勇者が仲間になりたそうにこちらを見ている

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【勇者が仲間になりたそうにこちらを見ている④ ~連合軍vs連合軍~】

【第十四章】 前途多難

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 再び駆け出した白馬は瞬く間に煙の幕を抜け、そのまま林の中を疾走していく。
 振り返ると背後には同じく馬に乗ったセミリアさんとユメールさんの姿があった。
 二人組がそのまま馬に乗って逃げていったことは把握出来たが、四人全員で追い掛けるべきではないんじゃなかろうかと僕は思う。
「クロンヴァールさんっ、怪我人はどうするんですか!」
「お前に回復魔法が使えるなら今すぐ降りろ。そうでなければ前線に立って兵を率いなければならない私達がすべきことは一つだ」
「…………」
 返す言葉が無い。
 僕に魔法なんて使えるわけもなく、ならば想定される状況に対処するために初めからそれが使える人を同行させておくべきだったのではないかという後悔は移動一つすら乗せて貰わないと出来ない僕が今口にしていいことではなかった。
「クリスは回復魔法も習得しているが、高度なレベルにはない。では今私達がすることはなんだ?」
「あの人達を逃がして……更なる被害を生まない様にすること」
「そうだ、ここは既に戦場なのだぞ。兵士として、戦士として戦うことを決めた者ならば傷付き倒れた己を心配されるよりも亡骸を踏み越えられてでも敵を倒してくれることを望む。それが国や民を守るために戦う者の意志だ」
 それは必ずしも誰もに当て嵌まることではないだろうと僕は思った。
 しかし、敵を倒すためならあの人達がどうなってもいいだなんてクロンヴァールさんが思っているわけもない。
 傷付き倒れた人の覚悟や勇気に報いるためにも敵を追い払っただけに終わるという結果で満足することは出来ないのだろう。
 それは一見すると敵を倒すことが何よりも大事だと言っている様に感じるが実際は少し違う。
 シビアに敵味方を見極める性格であることは確かなのだろう。
 しかし、こういった取捨選択や状況判断を瞬時にしてしまうことで非情な印象を増長させているのだ。
 迷った挙げ句どっちつかずになってしまったり、負傷者を介抱することで事なきを得る。
 僕ならばまず間違いなくそういう結果になっていた。
 仮に今こうしているように二人を追い掛けるべきだという選択肢が頭に浮かんだとしても、港で倒れている人達を放っていくという決断は出来なかったと思う。
 迷わず切り捨てている様に見えるのはクロンヴァールさんが総合的に判断した最善の答えを出すまでに掛かる時間が極端に短いからがゆえのことなのだ。
 それが罪悪感というか、どうしても倒れていた人達を心配してしまう今の僕にとっての唯一の救い。
 戦う術を持たないからこそ相手を倒すこと以外に気持ちが向いてしまうのだろうけど、それでも治療役を連れてこなかったのは防げたミスに思えるし、他に潜んでいる二人組の仲間が居ないとも限らないのに港を開けてしまっていいのだろうかという不安もある。
 まあ、この人達は気配という目に見えない要素である程度は把握してしまう達人なので後者については心配ないのかもしれないけど……。
「止まれっ!」
 不意に、馬が動きを止めた。
 急ブレーキの様な止まり方に、あれこれ考えていて油断していた僕は顔をクロンヴァールさんの背中に打ち付けてしまう。
 しかし痛がっている暇など当然なく、キンキンという金属音とサクサクという正体不明の無数の音が嫌な予感だけを生み出していた。
「クロンヴァール王、ご無事か!」
 ほとんど真横で、同じくセミリアさんが馬を止めた。
「問われるまでもない。だが、結構な数だな」
「お姉様に向かって矢を放つとは余程地獄に送って欲しいらしいです。クリスが締め上げてやるです!」
 反対側で停止したユメールさんも怒り心頭だ。
 そして、矢を放つというその言葉を聞いて僕はようやく事態を把握した。
 周囲の地面や木々の幹に無数の矢が突き刺さっている。
 数本の矢が刺さらずに地面に散らばっているところを見るに、誰かが僕達に向けて矢を放ったとみて間違いない。あの金属音はクロンヴァールさんが剣でそれを払った音だったのだ。
 木に深く刺さっている矢を見るに、身体に刺さればただでは済まない明確な殺意のある攻撃。
 それが数十と僕達に向かって飛んできたというのか……。
 では誰がこんなことを? さっきの二人組か?
 真っ先に浮かんだのはそんな考えだったが、クロンヴァールさん達は正面を見ているもののその視線は少し上の方へと向いている。
「な……」
 そこにあった無数の異形な姿に思わず声が漏れる。
 目の前の木々の枝の上に立っている何か。
 小人の様に小さな身体に尖った耳と鼻、そして薄く紫がかった肌。
 そんな確認するまでもなく魔物であろう何かが十数人、それぞれが弓を手にこちらに視線を集めていた。
「インプか。コウヘイ、クロンヴァール王から離れてはならぬぞ」
 化け物達から視線を反らすことなく、セミリアさんはまず僕の心配をしてくれる。
 あれはインプというのか。
 しかし、これだけ数の差があり尚かつ相手も武器を持っている。
 ただ後ろに乗っているだけでクロンヴァールさんの邪魔になっている様では、こういう時の僕の役に立たなさはいつまで経っても変わらないな……。
 そう思った矢先だった。
「インプ風情が何の用だ。私達の邪魔をするな、斬り殺すぞ」
 クロンヴァールさんの声は低く、明らかに怒りに満ちている。
 この間にも僕達が追っていた二人組が逃げてるのだ、そうなるのも当然か。
「キキキ、人間の分際で威勢が良いねぇ」
 インプと呼ばれる生物の一人が挑発的な声を投げ掛けてくる。
 やはり言葉を操るのかという驚きはさておき、それでいて誰一人として矢を構える気配はない。
「やいお前達、舐めた口を効くなです! 今すぐに道を空けないと締め上げてやるぞ、です」
 そう言って、ユメールさんは胸の前で両手を合わせる。
 何かの魔法でも使おうとしているのか、その手にはいつのまにか指の部分がない革の手袋が填められていた。
 しかし、インプ達はニヤリと笑ったかと思うとユメールさんが攻撃を仕掛ける前に一斉に何かの呪文を唱える。
「龍召還!」
 一人がそんな言葉を叫ぶ。
 刹那、激しい地鳴りがしたと同時に眼前の地面が割れた。
 三頭の馬が後ずさって距離を置くその亀裂から姿を現したのは巨大な竜だ。
 竜。
 すなわちドラゴン。
 マジですか……これはやばいだろう。
「ゲオルギウスか」
 驚き言葉を失う僕などお構いなしにクロンヴァールさんが固体名らしき何かを口にした。
 ゲオルギウス? というらしいそのドラゴンはワニの様な緑色の皮膚をしていて、大きな翼と尻尾があり、周囲の木々を超える全長を持つ恐ろしい風貌をしている。
 優に四メートルはあるであろう目の前の化け物に声も出ない僕だったが、やはり三人の戦士達にそんな様子はない。
「召還魔法とは、やっかいな術を使う。クロンヴァール王、どうしますか」
「私とお前がいるのだ。たかだかドラゴンの一匹、取るに足らん。クリスはインプ共を仕留めろ」
「任せるです!」
 怯む気配の欠片もなく再び三人は攻撃態勢を取った。
 あれを見て取るに足りないと言えるあたり頼もしいやら末恐ろしいやらだったけど、セミリアさんが以前これよりも巨大なイカの化け物を一撃で倒したところを見たことがあるだけに本当にどうにかしてしまえる気がしている僕も大概か。
 僕一人であったなら僕が十人に増えたところで逃げる一択だったところなだけに、慣れによって同じ人間とは思えない人達と一緒に居るという感覚が薄れていたのかもしれない。
 二人は馬からは降りず、切っ先ををドラゴンに向けた。
「避けろ!」
 そんなクロンヴァールさんの声と同時に、次の瞬間には僕の身体は浮遊感に包まれる。
 馬ごと宙に浮いていたことに気付くと同時に、飛び上がった馬が傍にあった木の太い枝に着地したのだということを遅れて理解した。
 高さに対する恐怖を感じるよりも先に目に入ったのは眼下に広がる真っ赤な炎だ。
 ドラゴンの口から吐き出されている、まるで火炎放射器の如く豪炎が林を飲み込む様に赤一色に染まっている。
 あと一秒遅ければあれに飲み込まれていた……すなわち本気で死んでいたのでは。
 という命に関わる考察すらもゆっくりさせてもらえず、すぐさまドラゴンの大きく開いた口がこちらを向く。
「聖剣、合わせろ!」
「御意!」
 続けて僕達を乗せた馬は軽々と木の上から飛び降りる。
 こうなっては僕は落ちてしまわない様にクロンヴァールさんの腰に捕まっていることしか出来ず、万が一の時には盾を発動させなければと目だけは閉じないと必死に耐えるなるのが精一杯だったが、その目に入ったのは着地するよりも先にセミリアさんとクロンヴァールさんの剣の先が同時にドラゴンに向いた瞬間だった。
「穿撃!」「牙竜翔撃!」
 大きな声を重ね、二人が同時に突きを放つ。
 何度も見た、剣の先からそのまま突きが伸びていくかの様に放たれた斬撃が二つ。ドラゴンに直撃するタイミングで二つに合わさった。
 そして破裂音と爆発音の混じった様な大きな音が響いたかと思うと、馬が着地した衝撃を感じると同時にドラゴンの頭部が消えてなくなっていた。
 助かってよかったけど……やっぱりグロい。
 思わず目を反らしたくなるおぞましい光景だったけど、例によってすぐにドラゴンの姿は消えて無くなっていく。
 ひとまず一番の危機は回避。
 しかしまだインプがいる……と思った僕だったのだが。
「こっちも完了です、お姉様」
 背後からユメールさんの声が聞こえる。
 振り向く先にあったのは得意気な顔をしたユメールさんと、どういうわけか両手足を縄で縛られてぶら下がっているおかしな格好のインプ達の姿だった。
 まるで蜘蛛の巣に引っ掛かった羽虫の様に、逃れようともがくも意味を為さず苦しそうにしている。
 何が起きているのか分からずにいる僕の前でユメールさんはニヤリと笑い。
蜘蛛の糸スパイダー・シルク……絞殺スクイーズ
 小さく何かを呟いた瞬間、インプ達は全身を切り裂かれたように血を吹き出し断末魔の叫びと共にその姿を消失させていった。
 インプの血が伝ったことで空中に張り巡らされた細くほとんど透明の糸が姿を現している。
 連中はあの糸に捕縛されていた。
 そしてその使い手はユメールさんだったということらしい。
 過去最高クラスにトラウマ映像盛り沢山の魔物との戦闘だったけども、兎にも角にも僕達を襲おうとする者はいなくなった。
「ユメール殿、見事なものですな」
「えっへん、です。お姉様の前で格好悪いところは見せられんからな、です」
「しかし、今からあの二人組を追うのは困難でしょう。どうなさる、クロンヴァール王」
「こうなっては仕方あるまい、一旦港に戻って後続組と合流する。行くぞ」
 三頭の馬は向きを変え、来た道を戻るべくパカパカと駆けていく。
 ここは戦場なのだと認識させられるには十分な程にあらゆる要素が狂気へと姿を変え、味方ではない者を排除しようと牙を剥く。
 何をするか、何が出来るか、そしてどこまでその意志を貫けるか。
 生き残るだけのことに必死ならなければならないこの国で、僕は確かに戦争という未知なる世界に足を踏み入れた。
 挫けてなるものか。
 そんな意志を胸に港に帰った僕達を待っていたのは、襲撃を受けた兵士達全員が死亡したという報告だった。

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