16 / 20
16
フェリシア
しおりを挟む
部屋を移動する途中にいままでの仕事仲間たちに挨拶していくと、みんな祝福してくれたので、フェリアは本当に良かったと思う。
新しい部屋は客間のはずだが、可愛らしい家具が揃えられていた。
「シャルロット様がお嫁入りした頃に使っていた家具ですが、よろしいでしょうか。」
レリアがさっきから丁寧な物言いでなんとなく慣れない。
「可愛らしい家具は嬉しいですが、レリアさんの話し方が...」
「レリアです。さんはいりません。フェリアさま。」
そう言われてもいままでの上司を急に呼び捨てにするのはなかなか難しい。
「失礼いたします。フェリア様付きの侍女になります。サリーです。」
「サリー!あなたが来てくれるの?」
「はい。一応、いとこってことで。」
「従姉妹?」
「フェルは、私の従姉妹で両親を亡くし我が家にひきとられたが、負担になりたくないとサーディス邸に仕事に出るわたしと一緒に雇ってもらい、カイン様に見染められた。我がベルド家からでも領主夫人になれるが、辺境伯の立場を考えて王弟のホレスト公爵の養女格で結婚予定。それに伴いフェルという名前をフェリシアに改名、フェリシア・ホレスト公爵令嬢ということよ。」
カインとシャルロットの仕事の速さに驚く。普通公爵家の養女ってそう簡単に許可下りないはずだ。
「シャルロット様は、フェリシア様が養女となるよう依頼書を鷹便で送ったそうです。それを王城で受け取った陛下がホレスト公爵を呼び出し、その場でお二人がサインして鷹便で先ほど戻りました。」
レリアの説明にシャルロットが緊急事態時の王城との連絡用の鷹を使ったこと、陛下とホレスト公爵がすぐ動くシャルロットという状況にこの国で1番強いのはシャルロットなのではないかと思ってしまった。
レリアとサリーの先導によって、侍女たちに徹底的に磨き上げられるとフェリア改めフェリシアは、侯爵家にいた時より髪は艶やか、肌はすべすべになる。
しばらく着ていなかったドレスは、カインが用意してくれた淡いオレンジ色で控えめに同色系のフリルの付いたかわいらしすぎないもので、フェリシアの好みに合うので嬉しかった。
新しい部屋は客間のはずだが、可愛らしい家具が揃えられていた。
「シャルロット様がお嫁入りした頃に使っていた家具ですが、よろしいでしょうか。」
レリアがさっきから丁寧な物言いでなんとなく慣れない。
「可愛らしい家具は嬉しいですが、レリアさんの話し方が...」
「レリアです。さんはいりません。フェリアさま。」
そう言われてもいままでの上司を急に呼び捨てにするのはなかなか難しい。
「失礼いたします。フェリア様付きの侍女になります。サリーです。」
「サリー!あなたが来てくれるの?」
「はい。一応、いとこってことで。」
「従姉妹?」
「フェルは、私の従姉妹で両親を亡くし我が家にひきとられたが、負担になりたくないとサーディス邸に仕事に出るわたしと一緒に雇ってもらい、カイン様に見染められた。我がベルド家からでも領主夫人になれるが、辺境伯の立場を考えて王弟のホレスト公爵の養女格で結婚予定。それに伴いフェルという名前をフェリシアに改名、フェリシア・ホレスト公爵令嬢ということよ。」
カインとシャルロットの仕事の速さに驚く。普通公爵家の養女ってそう簡単に許可下りないはずだ。
「シャルロット様は、フェリシア様が養女となるよう依頼書を鷹便で送ったそうです。それを王城で受け取った陛下がホレスト公爵を呼び出し、その場でお二人がサインして鷹便で先ほど戻りました。」
レリアの説明にシャルロットが緊急事態時の王城との連絡用の鷹を使ったこと、陛下とホレスト公爵がすぐ動くシャルロットという状況にこの国で1番強いのはシャルロットなのではないかと思ってしまった。
レリアとサリーの先導によって、侍女たちに徹底的に磨き上げられるとフェリア改めフェリシアは、侯爵家にいた時より髪は艶やか、肌はすべすべになる。
しばらく着ていなかったドレスは、カインが用意してくれた淡いオレンジ色で控えめに同色系のフリルの付いたかわいらしすぎないもので、フェリシアの好みに合うので嬉しかった。
11
あなたにおすすめの小説
これで、私も自由になれます
たくわん
恋愛
社交界で「地味で会話がつまらない」と評判のエリザベート・フォン・リヒテンシュタイン。婚約者である公爵家の長男アレクサンダーから、舞踏会の場で突然婚約破棄を告げられる。理由は「華やかで魅力的な」子爵令嬢ソフィアとの恋。エリザベートは静かに受け入れ、社交界の噂話の的になる。
次期国王様の寵愛を受けるいじめられっこの私と没落していくいじめっこの貴族令嬢
さら
恋愛
名門公爵家の娘・レティシアは、幼い頃から“地味で鈍くさい”と同級生たちに嘲られ、社交界では笑い者にされてきた。中でも、侯爵令嬢セリーヌによる陰湿ないじめは日常茶飯事。誰も彼女を助けず、婚約の話も破談となり、レティシアは「無能な令嬢」として居場所を失っていく。
しかし、そんな彼女に運命の転機が訪れた。
王立学園での舞踏会の夜、次期国王アレクシス殿下が突然、レティシアの手を取り――「君が、私の隣にふさわしい」と告げたのだ。
戸惑う彼女をよそに、殿下は一途な想いを示し続け、やがてレティシアは“王妃教育”を受けながら、自らの力で未来を切り開いていく。いじめられっこだった少女は、人々の声に耳を傾け、改革を導く“知恵ある王妃”へと成長していくのだった。
一方、他人を見下し続けてきたセリーヌは、過去の行いが明るみに出て家の地位を失い、婚約者にも見放されて没落していく――。
婚約破棄された氷の令嬢 ~偽りの聖女を暴き、炎の公爵エクウスに溺愛される~
ふわふわ
恋愛
侯爵令嬢アイシス・ヴァレンティンは、王太子レグナムの婚約者として厳しい妃教育に耐えてきた。しかし、王宮パーティーで突然婚約破棄を宣告される。理由は、レグナムの幼馴染で「聖女」と称されるエマが「アイシスにいじめられた」という濡れ衣。実際はすべてエマの策略だった。
絶望の底で、アイシスは前世の記憶を思い出す――この世界は乙女ゲームで、自分は「悪役令嬢」として破滅する運命だった。覚醒した氷魔法の力と前世知識を武器に、辺境のフロスト領へ追放されたアイシスは、自立の道を選ぶ。そこで出会ったのは、冷徹で「炎の公爵」と恐れられるエクウス・ドラゴン。彼はアイシスの魔法に興味を持ち、政略結婚を提案するが、実は一目惚れで彼女を溺愛し始める。
アイシスは氷魔法で領地を繁栄させ、騎士ルークスと魔導師セナの忠誠を得ながら、逆ハーレム的な甘い日常を過ごす。一方、王都ではエマの偽聖女の力が暴かれ、レグナムは後悔の涙を流す。最終決戦で、アイシスとエクウスの「氷炎魔法」が王国軍を撃破。偽りの聖女は転落し、王国は変わる。
**氷の令嬢は、炎の公爵に溺愛され、運命を逆転させる**。
婚約破棄の屈辱から始まる、爽快ザマアと胸キュン溺愛の物語。
『龍の生け贄婚』令嬢、夫に溺愛されながら、自分を捨てた家族にざまぁします
卯月八花
恋愛
公爵令嬢ルディーナは、親戚に家を乗っ取られ虐げられていた。
ある日、妹に魔物を統べる龍の皇帝グラルシオから結婚が申し込まれる。
泣いて嫌がる妹の身代わりとして、ルディーナはグラルシオに嫁ぐことになるが――。
「だからお前なのだ、ルディーナ。俺はお前が欲しかった」
グラルシオは実はルディーナの曾祖父が書いたミステリー小説の熱狂的なファンであり、直系の子孫でありながら虐げられる彼女を救い出すために、結婚という名目で呼び寄せたのだ。
敬愛する作家のひ孫に眼を輝かせるグラルシオ。
二人は、強欲な親戚に奪われたフォーコン公爵家を取り戻すため、奇妙な共犯関係を結んで反撃を開始する。
これは不遇な令嬢が最強の龍皇帝に溺愛され、捨てた家族に復讐を果たす大逆転サクセスストーリーです。
(ハッピーエンド確約/ざまぁ要素あり/他サイト様にも掲載中)
もし面白いと思っていただけましたら、お気に入り登録・いいねなどしていただけましたら、作者の大変なモチベーション向上になりますので、ぜひお願いします!
【完結】伯爵令嬢の25通の手紙 ~この手紙たちが、わたしを支えてくれますように~
朝日みらい
恋愛
煌びやかな晩餐会。クラリッサは上品に振る舞おうと努めるが、周囲の貴族は彼女の地味な外見を笑う。
婚約者ルネがワインを掲げて笑う。「俺は華のある令嬢が好きなんだ。すまないが、君では退屈だ。」
静寂と嘲笑の中、クラリッサは微笑みを崩さずに頭を下げる。
夜、涙をこらえて母宛てに手紙を書く。
「恥をかいたけれど、泣かないことを誇りに思いたいです。」
彼女の最初の手紙が、物語の始まりになるように――。
指さし婚約者はいつの間にか、皇子に溺愛されていました。
湯川仁美
恋愛
目立たず、目立たなすぎず。
容姿端麗、国事も完璧にこなす皇子様に女性が群がるのならば志麻子も前に習えっというように従う。
郷に入っては郷に従え。
出る杭は打たれる。
そんな彼女は周囲の女の子と同化して皇子にきゃーきゃー言っていた時。
「てめぇでいい」
取り巻きがめんどくさい皇子は志麻子を見ずに指さし婚約者に指名。
まぁ、使えるものは皇子でも使うかと志麻子は領地繁栄に婚約者という立場を利用することを決めるといつのまにか皇子が溺愛していた。
けれども、婚約者は数週間から数か月で解任さた数は数十人。
鈍感な彼女が溺愛されていることに気が付くまでの物語。
側妃の条件は「子を産んだら離縁」でしたが、孤独な陛下を癒したら、執着されて離してくれません!
花瀬ゆらぎ
恋愛
「おまえには、国王陛下の側妃になってもらう」
婚約者と親友に裏切られ、傷心の伯爵令嬢イリア。
追い打ちをかけるように父から命じられたのは、若き国王フェイランの側妃になることだった。
しかし、王宮で待っていたのは、「世継ぎを産んだら離縁」という非情な条件。
夫となったフェイランは冷たく、侍女からは蔑まれ、王妃からは「用が済んだら去れ」と突き放される。
けれど、イリアは知ってしまう。 彼が兄の死と誤解に苦しみ、誰よりも孤独の中にいることを──。
「私は、陛下の幸せを願っております。だから……離縁してください」
フェイランを想い、身を引こうとしたイリア。
しかし、無関心だったはずの陛下が、イリアを強く抱きしめて……!?
「離縁する気か? 許さない。私の心を乱しておいて、逃げられると思うな」
凍てついた王の心を溶かしたのは、売られた側妃の純真な愛。
孤独な陛下に執着され、正妃へと昇り詰める逆転ラブロマンス!
※ 以下のタイトルにて、ベリーズカフェでも公開中。
【側妃の条件は「子を産んだら離縁」でしたが、陛下は私を離してくれません】
捨てられた者同士でくっ付いたら最高のパートナーになりました。捨てた奴らは今更よりを戻そうなんて言ってきますが絶対にごめんです。
亜綺羅もも
恋愛
アニエル・コールドマン様にはニコライド・ドルトムルという婚約者がいた。
だがある日のこと、ニコライドはレイチェル・ヴァーマイズという女性を連れて、アニエルに婚約破棄を言いわたす。
婚約破棄をされたアニエル。
だが婚約破棄をされたのはアニエルだけではなかった。
ニコライドが連れて来たレイチェルもまた、婚約破棄をしていたのだ。
その相手とはレオニードヴァイオルード。
好青年で素敵な男性だ。
婚約破棄された同士のアニエルとレオニードは仲を深めていき、そしてお互いが最高のパートナーだということに気づいていく。
一方、ニコライドとレイチェルはお互いに気が強く、衝突ばかりする毎日。
元の婚約者の方が自分たちに合っていると思い、よりを戻そうと考えるが……
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる