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王宮に着くとすでにアリア様、アリスさん、ナタリーさんがいらして、シンシアさんが明日にも到着するそうだ。リリアの話だと同格以上の令嬢は様、親しくない格下の令嬢はさんと呼ぶそうだ。
王宮の中庭を挟むように1人ずつ部屋が用意されており、中庭を散策したり部屋で過ごしたりできるらしい。全員揃ったら、陛下やフレデリック王太子殿下にご挨拶をして、3ヶ月がスタートするようだ。令嬢たちは、行事に参加したり、王太子殿下と交流を深めて3ヶ月後の発表を待つことになる。
私は、極力交流せず、部屋で本を読んだりして過ごせばいいのだが、夜会には強制参加なのが心配なこと。一応伯爵令嬢だが、王都にほとんどいなかったため、付け焼き刃のマナーでボロが出ないか…
「アイリス様、皆さまでお茶をしようかと話しておりましたのよ。ご一緒にいかが?」
アリア様が誘ってきた。彼女は自信家で自分が妃にふさわしいと考えているって言ってた。同格の公爵令嬢だしあまり邪険にもできない相手。
「少しでよければ。支度してすぐにうかがうわ。」
言葉遣いが丁寧になりすぎないように気をつけて一度部屋に戻る。お茶に誘ってきたということはお茶会になるので、ふさわしい服装に着替えて行かないと礼儀がなってないと言われてしまう。
移動のため、ワンピースを着ていたので、お茶会用のドレスに着替えた。夜会のドレスはメイドに着せてもらうが、あまり使用人がいない生活をしていたので、昼間のドレスならひとりでも着れるのだが、準備をしていたらマリーたちに驚かれた。
「お嬢様は、夜着さえもメイドの手で着替えていましたよ。」
「セ、アイリス様は手がかりませんね。私たちの仕事はあまりないかもしれませんね。」
「使用人がほとんどいないからね。食事もお母様と2人で作っていました。」
「ここでは、お着替えは、なるべく私たちにやらせてください。さあ、アリア様がお待ちですから、急ぎましょう。」
アリア様の部屋に伺うともうひとり呼ばれたのか赤毛の後ろ姿が見えた。アリスさんだ。
「お招きありがとうございます。お待たせしましたかしら。あら、アリスさんもいらっしゃったのですね。」
「アイリスか。久しぶりだな。」
「アリスさんもお変わりなく?」
「私はここに来るくらいなら近衛師団の訓練に参加したかったよ。」
「アリスさんは、殿下のことはよろしいのですか?」
「私は殿下と共に戦っても、閨を共にする気はないな。」
「アイリス様もアリスさんもこちらにいらして。」
挨拶のまま話し始めた私たちに呆れたのかアリア様が呼んでいた。
「アリア。私は殿下とは友人以上になる気はないから、ここでも2人とはライバルではなく友人でいていいか?」
「そういうことなら、私は良くってよ。アイリスは?」
「私は3ヶ月後に誰が選ばれても殿下の考えに従うつもりです。アリスさんは、殿下がアリスさんを選んだらどうされますか?」
「断る。まあ明日以降、親の意向は別として殿下に自分の考えを伝えるつもりだ。」
なりたいアリア様が選ばれたら、問題ないのだろうけれど、将来の王妃だとすると周りは大変かもしれない。明日、残りの2人の考えも聞けるといいなと考えている間にお茶会は恙無く終了したのでした。
王宮の中庭を挟むように1人ずつ部屋が用意されており、中庭を散策したり部屋で過ごしたりできるらしい。全員揃ったら、陛下やフレデリック王太子殿下にご挨拶をして、3ヶ月がスタートするようだ。令嬢たちは、行事に参加したり、王太子殿下と交流を深めて3ヶ月後の発表を待つことになる。
私は、極力交流せず、部屋で本を読んだりして過ごせばいいのだが、夜会には強制参加なのが心配なこと。一応伯爵令嬢だが、王都にほとんどいなかったため、付け焼き刃のマナーでボロが出ないか…
「アイリス様、皆さまでお茶をしようかと話しておりましたのよ。ご一緒にいかが?」
アリア様が誘ってきた。彼女は自信家で自分が妃にふさわしいと考えているって言ってた。同格の公爵令嬢だしあまり邪険にもできない相手。
「少しでよければ。支度してすぐにうかがうわ。」
言葉遣いが丁寧になりすぎないように気をつけて一度部屋に戻る。お茶に誘ってきたということはお茶会になるので、ふさわしい服装に着替えて行かないと礼儀がなってないと言われてしまう。
移動のため、ワンピースを着ていたので、お茶会用のドレスに着替えた。夜会のドレスはメイドに着せてもらうが、あまり使用人がいない生活をしていたので、昼間のドレスならひとりでも着れるのだが、準備をしていたらマリーたちに驚かれた。
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「セ、アイリス様は手がかりませんね。私たちの仕事はあまりないかもしれませんね。」
「使用人がほとんどいないからね。食事もお母様と2人で作っていました。」
「ここでは、お着替えは、なるべく私たちにやらせてください。さあ、アリア様がお待ちですから、急ぎましょう。」
アリア様の部屋に伺うともうひとり呼ばれたのか赤毛の後ろ姿が見えた。アリスさんだ。
「お招きありがとうございます。お待たせしましたかしら。あら、アリスさんもいらっしゃったのですね。」
「アイリスか。久しぶりだな。」
「アリスさんもお変わりなく?」
「私はここに来るくらいなら近衛師団の訓練に参加したかったよ。」
「アリスさんは、殿下のことはよろしいのですか?」
「私は殿下と共に戦っても、閨を共にする気はないな。」
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挨拶のまま話し始めた私たちに呆れたのかアリア様が呼んでいた。
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「そういうことなら、私は良くってよ。アイリスは?」
「私は3ヶ月後に誰が選ばれても殿下の考えに従うつもりです。アリスさんは、殿下がアリスさんを選んだらどうされますか?」
「断る。まあ明日以降、親の意向は別として殿下に自分の考えを伝えるつもりだ。」
なりたいアリア様が選ばれたら、問題ないのだろうけれど、将来の王妃だとすると周りは大変かもしれない。明日、残りの2人の考えも聞けるといいなと考えている間にお茶会は恙無く終了したのでした。
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