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愛翔と優里亜
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愛翔がこーたくんに怒られたらしい日から、明らかに変わった。
あれだけくっついていた女の子たちを全員断っていったのだ。
しかも『ただ断っても納得しないだろうから』と1人ずつ順番にデートをして、彼女候補として無しか保留とデート後に感想を話して、相手に誠意を見せて減らしていくという時間のかかるやり方で。
保留は、1人のみで後からデートした子を保留にするとその前に保留にした子に断りを入れていく事もしているそうなので、毎日放課後と土日は誰かと出かけている。
「あと何人いるの?」
今日も1人、デートして断って来たと言う愛翔のご飯をよそいながら聞いてみた。
「うーんと、あと3人かな。」
「減ったねぇ…」
「うん。なんかさ、1人ずついいところはあるけど、俺の彼女にしたいかどうかで、考えていくと違うって分かってきたんだ。」
「お疲れ様だね。それで最後に残った子と付き合うの?」
「まだわかんない。付き合っても違うと思ったら、断るつもりだし。」
「残ったのは、テニス部で同じクラスの飯塚香織さんと隣のクラスの榊さん、2年の真崎先輩だったっけ?」
「真崎先輩は、今日の夕方、断ってきた。」
「じゃあ2人?」
「ううん。優里亜がいるから3人。」
なんか私の名前を言った?
「は?」
「だってさ。中学まで一番一緒だったのは、優里亜だし。
優里亜なら、気を使わなくていいから楽だろ…」
「少しは気を使おうよ。
いままで蚊帳の外だった私を後出しジャンケンみたいに入れたら、私の学校生活が灰色どころかブラックになるよ。」
「優里亜を選んだら、ちゃんと守るし、保留には最初から優里亜がいるんだけど…」
高校に入ってからは、ほとんど見たことなかった、ちょっと甘えた表情。
これに弱い私は、絆されてしまうのよね。
「私を選ぶなら、ちゃんと守ってよね。他の子に決めたら、報告してよ?」
「わかった。」
愛翔のことは好きだけど、どうしても家族目線で見てしまうのは、考えないようにする。
それから2週間後、朝のHR前の教室で愛翔は私の前に立っていた。
「優里亜、いままでごめん。ちゃんと考えて、お前と付き合うことに決めた。
他の女の子は全部断ったから、彼女になって。」
何もほぼクラスメイトが揃った状況で告白しなくてもとは思ったが、公認にすることで他の子への牽制と言う事らしい。
同じ中学の子たちは、高校に入ってから何となく私たちが、別れたのかも?と思っていた…元々付き合ってないけど…状況だったから、よりを戻すために愛翔が他の子と離れたと思ったらしい。
放課後には、元愛翔ハーレムの女の子達にも広まっていた。
「やっぱり片瀬優里亜に落ち着いちゃったって、うちのクラスでももちきりだったよ。」
そう言っていたのは、私と同じ家庭科部で他のクラスの市橋成美ちゃん。
愛翔は、チャラさが抜けて急に大人しくなったとも。
元々、学年トップの成績だし見た目もいいから、今は鑑賞用の需要が大きいそうだ。
私の心が追いつかない問題だけだよねー。
幼なじみの同い年の従姉弟同士。
しかも一年のほとんどを同じ家で過ごしている。
小学校?保育所?くらいから愛翔が好きだけど、家族愛だけじゃない、恋なんだよね?と自問自答しちゃうくらいの片想い。
もちろん雄太くんには、愛翔みたいな感情がないから、恋なんだろうけど。
それなのに愛翔が、急に彼氏って、なんなの⁈
あれだけくっついていた女の子たちを全員断っていったのだ。
しかも『ただ断っても納得しないだろうから』と1人ずつ順番にデートをして、彼女候補として無しか保留とデート後に感想を話して、相手に誠意を見せて減らしていくという時間のかかるやり方で。
保留は、1人のみで後からデートした子を保留にするとその前に保留にした子に断りを入れていく事もしているそうなので、毎日放課後と土日は誰かと出かけている。
「あと何人いるの?」
今日も1人、デートして断って来たと言う愛翔のご飯をよそいながら聞いてみた。
「うーんと、あと3人かな。」
「減ったねぇ…」
「うん。なんかさ、1人ずついいところはあるけど、俺の彼女にしたいかどうかで、考えていくと違うって分かってきたんだ。」
「お疲れ様だね。それで最後に残った子と付き合うの?」
「まだわかんない。付き合っても違うと思ったら、断るつもりだし。」
「残ったのは、テニス部で同じクラスの飯塚香織さんと隣のクラスの榊さん、2年の真崎先輩だったっけ?」
「真崎先輩は、今日の夕方、断ってきた。」
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なんか私の名前を言った?
「は?」
「だってさ。中学まで一番一緒だったのは、優里亜だし。
優里亜なら、気を使わなくていいから楽だろ…」
「少しは気を使おうよ。
いままで蚊帳の外だった私を後出しジャンケンみたいに入れたら、私の学校生活が灰色どころかブラックになるよ。」
「優里亜を選んだら、ちゃんと守るし、保留には最初から優里亜がいるんだけど…」
高校に入ってからは、ほとんど見たことなかった、ちょっと甘えた表情。
これに弱い私は、絆されてしまうのよね。
「私を選ぶなら、ちゃんと守ってよね。他の子に決めたら、報告してよ?」
「わかった。」
愛翔のことは好きだけど、どうしても家族目線で見てしまうのは、考えないようにする。
それから2週間後、朝のHR前の教室で愛翔は私の前に立っていた。
「優里亜、いままでごめん。ちゃんと考えて、お前と付き合うことに決めた。
他の女の子は全部断ったから、彼女になって。」
何もほぼクラスメイトが揃った状況で告白しなくてもとは思ったが、公認にすることで他の子への牽制と言う事らしい。
同じ中学の子たちは、高校に入ってから何となく私たちが、別れたのかも?と思っていた…元々付き合ってないけど…状況だったから、よりを戻すために愛翔が他の子と離れたと思ったらしい。
放課後には、元愛翔ハーレムの女の子達にも広まっていた。
「やっぱり片瀬優里亜に落ち着いちゃったって、うちのクラスでももちきりだったよ。」
そう言っていたのは、私と同じ家庭科部で他のクラスの市橋成美ちゃん。
愛翔は、チャラさが抜けて急に大人しくなったとも。
元々、学年トップの成績だし見た目もいいから、今は鑑賞用の需要が大きいそうだ。
私の心が追いつかない問題だけだよねー。
幼なじみの同い年の従姉弟同士。
しかも一年のほとんどを同じ家で過ごしている。
小学校?保育所?くらいから愛翔が好きだけど、家族愛だけじゃない、恋なんだよね?と自問自答しちゃうくらいの片想い。
もちろん雄太くんには、愛翔みたいな感情がないから、恋なんだろうけど。
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