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帰国してからの私は、引きこもった。子どもの為のお茶会は、体調不良と理由をつけて、全て欠席。

王都の館では、完全な引きこもり、王都と領地の館を行ったり来たりして、領地でのんびり過ごしてストレス発散というサイクルの生活を送っていた。
それでもお父様は、自由にさせてくれて何も言わないし、お母様はドレスを着せる機会がないことを残念がるだけで強制しない。

さすがに引きこもっただけだと運動不足で、怠惰なわがままボディーになってしまいそうなので、前世の知識を総動員して運動と家庭教師による令嬢に必要な勉強は、ちゃんとやっている。

お兄様は中等部から学園に通い始め、寮生活になってあまり会えない。学園の中等部には、高位貴族の男子クラスと子爵以下の自宅で家庭教師に教わる機会のない貴族や裕福な商家の子どもの為の共学クラスしかないので、私は引きこもっていなくても行けないのだが。

お兄様は、色気ダダ漏れのメガネイケメンで学年1位の成績ともう『推し最高!』と順調に成長している。相変わらず私にはめちゃくちゃ甘い。お兄様は、お茶会などの社交の場に行くので、モテるのかと思って聞いてみたが、

「エイミーほどかわいい女性はいないので、無視している。」

とシスコン全開で、侍女たちに噂だと『氷の貴公子』と言われ、近寄れず遠目に見られていると教えてもらった。

婚約解消から7年、私が順調に引きこもりをしているなか、とある地方で疫病が蔓延し、神殿で聖女の召喚をしたらしい。
私はちょうど近くにある領地にいたので、それ以上広まらないように、領内の手洗いうがい、医療体制を整えたのが良かったのか、鎮静化してくれた。

もちろん聖女の力だと王都では思われていたらしい。久しぶりに戻った王都では、聖女マリナ様の名は有名になっていた。これから陛下や高位貴族と付き合っていくため、神官長子息のアーロンと一緒に学園の高等部に通う事が決まったらしい。

さすがに学園の高等部には、行かないと変人か、重病人と思われてしまうので、私も入学することが決まった。行きなくないけど…
婚約解消しているし、関わる気もないから、大丈夫だと思いたい。ゲーム補正ないといいなぁ。

学園生は、全員寮生活になるが、令嬢は侍女を1人は連れて行ける。私はほとんど1人で出来るし、引きこもりに侍女の必要はなかったから、断ろうとしたらお父様に侍女ではなく護衛として連れて行けとメラニーを紹介された。

「主に必要以上のアプローチ対策と刺客、いじめ対策で就かせていただきます。メラニーと申します。アルヴィン様の手が届かない部分を守らせていただきますので、よろしくお願いします。」

さらっと男除けと刺客対策を同等に扱うのは、やはり安定の私に甘い我が家だと思った。
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