怪異相談所の店主は今日も語る

くろぬか

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2章

33 夢喰い

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 “夢”という言葉は、非常に奥が深い。
 将来の自分を思い描く、華やかな“夢”。
 現実的であろうとなかろうと、誰だって幸せな姿を想像する事だろう。
 それこそ追い詰められ、落ちぶれた自分を夢に描く人物は間違いなく居ない。
 だからこそ、“夢”に溢れた希望を思い描くのだ。
 必要な努力も、周りへの影響も考えず。
 ただただ“成功した自分”を思い描くのが、“希望という名の幻想”。
 ソレを人は“夢”と呼ぶ。

 そして次に、眠っている時に見る“夢”。
 様々な論文やら何やらで色々と語られている訳だが、結局は全て明確にされている訳ではない“夢”。
 脳の記憶処理だったり、人の妄想の具現化だったりと言葉は交わされているが。
 その証明に、一般人はあまり関心はない。
 結局ソレが何であろうと、眠れば“夢”を見るのだから。
 更に言えば、精神状態によって“夢”は様々な形に変化する。
 ソレが一般的だ。
 何かに追い詰められている人間は“落ちる”夢を見続けるというし。
 自分が死ぬ夢、もしくは害される夢を見る人間は誰かに恨まれていると言われたりもする。
 逆に幸せな夢や、願望が叶う夢を見た時は……“何かが起こる前兆”だから、気を付けろ。
 なんて言われる地域もある位だ。
 だとしたら、どんな夢を見るのが正解なのだろうか?
 “悪い夢”を見れば、現在の不幸の現れの様に言われ。
 “良い夢”を見れば、未来の不幸の前兆の様に言われてしまう。
 では、そもそも“夢”とは何なのか。
 別に結論を出す必要は無い。
 考え方によって、今日見る“夢”の内容が少しだけ変わるくらいなモノだろう。
 しかし、だからこそ考えてしまうのが人間というもの。
 “夢”の中でくらい、誰しも“夢”を見たいのだ。
 現実に疲れているからこそ、眠っている間くらいは。
 そう考える人間も多いだろう。
 だからこそ、“憑かれ”やすくもある訳だが。

 「それで、これからどうするの? 幸太郎」

 「どうもしないさ、相手の出方を待つだけだよ」

 「えぇぇ……」

 思いっ切り呆れた顔をこちらに向けて来る美鈴だったが、逆にどうしろというのか。
 コレは“依頼人の夢”であり、俺達が見ている“夢”じゃない。
 だからこそ、決定権は彼女に有るのだ。
 彼女が“絶対に無理だ”と思えば無理だし、“もしかしたら”と願ってくれれば希望は生まれる。
 先程の様な“思考を無視した”襲撃は、もう使えないのだ。
 何たって、依頼人は俺達を“認識”してしまったのだから。
 全ては彼女次第。
 今回の依頼人に、“出来る”と思わせる事に全てが掛かっている。
 だからこそ、“語る”必要があるのだろう。

 「感動の再会中に失礼しますね? 私は語り部 結の店主、結 幸太郎と申します。以後お見知りおきを」

 「えっと、はい……先程は、ありがとうございました」

 愛しの彼氏の腕に抱かれながら、彼女はペコリと頭を下げて来た。
 先程呼び合っていた名称で呼んでやろうかとも思ったが、そんな事をしたら美鈴に蹴られそうなので止めておくとしよう。

 「さて、この“夢”について語るとしましょう。一見すればかの有名な都市伝説、“猿夢”。ココまでは認識しているご様子ですが、間違いはありませんか?」

 「は、はい……」

 あえてにこやかに両手を拡げて言葉を紡いでみれば、彼女は怯えた様子を見せた。
 夢に怯えているのなら分かるが、おかしいな。
 彼女の視線はコチラに向いたままだ。

 「幸太郎。ドストレート過ぎなのと、アクションがオーバー過ぎ。それじゃ悪役だって」

 「あれ? 駄目?」

 「駄目」

 ダメだったらしい。
 コホンと咳払いをしてから、改めて問題の彼女と向かい合った。

 「では、お話の続きを。聞いた限りでは、昔から“色々”と無理矢理に“降霊術”などをやらされたらしいですね? “コレ”は、その延長線上にあると思いますか?」

 「えっと……はい。昔から色々な“そういう事”をやらされたから、招いた結果なのかなって。それで、呪われたとか、そう言う事なんじゃないかなって」

 「では、“誰に”呪われたのか。ソレが思いつきますか? 貴女を恨み、こんな夢まで見せる相手が誰なのか。ソレが分かりますか?」

 「……え?」

 根本からの勘違いなのだ。
 “聞いたら出る”という怖い話。
 馬鹿か、と言ってやろう。
 流行り始めた話を聞いた、文字列を読んだ。
 ネットで流行ったとしたら、どれ程の人間が全国でその情報を手に入れていると思っているんだ。
 最初の怪異が居たとしよう、ソレが全国の閲覧者に分身して怪異現象を起こすとでも?
 答えはNOだ。
 言ってしまえば、物語として完成した“怪異”のイメージに、周囲の怪異が“乗っかる”だけだ。
 そういうモノは、総じて“弱い”。
 何たって、怪異として残っているにも関わらず自分というモノがない存在なのだから。

 もっと言えば、逆なのだ。
 その地に残った伝承や伝説、呪いの有無。
 一つの魂が成仏できずに、周りに被害を出したとしよう。
 ソレを見た“生者”が“亡者”に名前を、姿を与えるのだ。
 彼等の“想い”は亡者に生前とは違う姿を与え、噂に出てくる“化け物”へと徐々に変えていく。
 幽霊とは、ただただ成仏できずにソコに漂う存在。
 想いによって大小様々ではあるものの、その姿に“牙”を与えるのは総じて“生者”にある。
 もしかしたら死んだあの子は私を恨んでいるかもしれない。
 もしかしたら化けて出て、私の事を殺しに来るかもしれない。
 この地で死んだあの子は、この時間になると現れ危害を加えて来るらしい。
 そんな感じで死んだ者の感情や存在を無視して、“都市伝説”は生まれる。
 その場に出てくるのが当人であるかどうかは関係なしに、“噂の中の人物”の都市伝説が生まれ、その結果怪異が“発生”するのだ。
 周りによる影響、本人による思い込み。
 本当に様々だ。
 だからこそ、由縁の無い怪異に祟られる。
 存在はするが、拡張されるばかりで“元”がない。
 ソレが、“都市伝説”だ。

 「私を呪った人……色々と思い浮かびますが……でも」

 「特定の人物に恨みを買う様な事をした覚えがない。違いますか?」

 「え、えぇ。その通りです」

 こういう人物程、“想像”してしまうのだ。
 怖い事をしたから、皆に嫌われているから。
 だからこそ、その結果“呪い”に遭遇してしまうのではないのか、と。
 誰にも恨まれていないのに、誰からも“呪い”とも呼べる悪い感情を向けられていないのに。
 それでも、想像してしまう。
 “もしかしたら”と。
 尚且つ何かが起これば、“やはり”と納得してしまう。
 経緯と想像、そして結果に対しての承認。
 その全てが完璧に揃っているからこそ、怪異は平然と牙を向く。
 何たって彼らは、見て、見られて。
 そして“存在”を認識した上で証明してくれる相手を求めているのだから。
 こういう被害妄想の強い相手など、恰好の餌食に他ならないのだ。

 『次はぁ、“刺身”。“刺身”の前に止まります――』

 「では、何故“コレ”が貴女に憑いたのか。まずは原点を探ってみましょう、きっかけはなんでしたか?」

 「え、えっと。でも、その前にまた猿達が……」

 「気にしないで下さい。この程度、“私の怪異達”であれば問題にもなりません。“間違いなく、相手にすらならないでしょう”。幸、雪奈ちゃん」

 『おう』

 「承知しました」

 背後から現れたであろう猿たちは、彼らによって“喰われて”いく。
 二人は元々強い怪異ではあるものの、コレは夢の世界。
 だからこそ本来の力は発揮できない。
 だとしてもこの強さだ。
 まぁ、そう“思わせた”のだから当然だが。

 「お話を続けましょう、きっかけは何でしたか?」

 「えと、その……学生時代のイジメから始まって、それから。私は“そういう”怖い系を無理矢理やらされて……」

 「何をやらされましたか? その人物の名前は? どういう顔をしていましたか? 声は? 口調は? 癖は? 全部思い出してみましょう。そうすれば、答えは見えてくる筈です」

 不思議そうな顔を浮かべながらも、彼女は必死で記憶を探っているのか。
 難しい顔をしたまま瞼を閉じた。
 その間にも。

 『次はぁ“焼肉”、“焼肉”の前に――』

 「あぁ、気にしなくて良いですよ? バーナーだのなんだの持ってきた所で、私の元に居る怪異は“猫又”と“雪女”。この程度では負ける筈も有りませんから」

 不安を煽る様なアナウンスが聞こえる度に、遮って声を上げる。
 その声に安心したかのように、警戒した様子を少しずつ解いていく彼女。

 「私をイジメていた人たちは……ヒナちゃんに、キィちゃんって呼ばれてた女の子二人。小学生の頃だったから、ちゃんとした名前は覚えてないけど……」

 「構いませんよ? ヒナちゃんにキィちゃん。それで?」

 「放課後、一人でこっくりさんをやらされたり、心霊スポットに一人で向かわされたり……それから」

 「それから?」

 「ずっと、ずっとです。彼女達の知り合いから知り合いへ、私の話が伝わって。初めて会う様な人にも、同じような事をやらされて……」

 「その人達の顔を、全て思い出せますか?」

 「……はい」

 今まで以上に苦しそうに顔を歪める依頼人は、浅い呼吸を繰り返す。
 何度でも言うがコレは“夢”だ。
 彼女が想像すればする度に、具現化していく世界。
 だからこそ、思い出すだけでも辛いのだろう。
 今我が身に降りかかっているかのような恐怖を、想像の中でもその身に感じているのだろう。
 で、あるのなら。

 「さぁ、目を開けてごらんなさい。貴女には、何が見えますか?」

 「……え? は? 嘘、だって、さっきまで全く知らない人が座って――」

 「どうした!? うーちゃん!? 大丈夫か!?」

 「いやぁぁぁぁ!」

 目を開いた彼女は、その場でガクガクと震え始めた。
 それも致し方ない事だろう。
 何たって、周りの乗客たちが皆少女や女子学生に変わっていたのだから。
 周りに座っていた乗客。
 ソレは“ギャラリー”、またはモブ。
 この物語を盛り上げる為だけに存在する、存在しない人物達。
 それこそ“呪い”によって集められた者達の様にも見えるが。
 そんな事は“あり得ない”。
 コレは、彼女の“夢”なのだから。
 だからこそ、想像すればするほど変わる。
 ギャラリーだって、“怪異”の一部なのだから。

 「いやぁぁぁ! いや、嫌だぁぁ!」

 「大丈夫! 大丈夫だから!」

 彼氏君の腕に抱かれているが、彼女はパニック状態。
 その影響か、列車も空間が歪んだ様にぐにゃぐにゃと曲がり始める。
 あぁ、夢の終わりが近い。
 彼女が恐怖によって目覚めるか、“怪異”が彼女を喰らうのが先か。
 待っているだけなら、“運”次第にはなってしまうのだろうが。

 「一つ、お話を致しましょう。眠る時に“羊が一匹、羊が二匹”って数える話がありますよね? アレって、なんでだと思います?」

 震える彼女を抱き抱える彼氏君が、キッとコチラに鋭い眼差しを向けた。
 しかし、彼女もしっかりと聞いている様子。
 僅かながら、視線がこちらに向いたのが見える。
 なら、続けようか。

 「“シープ”と“スリープ”だろ? だから何だってんだ? この状況と関係あるのかよ!? もう良いだろ!?」

 「その通り。海外で言えば似た言葉を発音し、日本で言う“眠れ、眠れ”と母親が優しく囁く様なモノ。しかしながら何故ソレが他国でも、言語の違う国でも流行ったと思いますか?」

 「いや、そんなの……海外ブームっていうか。あれ、でもなんで流行ったんだ? 羊が~って別に眠くならねぇよな?」

 やはり誰かの“夢”の中というのは、感情が揺らぎやすい。
 元となる“一人”の感情の中に飛び込んでいる訳なのだから、当然と言えば当然なのだが。
 彼氏君の方も、悲しそうな顔でオロオロと視線を彷徨わせている。

 「コレは一般的な話ではありませんがね? いつまでも眠らない悪い子にはお化けが出るぞ~みたいな子供だましがあるじゃないですか。それの延長にあるお話なんですよ。羊飼いとは、羊の統率を取る為に犬を飼っています。 群れを追い込み、家屋に戻す。その役割を果たす“牧羊犬”。そして羊の柔らかい毛は寝具にも使われる事から、“眠る”事とも深い関りを持つとされています」

 「あ、あぁ……なんとなく、想像できる」

 後ろから迫る威圧を完全に幸と雪奈ちゃんに任せたまま、俺はピンと指を立てて見せた。
 そして、懐に左腕を突っ込みながら。

 「シープだスリープだの関係ないんですよ。群れから逸れた、いつまでも遊び惚けている羊は……“番犬に食われるぞ”っていう、脅し文句何ですよね。だからこそ、人間は羊を数える。何匹失ってしまったのか、確かめる為に」

 そう言いながら、胸元から取り出した首輪を床に投げる。
 あまり“使い”たくは無かったが、コレが一番早いのだろう。

 「“夢喰い”、出番だよ。お前なら、ルールも何も関係ないだろう? 全てを“喰らえ”、終わらせろ」

 『承知』

 その低い声が聞こえた瞬間、首輪は煙に包まれ巨大な狼が現れる。
 通称“夢喰い”。
 言葉だけならバクとかその辺りが現れそうなモノなのに、俺が知っている“夢喰い”はコイツだけなのだ。
 羊飼いの飼っていた“牧羊犬”であり、無駄な夢を刈りとる存在。
 それがこの狼、“夢喰い”。
 幸や雪奈ちゃんと違って、“仕事”しかしない怪異。
 更には、“仕事”だけは徹底的にこなす怪異でもある。
 だからこそ。

 「皆戻って、“喰われる”よ?」

 『急に使うな太郎! だぁぁクソ! コイツは話しが通じないから嫌いだ!』

 「同格であっても……コレだけは理解し合えませんね」

 「幸太郎! 何コレ! 何なのコレ!?」

 皆が俺の元に集まり、身を寄せる中。
 “夢喰い”だけは好きに暴れまわる。
 人を喰い、列車を喰い、“背景”を喰う。
 この全てが偽りだと言わんばかりに、視界の全てを齧り始める。
 バクンバクンと、視界がどんどんと黒に染まっていく勢いで。

 「夢喰い、大本は最後にね?」

 『承知』

 結果的に俺達の周りは全て食い尽くされ、ほとんどが黒で埋まった世界が生れた。
 その結果、残ったのが。

 「俺達の足元と……依頼人さんの昔の姿かな? 彼女は」

 乗客の一人だけ、生き残った。
 その彼女は、依頼人と随分と似た顔の少女。

 『ねぇ、アナタも私を嫌うの?』

 彼女が言葉を発した瞬間、“夢”が歪んだ。
 あぁ、なるほど。
 幼い頃から残る傷、それに彼女は“憑かれた”のか。
 余計なモノの感情が割り込み、こんな“夢”を作り上げた。

 「嫌わないさ。ただ、喰らうだけだ」

 『私を好きになってくれる?』

 そう言って、その少女は腕を拡げた。

 「そうだね。美味しかったら、好きになるかもしれない」

 『まるで、狼さんだね』

 「かもしれないね。いや、俺は君を食べちゃう悪い狼さんだ」

 ニコッと笑いかけた瞬間、彼女に向かって“夢喰い”が齧りついた。
 それこそ情け容赦なく、貪り食う様子で。

 「ごめんね。でも、君が残ると……“君”が困るんだ」

 『痛い……痛いよ……』

 「そうだね、痛いね。でも、ソレを乗り越えたからからこそ、“今の君”が居るんだ。まだ、君は“居る”んだ。他の物に惑わされない事をお勧めするよ。そうすれば、君は自分を傷付ける事は無くなるだろう。もう自分を“呪う”必要はないんだ」

 そう言ってから、パチンッと扇子を閉じる。
 これで、“夢”は終わり。
 納得できなくとも、締まらない終わり方だったとしても。
 人の感情とは、“怖い話”なんてそんなモノなのだから。
 だからこそ。

 「君を語ろう、これからも。別の誰かに。君が君という“呪い”であり、一つの怪異現象であった事を、俺は語ろう。どこまでも惨めで、身勝手で、自らを貶める行為であったとしても。“こういう事例”もあったのだと、語り継ごう。俺は、君を忘れない」

 『クソヤロウが……』

 黒い霧に変わる中、彼女……または“呪い”がそんな言葉を残しながら消えて行った。
 全ての怨念が綺麗に消え去る訳じゃない、全部が全部すっきりして終わる訳じゃない。
 それでも人はその経験を語り継いで、次の世代に託すのだ。
 今度は、こうならない様にと。
 そして本当にどうしようも無くなった時、人は俺の様な存在を頼り。
 俺の様な人間がどうしようも無くなった状態に至っては、こうした“反則技”とも呼べる手段を取るのだ。

 「君の眠り共に、悪夢は終わりを告げる。だからこそ、“眠れ”。次に目覚めた時は、もう君は君を見る事は無いよ。ちゃんと一人の“君”になれる」

 こうして悪夢終わり、次の朝を迎えるのであった。

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