嫌でも食べるんだよ、という教育は
大人になってから多少好きでなくても例えば料理をアレンジするなどして栄養を取るという意欲につながります。
好きなものだけ食べていればいいというのは、
幅広く食べられるなら問題ないですが、
偏食が強いとやはり体調不良の原因になってしまいます。
さて本題ですが、自閉症の偏食はものすごいです。
ただ、「味がどうしても苦手でつらくて食べられない」
のであればこれは仕方ない部分があります。
大人になっても克服できない食べ物は誰でもあるから、それは無理やり押しすぎるのはよくないです。
問題なのは自閉症児の変色の多くが味ではないことが多いということです。
例えば、初めて見るものは食べない子がいれば、
色にこだわりがあって食べない子もいるし、
サクサクしたものしか食べられないなどもあります。
いわゆる、「こだわり」です。
これは、自閉症であるがゆえのものなので
非常に修正は難しいです。
ただ、こういった偏食は味か嫌いなのとは違います。
つまり、「直すこと」は可能なんです。
味が嫌いなのを直す方が難しいです。
見た目にこだわる自閉症児は多いですが、
小さいうちに違うものを食べても大丈夫なんだという経験をさせておくことが大切です。
幅広く食べられるとより多彩な栄養を摂取でき、健康につながります。
健康になると癇癪はうんと減ります。
見た目にこだわるなんて想像しづらいですが、
皆さん、例えば食卓に虫の唐揚げがでてきたらどうでしょう?
いくら栄養があるとか
おいしいよとか言われても
とてもじゃないけど食べる気にはなれないでしょう。
でも、食べてみたら意外とサクサクしていておいしいかもしれません。
それは、食べるまでわかりません。
つまり、未知なんです。
この未知は自閉症児にとってはとても恐ろしいもの。
だから、無理やり食べさせることはできません。
アンナは私が来た当初はご飯とパスタとパン類しか食べられませんでした。
新しい食べ物には手をつけず、つねに便秘。
腹痛がしているかどうかも私達に伝えることは出来ず、突然癇癪を引き起こすこともしばしば。
そこでアンナにはまず、
好きなものに野菜を混ぜることから始めました。
私はアンナがご飯好きであることを利用し、
炊き込みご飯にまずはあまり目で見えない玉ねぎのみじん切りを投入。
すると、アンナはすんなりと食べました。
次は目で見ることができる人参のみじん切り。
これはやはり手をつけず。
そこで、私はスプーンにそのにんじん入りの炊き込みご飯を乗せ、アンナの口に持っていきました。
アンナは顔をそらしましたが、
私はスプーンをさらにそらした顔の方へ持っていき、本人の様子を伺います。
無理やり食べさないとは言いません。
どう?トライしてみようという優しい雰囲気で。
食べなかった時は特に大した反応はしません。
次またがんばろうねくらいでオッケー。
もちろん褒めませんが、叱ることもしません。
私はこれをほかの食べ物でもたくさんしていたので、アンナは私が無理やり食べさせないことを知っています。これはすごく大切なのです。
なぜなら、ここで癇癪が起こらないからです。
本人は落ち着いていることができます。
自閉症児にとって落ち着いていることはとても重要です。
そして今回、アンナはついににんじん入りの炊き込みご飯に恐る恐るチャレンジしたのです!!
すると、アンナはすぐに気に入ってそのご飯をたいらげてしまいました。
その後、アンナは新しい食べ物でも恐る恐るチャレンジすることが多くなりました。
味や食感が嫌で食べられないものもたくさんありますが、それでも少しずつ食の幅は広がっています。
食べてみた→おいしかった
この経験をたくさん積ませていくことにより、
初めてのものでも大丈夫、ということを学んでいくのです。
アンナにもう少し集中力と忍耐力がつけば
もっとステップを踏んでいけるはずです。
アンナには、無限の可能性がある。
これからもすくすく育ってほしいものです。
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