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「いままでお世話になりました。」
職場的には間違いないが、私的には何か変と思いながら、理から花束を受け取る。
8月31日、今日で私は退職し、理の部下ではなくなるのだ。
たった5ヶ月だけど、すごく濃い5ヶ月だった。
理が課長で来た時には、バレないようにとばかり考えていたのが、嘘のようだ。
佐々木さん…美那さんとは、まだ家に招待の約束をはたせていないが、これからはお友達として付き合っていくので、遠巻きにニコニコ見送ってくれている。
「小林さん、元気でね。」
「風間さん、市川さん。新しいパートさんを困らせないで下さいね。」
「頑張ります。」
「善処します。」
私の担当だった2人と挨拶していると他の人たちも寄ってきて、記念撮影することになった。
ほかの所属の社員さんにカメラマンを頼み、部長と理に挟まれ、まわりにみんなが並んで何枚か撮ってもらった。
「課長も結婚予定だし、小林さんも結婚退職。うちはラッシュだな。あやかりたいよ。」
彼女のいない風間さんが、呟くのを聞いて、苦笑い。
その課長が、相手だから。
うちの部の社員さん達は、多分結婚式に招待されるから、びっくりしてねと思いながら、美那さんを見ると笑っていた。
帰りは荷物が多い私を送る名目で理の車で帰ることになった。
「課長、小林さんの旦那さん、どんな人だったか、後で教えて下さいね。」
別れ際に市川さんがそう言っていたので、車が走り出してから理が困ったような顔をしている。
「理?」
「会社に戻ったら、なんて言おうか。小林さんの旦那さんって、どんな人?自分じゃ、よくわからないな。」
「そうね。会えなかったとでも言っておく?自分じゃ自分に会えないから。」
「そうだな。」
一旦、理奈を迎えに行き、マンションに戻ると理はまた会社へとんぼ返りだ。
「パパは、お仕事?」
「なるべくはやく帰るから、理奈はママのお手伝いして、待っているんだぞ。」
「はーい。」
理と理奈と3人の生活は、同居を始めても、それほど変わらない。毎日一緒にいるようになった分、理が色々やってくれて、むしろ助かっているくらいだ。
「今日は、パパの好物、唐揚げを作ります。理奈、お手伝いよろしくね。」
「はーい。ママ隊長!」
拓哉君と一緒に過ごすようになった理奈のマイブームは、探検隊ごっこ。
元々、理が拓哉君に教えたらしく、休みの日は、3人で盛り上がっているくらいだ。
理奈がいるおかげで、宝田の両親ともお義兄さん家族とも、あっという間に打ち解けた。
理奈は、男性に対する人見知りが理と一緒にいるようになって治ったら、理にそっくりな人懐っこさで、宝田家のアイドルの座に収まっている。
明日から理奈は、新しい幼稚園、私は新しい職場でのスタートをきる。
不安もあるが、いままでと違い理がいると思うと心強かった。
職場的には間違いないが、私的には何か変と思いながら、理から花束を受け取る。
8月31日、今日で私は退職し、理の部下ではなくなるのだ。
たった5ヶ月だけど、すごく濃い5ヶ月だった。
理が課長で来た時には、バレないようにとばかり考えていたのが、嘘のようだ。
佐々木さん…美那さんとは、まだ家に招待の約束をはたせていないが、これからはお友達として付き合っていくので、遠巻きにニコニコ見送ってくれている。
「小林さん、元気でね。」
「風間さん、市川さん。新しいパートさんを困らせないで下さいね。」
「頑張ります。」
「善処します。」
私の担当だった2人と挨拶していると他の人たちも寄ってきて、記念撮影することになった。
ほかの所属の社員さんにカメラマンを頼み、部長と理に挟まれ、まわりにみんなが並んで何枚か撮ってもらった。
「課長も結婚予定だし、小林さんも結婚退職。うちはラッシュだな。あやかりたいよ。」
彼女のいない風間さんが、呟くのを聞いて、苦笑い。
その課長が、相手だから。
うちの部の社員さん達は、多分結婚式に招待されるから、びっくりしてねと思いながら、美那さんを見ると笑っていた。
帰りは荷物が多い私を送る名目で理の車で帰ることになった。
「課長、小林さんの旦那さん、どんな人だったか、後で教えて下さいね。」
別れ際に市川さんがそう言っていたので、車が走り出してから理が困ったような顔をしている。
「理?」
「会社に戻ったら、なんて言おうか。小林さんの旦那さんって、どんな人?自分じゃ、よくわからないな。」
「そうね。会えなかったとでも言っておく?自分じゃ自分に会えないから。」
「そうだな。」
一旦、理奈を迎えに行き、マンションに戻ると理はまた会社へとんぼ返りだ。
「パパは、お仕事?」
「なるべくはやく帰るから、理奈はママのお手伝いして、待っているんだぞ。」
「はーい。」
理と理奈と3人の生活は、同居を始めても、それほど変わらない。毎日一緒にいるようになった分、理が色々やってくれて、むしろ助かっているくらいだ。
「今日は、パパの好物、唐揚げを作ります。理奈、お手伝いよろしくね。」
「はーい。ママ隊長!」
拓哉君と一緒に過ごすようになった理奈のマイブームは、探検隊ごっこ。
元々、理が拓哉君に教えたらしく、休みの日は、3人で盛り上がっているくらいだ。
理奈がいるおかげで、宝田の両親ともお義兄さん家族とも、あっという間に打ち解けた。
理奈は、男性に対する人見知りが理と一緒にいるようになって治ったら、理にそっくりな人懐っこさで、宝田家のアイドルの座に収まっている。
明日から理奈は、新しい幼稚園、私は新しい職場でのスタートをきる。
不安もあるが、いままでと違い理がいると思うと心強かった。
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