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愛莉
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片瀬家にお世話になって3ヶ月が経ち、私も愛翔も生活のリズムが出来てきた。
朝、6時に起きて朝食の支度を手伝い、愛翔の着替えと朝食の後、隆之さんか浩太さんの車で保育所に行く。
優里亜ちゃんが片瀬家にお泊まりの時は、これに優里亜ちゃんの支度がプラスされるが愛翔とまとめてのお世話なので苦にはならない。
隆之さんは、今まで同じ保育所のパパとママという知り合いだったのが、頼りになるお兄さんという感じの付き合いになった。
康二さんと有香さんも優しいし、何より浩太さんという太陽のような存在は、私の心の拠り所となっている。
ある土曜日の朝、リビングで愛翔と優里亜ちゃんを遊ばせていると浩太さんが起きてきた。
隆之さんは、そろそろ仕事が終わる頃だろう。
「愛莉ちゃん。車出すから、そろそろ優里亜と愛翔のオムツ買いに行くか?」
2人とも自分の子じゃないのに、浩太さんは、私や隆之さんより親っぽい。
「愛莉ちゃん、まなくんと優里亜は見ているから、浩太と一緒に買い物行ってきていいわよ。」
有香さんの申し出にありがたく従う。
「ついでに食料品も買ってきますね。」
「じゃあ、お願いするわ。お昼は食べてきていいからね。」
「分かりました。愛翔をお願いします。」
いつものカットソーとスキニーではなく、パステルイエローねニットのアンサンブルにデニムのフレアースカートにして、ちょっぴりおしゃれをしてみた。
浩太さんは、仕事用のバンではなくプライベート用のシルバーのSUVで待っている。
仕事の時のネクタイ姿や普段着のTシャツスウェットではなく、グレーのVネックのニットに黒のパンツで、買い物と言うよりデートのよう。
「母さんがゆっくり行ってきていいって言ったから、ドラッグストアで買い物して、ランチの後スーパーで食材コースでいいかな?」
デートと言うには、あまりにも生活感があるが、浩太さんとのお出かけでなんとなく浮き足立つ。
シートベルトをはめると車は静かに走り出す。毎日、車で走っているだけあって、運転が上手で乗りやすい。
「桃林堂とウェルディア、どっちがいい?」
「桃林堂かな。」
「オッケー。」
1歳になったばかりの愛翔と2ヶ月上の優里亜ちゃんはパンツタイプの紙おむつを使っている。
2人だとそれなりに消費するので、車でまとめ買いが出来て助かった。
駐車場に戻り、次にどこへ行くか相談することにした。
「さて、次はランチだけど俺が仕事中によく行く店でもいいかな?」
「はい。おすすめは何ですか。」
「オムライスとカレー。どっちにするか、いつも迷うよ。」
「私もその二択は迷います。」
「じゃあ両方頼んで、一緒に食べるか。」
「それもいいですね。」
片瀬家に来てから、大皿料理が多いので、浩太さんとのシェアも抵抗がない。
「そこは、照れて欲しいとこだな。」
「え?」
「一応、初デートなんだけどな。」
浩太さんの一言で、一気に顔が赤くなったような気がした。
朝、6時に起きて朝食の支度を手伝い、愛翔の着替えと朝食の後、隆之さんか浩太さんの車で保育所に行く。
優里亜ちゃんが片瀬家にお泊まりの時は、これに優里亜ちゃんの支度がプラスされるが愛翔とまとめてのお世話なので苦にはならない。
隆之さんは、今まで同じ保育所のパパとママという知り合いだったのが、頼りになるお兄さんという感じの付き合いになった。
康二さんと有香さんも優しいし、何より浩太さんという太陽のような存在は、私の心の拠り所となっている。
ある土曜日の朝、リビングで愛翔と優里亜ちゃんを遊ばせていると浩太さんが起きてきた。
隆之さんは、そろそろ仕事が終わる頃だろう。
「愛莉ちゃん。車出すから、そろそろ優里亜と愛翔のオムツ買いに行くか?」
2人とも自分の子じゃないのに、浩太さんは、私や隆之さんより親っぽい。
「愛莉ちゃん、まなくんと優里亜は見ているから、浩太と一緒に買い物行ってきていいわよ。」
有香さんの申し出にありがたく従う。
「ついでに食料品も買ってきますね。」
「じゃあ、お願いするわ。お昼は食べてきていいからね。」
「分かりました。愛翔をお願いします。」
いつものカットソーとスキニーではなく、パステルイエローねニットのアンサンブルにデニムのフレアースカートにして、ちょっぴりおしゃれをしてみた。
浩太さんは、仕事用のバンではなくプライベート用のシルバーのSUVで待っている。
仕事の時のネクタイ姿や普段着のTシャツスウェットではなく、グレーのVネックのニットに黒のパンツで、買い物と言うよりデートのよう。
「母さんがゆっくり行ってきていいって言ったから、ドラッグストアで買い物して、ランチの後スーパーで食材コースでいいかな?」
デートと言うには、あまりにも生活感があるが、浩太さんとのお出かけでなんとなく浮き足立つ。
シートベルトをはめると車は静かに走り出す。毎日、車で走っているだけあって、運転が上手で乗りやすい。
「桃林堂とウェルディア、どっちがいい?」
「桃林堂かな。」
「オッケー。」
1歳になったばかりの愛翔と2ヶ月上の優里亜ちゃんはパンツタイプの紙おむつを使っている。
2人だとそれなりに消費するので、車でまとめ買いが出来て助かった。
駐車場に戻り、次にどこへ行くか相談することにした。
「さて、次はランチだけど俺が仕事中によく行く店でもいいかな?」
「はい。おすすめは何ですか。」
「オムライスとカレー。どっちにするか、いつも迷うよ。」
「私もその二択は迷います。」
「じゃあ両方頼んで、一緒に食べるか。」
「それもいいですね。」
片瀬家に来てから、大皿料理が多いので、浩太さんとのシェアも抵抗がない。
「そこは、照れて欲しいとこだな。」
「え?」
「一応、初デートなんだけどな。」
浩太さんの一言で、一気に顔が赤くなったような気がした。
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