勇者が仲間になりたそうにこちらを見ている

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【勇者が仲間になりたそうにこちらを見ている④ ~連合軍vs連合軍~】

【第十六章】 驚異の敵対勢力

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「続いて連合軍の指揮に関することですが、情けないことにこの国の長となって以来戦場から離れている今の私には前戦で指揮を執る力はない。そこでクロンヴァール王に全軍の指揮をお願いしたいと考えています」

 僕が頭のメモ帳に要実行事項を書き留めている間にもジェルタール王の話は続く。
 今度はクロンヴァールさんを真っ直ぐに見たかと思うと、いよいよ本格的な話へと移行するための提案を口にした。
 人選的にはあのキアラさんという女性かクロンヴァールさんというのが最良であることは間違いない。
 この国の兵士のトップに立つキアラさんとはいえ、クロンヴァールさんに指示や命令を下せるかというと難しい部分もあるだろう。そういう意味ではやはりクロンヴァールさんが適任なのかもしれない。
 それだけで全権を握るのは不安要素があるとも思えるが……。
「ふむ、この国の王からのご指名とあらば断る理由は無いが……コウヘイとやら、お前はどう思う」
 なぜか、クロンヴァールさんは僕に意見を求めてきた。
 頼んだ側、頼まれた側のどちらでもない第三者としての考えを聞かせろということなのだと判断し、僕はその不安要素を口にしてみることに。
「ジェルタール王の判断であることを前提にするならば、強さや人の上に立つ立場に身を置いている経験値も踏まえると最善の選択だとは思います。ただ、そうであるにしてもそちらのキアラさんを補佐なり副官なりという役割で配置しておくべきではないかと」
 どれだけ強くても、どれだけ人の上に立つに足る人物であっても、クロンヴァールさんにとってあくまでここは他所の国なのだ。
 風習や習慣、根本的な思想や常識で自分の国、自分の考えとは違う部分があるかもしれないし、地理であったり気候であったりという戦術に直結しかねない情報における知識でこの国で指揮を執っているキアラさんを上回っているとも思えない。
 ゆえにそれらを補う人物を置き、相談したり意見できる人物がいることが望ましいと僕は思う。こんなはずではなかったと取り返しの付かない代償を払うことにならないためにも。
「ふっ、やはりお前は面白い奴だな。瞬時にそれだけの判断が出来るならば使い勝手もよさそうだ。しかし、やはり八十点だがな」
 僕のそれらの見解に対し、クロンヴァールさんはそんな事を言った。
 褒められているのかそうでないのかは判断しがたいが、少なくとも百点ではないらしい。
「また八十点ですか……なんだか、いかにも優等生にはなれない凡才という感じですね」
「そんなことはない。これでも褒めているつもりだぞ? 私もほとんど同じ事を考えていたぐらいだ、素直に喜んでおけばいい」
「その僅かな違いが百点をいただけないツメの甘さということみたいですね、その口振りでは」
 八十点で満足出来る性格ではない僕は思わず自嘲混じりの感想を漏らしていた。
 クロンヴァールさんは『そういうことだ』とニヤリと笑いキアラさんへと視線の向きを変える。
「さて雷鳴一閃ボルテガ、いや今は同じ陣営にいるのでキアラ総隊長と呼んでおこう。この男が今言ったことの意味は分かるな?」
「勿論です」
「そこでお前を副将に任命したいと思うがどうだ? 三国の勢力が集まっているのだ、私一人が全権を握っている状況が必ずしも望ましいというわけではない。無論、この城で待機している間であればジェルタール王にも判断も仰ぐつもりがあるが、戦場ではそういうわけにもいかんからな。お前の意見や考えも必要であることや一番多いのはお前の部下の兵であることも踏まえて私にとっても、私達にとってもそれは必要なことだ。引き受けてくれるな?」
「承知しました。王国護衛団総隊長として、出来る全てを我が国の未来のために」
 キアラさんはキリッとした表情を崩さずにそう答えた。
 しかし、今さらながらこの国でも若くて綺麗な女性が高い地位にいて強さという意味で一番上に位置するんだなぁと思うとこの世界はどの国もそうなのだろうかという感じである。
 というか、僕が言ったままキアラさんを副将に命じるのならなぜ八十点なんだろうか。
 なんてことを考えていたのがバレてしまったのか、クロンヴァールさんは再び僕の方を見た。
「コウヘイ、同じくお前にも副将になってもらう」
「…………はい?」
 なぜ僕が?
 というかどうして僕だけ打診ではなく通達なのか。
「お前はグランフェルトの代表としてここに居るのだろう。三国それぞれに私やジェルタール王に意見出来る人間を置くのがもっとも望ましいことはお前も理解しているはずだ。他所様の兵士の命を預かるのだ、何もかも私の言いなりでは人知れず不満や綻びが生まれることもあり得ない話ではない」
「…………」
 それなら僕よりもセミリアさんの方が、と言おうとしてギリギリ飲み込んだ。
 ここで二人のうち一人の名前を出してしまうとサミュエルさんの立場がない。
 あの人はそんな役職になんの興味もないだろうけど……。
「戦う能力が無いと言うならば頭で貢献しろ。それがお前の役割だろう」
 なるほど確かに、僕にはそのぐらいしか出来ないことは間違いない。
 それでいて即答出来ないことで優柔不断だと思われるのはマイナス要素でもある。
 だけど少なくとも二人の意見は聞いておきたいと思った僕は隣に立つセミリアさんとサミュエルさんに視線を送ってみることにした。
「コウヘイ、何を躊躇うことがある。私はお主の指示に従うことに異議などない。今この場にあって誰か一人の命令だけを聞けと言われたならば、私にとって最も優先されるのはコウヘイであるということが揺らぐことはないのだぞ」
 セミリアさんは僕の肩に手を置いて、そんなことを言う。
 いつだって僕を信頼してくれるのは嬉しい。
 しかし、さっきのクロンヴァールさんの褒め言葉も含めほぼ初対面のサントゥアリオの方達や顔見知り程度のシルクレアの人達は驚いたような顔だったり値踏みするような顔だったりで僕を見ていて『こんなどこにでも居そうなガキがなにゆえ世界に名を馳せるあの二人にそこまで言わせるのだろうか』と思っていることを声に出していなくても薄々察した。
 そしてサミュエルさんはというと、
「アンタに出来るのはそのぐらいなんだし、やりゃいいじゃない。戦闘ではまるっきり役に立たないし、元々アンタの立ち位置ってそういうところでしょ」
 若干厳しいお言葉にも聞こえるが、厳しくないお言葉を持ち合わせていないサミュエルさんだ。これはこれで賛成してくれているとうことなのだろう。
 責任が増すがその分、僕にとっても出来ることが増えるとも言える。
 不信感を買ってメンバーを外されてしまうわけにはいかないので今この場で戦争反対なんて宣言をするわけにもいかないが、僕に出来ることが増えればどこかでそれを生かせる時が来るはず。
 二人がそう言ってくれるなら、僕もその意志に従うことに躊躇う理由はない。
「では僕もグランフェルトの代表として謹んで引き受けさせていただきます」
 その決断に対し、クロンヴァールさんは迷った僕に対して『まだまだ青いな』とでも言う様に鼻で笑い、身体の向きを玉座の方へと戻した。
「決まりだな。ではジェルタール王よ、戦況の説明に戻ってくれ」
「分かりました。しかし、正直に申しまして戦況は良くない。兵士や民にも多くの犠牲が出ていることに加え、ご存じかもしれませんが我が国にはこの町の他に七つの大きな都市があります。この国ではそれらを主要都市と呼んでおり、フルト、グラッタ、セコ、レンバー、メルヘイル、フローバー、ダンジュというのがそれぞれの名に当たるのですが、それら七都市全てが敵の手に落ち占拠されているという最悪の状況なのです」
「ジェルタール王よ、事前に聞いた話ではその帝国騎士団とやらは総勢で三百程度という話だったが、その情報に間違いはないのか? いくら奇襲好きの賊相手とはいえ、サントゥアリオの精鋭達がそこまで一方的にやられるとも思えないのだがな」
「そう思われるのも無理はないでしょう。しかし、帝国騎士団のおおよその数についてはまず確かな情報だといえます」
「なるほど。つまりは、あの戦争麒麟児が余程の強者つわものだということか。狂人と呼ばれ天武七闘士に名を連ねるのは伊達ではないということらしい」
「勿論のこと戦争麒麟児ことエリオット・クリストフは屈強で凶悪な戦士です。奴が帝国騎士団を率いているからこそ団結し、猛威を振るうのでしょう。ですが注意しなければならないのはクリストフ一人ではないのです」
「ほう。他にも猛者、豪傑がいるってのか。そりゃ興味深い話だな」
 横から感想を漏らしたのはハイクさんだ。
 船を降りた時にはいつもの様にほとんど身長と同じぐらい大きなブーメランを背中に背負っている。
 彼は前に会ったときも冷静に状況判断をしようとする印象の人だっただけに、やはり情報収集に余念がない人らしい。
 なぜタメ口なのかはさておくとして、僕の隣で『面白くなってきたじゃない』とか言ってるサミュエルさんとは話を聞く姿勢が正反対だと言える。
 そんなことを思っている間にジェルタール王の説明は続き、
「帝国騎士団は団長であるエリオット・クリストフを一番隊隊長として五つの部隊に別れていることが分かっています。四番隊は現在空席となっているようなのですが、それを除いても二番隊、三番隊、五番隊を率いる隊長達の強さは尋常ではない。このキアラやクロンヴァール王、クルイード殿と同等と言っても過言ではないでしょう」
「ジェルタール王、既に報告がいっているかとは思いますが私達も来る途中で副隊長と名乗る二人組と遭遇しています。しかし戦闘の意志を全く見せずに逃げていきましたし、あくまでその者達に限ればクロンヴァール王やキアラ殿と同等と言われる程とまでは見受けられなかったのですが……その隊長とは一体どんな者達なのですか?」
 僕を除けばこの場で唯一と言っていい。
 ジェルタール王の言葉に危機感を抱いた様子のセミリアさんが真剣な顔で疑問を口にした。
 他は精々アルバートさんが真面目な顔をしているぐらいで、クロンヴァールさんとサミュエルさんは『そうこなくては』と顔が言っていたし、ハイクさんにしても納得した風な顔こそしているが、だからといって焦る程の事ではないという顔をしている。
 ユメールさんに至っては話を聞くことに飽きたのか見るからに集中しておらず、既に帰りたそうにしていた。
「二番隊は戦闘の後には決まって血の雨を降らせ屍の山を築くと言われていることから【紅霖染華クリムゾン・カローラ】と呼ばれる女戦士レイヴァースなる人物が隊長を務めています。そして三番隊を率いるのは鉄仮面で顔を覆い、その風貌通り三百人の兵に囲まれようともまるで感情など持ち合わせていないかのように黙々と敵を切り続けた悪鬼、【鉄面鬼キラーデビル】ことユリウス隊長。最後に、戦好きで知られる豪傑ゲルトラウト五番隊隊長、通称は【我道戦景バトル・ウォーリアー】。レイヴァースとユリウスは剣士でゲルトラウトはハンマー使いだということです。我々の持つ情報はこの程度でしかありませんが、この三人には特に気を付けていただきたい」
 沈痛な面持ちで語るジェルタール王だったが、白十字軍と名付けられたこの連合軍の大将となったクロンヴァールさんはいつもの怖い者知らずな笑みを浮かべる。
「わざわざ連合を組もうというのだ、数に物を言わせてあっさり片付く様な相手だなどとは初めから思っていない。だが、それでも我らを待つ未来は勝利のみ。そっちの二人の強さは知らんが、私や聖剣だけではなく我が国の三人もグランフェルトの双剣乱舞もやすやすと敵に敗れるほどヤワな戦士ではない」
 クロンヴァールさんの言うそっちの二人というのはヘロルド・ノーマンという怖い顔をした人とコルト・ワンダーという僕より年下の男の子のことだろう。
 それを挑発的な意味だと受け取ったのか、キアラさんがすかさず割って入った。
「クロンヴァール陛下、ノーマンもワンダーもこの国を守る戦士です。そう簡単に遅れを取るようなことはありません」
「キアラの言う通り、我々には命を懸けて民を守る使命がある。必ずや皆さんと力を合わせるに足る働きをしてくれるでしょう。しかし、不安要素はそれだけではないのです。まさか……まさか……いや、不確かなことを口にしてしまうべきではない、今はやめておきましょう」
 ジェルタール王は玉座に腰を下ろすと頭を抱えて俯いた。
 信じられない、信じたくない、そんな何かを思い浮かべていることだけは聞かなくとも分かる。
 そんな態度を間怠っこく思ったのか、サミュエルさんとハイクさんが容赦なくそれを問い詰めた。
「何よそれ、言いたいことがあるならハッキリ言いなさいよ」
「そうだぜジェルタール王。こっちは与えられた情報以外に頼るモンもねえんだ、何かあるなら言ってくれねえと困る」
 相変わらず王様に対する言葉遣いではなかったが、確かに言いかけて止められてはそう思うのも無理はない。
 それはセミリアさんやアルバートさんも同じ様で、何がジェルタール王をそうさせているのかと心配そうな顔をしている。
 僕の推測通りであれば、まず間違いなく僕達にとって向かい風であろうその話の続きに唯一気付いているのはクロンヴァールさんだった。やはりこの人は頭も良い。
「そう言ってやるなダン、簡単に受け入れられないのも無理はない」
「なんだよ、姉御にゃ何の話か分かってるってのか?」
「直接聞いたわけではないが、おおよそ察しは付く。事実であれば我々にとっては笑い事ではないということだ。そうだろう、コウヘイ」
 いちいち僕を試さないと気が済まないのか、このクロンヴァールさんは。
 と、そろそろ言いたい僕だったけど、全員の視線が一斉に僕へと向いたので指摘することも憚られる。
 唯一サミュエルさんだけが若干不機嫌そうな顔であるあたり『アンタも分かってたの? 分かってて私に黙ってたの?』と言いたいのだということがすぐに分かった。
「まあ……この世界の歴史というものに疎い僕にはそれがどれだけおかしなことかは分かりませんけど」
 精一杯の自己弁護である。
「コウヘイ、お主もジェルタール王の言い掛けた話の中身が分かっているのか?」
「コウ、いつも言ってるわよね?」
 驚いた様子のセミリアさんと違い、サミュエルさんは僕の頭に手を置いた。
 例によって頭に手を置いたのか頭を鷲掴みにされているのかが微妙な力加減が恐ろしいが、過去に何度も言われてきた『説明は分かりやすく簡潔にしろ』というメッセージだということだけは即決で理解する。
 というわけで後から説教されるのも嫌なので僕はその答えを口にすることにした。間違ってたら恥ずかしいなぁと密かに思いつつ。
「恐らくですけど、『まさか、魔族と手を組むなんて』と言おうとしたんじゃないかと」


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