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愛莉
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3月15日、チャペルの入口に立つ私の横には、父親役のお義父さん。
息子しかいないから、バージンロードを歩けると思っていなかったと照れながら、引き受けてくれた。
祭壇の前にはシルバーグレーのタキシード姿の浩太さんが、待っている。
お義父さんから浩太さんに私の手が移ったとき、浩太さんはいつもの優しい笑顔になった。
結婚式の日をいつにしようか話し合って、浩太さんの誕生日である今日に決めた。
入籍は、急を要したから日にちにこだわらなかったし、私たちに記念日らしいものも、ほとんどなかったから、私にとって大切な浩太さんが生まれた日を私たち家族の誕生日にして、ずっと一緒にお祝いしようねってことになった。
出席者は、お義父さん、お義母さん、隆之さん、優里亜ちゃん、麻子さんと愛翔。
誓いの言葉は、私が涙でぐちゃぐちゃになり、誓いのキスは少し長くて隆之さんの咳払いで、慌てて離れたし、指輪の交換は私の指が浮腫んで、手間取ったりと後から笑い話になりそうなところは、たくさんあったけれど、家族だけで、ささやかだけど暖かい式になった。
近くのレストランでみんなで食事して、記念写真を撮ってそのまま麻子さん以外は、一緒の家に帰る。
最初は、そのまま二階に住むかべつにアパートで暮らすかという話だったが、お義父さんと浩太さんが、張り切って母屋の横に離れを建てていて、完成まで二階に住むことになった。
母屋は、社員のために宿泊できるようにして、離れは、私たちがプライベートの時間を寛いで、なおかつ麻子さんが気兼ねなく泊まっていけるように建てると浩太さんが教えてくれた。
片瀬家は、みんな優しい。
私も片瀬家の人間になったんだから、みんなに優しくなりたいって思う。
「愛莉、疲れただろ。愛翔と一緒に横になってきたら?」
私の横では非日常な1日に付き合って、お疲れ気味な愛翔が小さなあくびをしながら、べったりくっついて離れない。
「とりあえず愛翔を寝かせてくるね。」
二階に上がり布団に愛翔と横になると私もあっという間に眠りに落ちていた。
目が覚めたときには、辺りはすっかり暗闇になっていて、浩太さんが私の横で、眠っているようだ。
夕ご飯も食べず、お風呂にも入らずに眠っちゃうなんて妻失格じゃない?と落ち込んでしまう。
とりあえずシャワーを浴びて来ようと起き上がる。
「ん…愛莉、起きた?」
「ごめんね。起こしちゃった?」
「大丈夫だよ。やっぱり疲れた?熟睡だったもんな。シャワー浴びといで。」
「うん。行ってくるね。」
二階には、シャワー室があるので、そちらでシャワーを浴びていつものスウェットに着替えてから、今日が一応初夜だと思い出した。
初夜なのに色気も何もないスウェットの上下で、女子力も何もなくていいんだろうか…
「愛莉、どうかした?」
真剣に悩み始めていたので、いきなり浩太さんに話しかけられてびっくりした。
「な、なんでもない。あ、大事な事を言うの、忘れてた。
浩太さん、お誕生日おめでとう。」
もう少しで日が過ぎちゃうところだったから、言えて良かった。
「愛莉、誕生日プレゼントは?」
「あ、式の準備でバタバタしていて、まだ用意できてないの。ごめんなさい。」
「だから…プレゼントは…わ、た、し。うふっとか言うやつは?」
顔が赤くなった私をリンゴみたいと言いながら、浩太さんは皮を剥くようにして、おいしくいただかれちゃました。
息子しかいないから、バージンロードを歩けると思っていなかったと照れながら、引き受けてくれた。
祭壇の前にはシルバーグレーのタキシード姿の浩太さんが、待っている。
お義父さんから浩太さんに私の手が移ったとき、浩太さんはいつもの優しい笑顔になった。
結婚式の日をいつにしようか話し合って、浩太さんの誕生日である今日に決めた。
入籍は、急を要したから日にちにこだわらなかったし、私たちに記念日らしいものも、ほとんどなかったから、私にとって大切な浩太さんが生まれた日を私たち家族の誕生日にして、ずっと一緒にお祝いしようねってことになった。
出席者は、お義父さん、お義母さん、隆之さん、優里亜ちゃん、麻子さんと愛翔。
誓いの言葉は、私が涙でぐちゃぐちゃになり、誓いのキスは少し長くて隆之さんの咳払いで、慌てて離れたし、指輪の交換は私の指が浮腫んで、手間取ったりと後から笑い話になりそうなところは、たくさんあったけれど、家族だけで、ささやかだけど暖かい式になった。
近くのレストランでみんなで食事して、記念写真を撮ってそのまま麻子さん以外は、一緒の家に帰る。
最初は、そのまま二階に住むかべつにアパートで暮らすかという話だったが、お義父さんと浩太さんが、張り切って母屋の横に離れを建てていて、完成まで二階に住むことになった。
母屋は、社員のために宿泊できるようにして、離れは、私たちがプライベートの時間を寛いで、なおかつ麻子さんが気兼ねなく泊まっていけるように建てると浩太さんが教えてくれた。
片瀬家は、みんな優しい。
私も片瀬家の人間になったんだから、みんなに優しくなりたいって思う。
「愛莉、疲れただろ。愛翔と一緒に横になってきたら?」
私の横では非日常な1日に付き合って、お疲れ気味な愛翔が小さなあくびをしながら、べったりくっついて離れない。
「とりあえず愛翔を寝かせてくるね。」
二階に上がり布団に愛翔と横になると私もあっという間に眠りに落ちていた。
目が覚めたときには、辺りはすっかり暗闇になっていて、浩太さんが私の横で、眠っているようだ。
夕ご飯も食べず、お風呂にも入らずに眠っちゃうなんて妻失格じゃない?と落ち込んでしまう。
とりあえずシャワーを浴びて来ようと起き上がる。
「ん…愛莉、起きた?」
「ごめんね。起こしちゃった?」
「大丈夫だよ。やっぱり疲れた?熟睡だったもんな。シャワー浴びといで。」
「うん。行ってくるね。」
二階には、シャワー室があるので、そちらでシャワーを浴びていつものスウェットに着替えてから、今日が一応初夜だと思い出した。
初夜なのに色気も何もないスウェットの上下で、女子力も何もなくていいんだろうか…
「愛莉、どうかした?」
真剣に悩み始めていたので、いきなり浩太さんに話しかけられてびっくりした。
「な、なんでもない。あ、大事な事を言うの、忘れてた。
浩太さん、お誕生日おめでとう。」
もう少しで日が過ぎちゃうところだったから、言えて良かった。
「愛莉、誕生日プレゼントは?」
「あ、式の準備でバタバタしていて、まだ用意できてないの。ごめんなさい。」
「だから…プレゼントは…わ、た、し。うふっとか言うやつは?」
顔が赤くなった私をリンゴみたいと言いながら、浩太さんは皮を剥くようにして、おいしくいただかれちゃました。
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