5 / 9
5
しおりを挟む
祠は考えるまでもなく、リタリアと同じく絶命の危機に瀕した神候補の棲処だろう。
手分けした方が早いんだろうな、とは思うも、
「はぐれないように気を付けて行こう。」
とロジャーがみんなに宣言する。
溜息を吐きそうになるが、押し付けられたこいつらを死なせるのは俺のプライドが許さない。
仕方なく団体行動の最後尾を着いていく事にした。
敵はそれほど手こずらなかった。
一応最強パーティと言うだけのことはあるってことだ。
俺もパーティの最後尾にいるから、振り向かれない限り、ちょっとだけ強目の魔法でも気付かれないだろうと、効率良く且つ出が速い魔法で、敵の体力を減らしておく。
いつもより速く片付くためか、四人とも不思議そうにしていたが。
さーて、ここからが問題だ。
我が家ではお茶の時間だなと思いを馳せていると、枯れた木の枝に包まれた女性の姿。
成程、力が無く瀕死だ。
パーティには女性の姿は見えていないようなので、気付かれないように元の姿に戻ると、闇の結界を張ってこちらが見えないように、音も遮断した。
当然だが怪しまれないように、全員が互いを見えないように囲った。
そしてすぐに風魔法で女を力で満たす。
風属性だと思ったのは、髪の色で判断した。
目を開いた女は俺にすぐ気付いた。
「……闇の神様…?」
また一から説明するのは時間の無駄なので、リタリアと回線を繋がせて、一気に理解させた。
「あぁ…お祈りが上手くいったのね…!」
理解した女は泣きながら俺に跪く。
「俺は急いでいる。他の仲間か暴走している奴の居場所を知らないか?」
「闇の神様、ここから北に火山があり、我々の同志が。」
恭しく頭を下げて女が言う。
珍しい、情報が得られた。
「闇の神様。我々はこの地の力を回復次第、貴方の元へ赴きます。」
何かラスボスに対して手段でもあるのだろうか?
「わかった、先に行って待ってる。」
「有難うございます!あ、シルヴァと申します。」
シルヴァも俺に礼をしたそうだったが、急いでウェルナートの姿に変わる。
ダリアが自分を閉じ込めている俺の結界を解除をしようと術を行使していたので、それで解けたかに見えるように結界を解いた。
みんな何らかのトラップだと思ったようだ。
シルヴァの姿は今も見えていなかった。
恐らく人間には見えない程の力を、シルヴァが…神候補達は持っているのだろう。
リタリアとシルヴァが来るまでに、残りの神候補を見つけないとならない。
パーティの彼らには、彼女達の姿は見えない…つまり、手分けして探す事が出来ないということ。
悪いが足手まといになる。
が、一緒に居て都合がいい事が一つだけある。
俺がこれから受ける褒賞を、彼らに押し付けられる。
手柄とか、その後の褒美、地位、名声とか要らない。
その段取り自体も彼らにやってもらおうと思ってる。
そうすれば無駄な時間が省けるからな。
もう暫くの間一緒に居る事にした。
「さすがダリア!神官の娘は伊達じゃないな!」
ロジャーの言葉で、初めてダリアが神官の娘だと知る。
神官の血筋でも神の姿(シルヴァの事)は見えないのか…。
俺は取り敢えず、偽物の地図を精製し、拾った振りをして、彼らを北の火山に導く事にした。
火山までの道は遠く、シルヴァを使って転移したかったが、パーティメンバーを連れて行く以上、簡単に上位の魔法を見せたくない。
そんなわけで、長旅になってしまったので野宿する事になった。
手分けした方が早いんだろうな、とは思うも、
「はぐれないように気を付けて行こう。」
とロジャーがみんなに宣言する。
溜息を吐きそうになるが、押し付けられたこいつらを死なせるのは俺のプライドが許さない。
仕方なく団体行動の最後尾を着いていく事にした。
敵はそれほど手こずらなかった。
一応最強パーティと言うだけのことはあるってことだ。
俺もパーティの最後尾にいるから、振り向かれない限り、ちょっとだけ強目の魔法でも気付かれないだろうと、効率良く且つ出が速い魔法で、敵の体力を減らしておく。
いつもより速く片付くためか、四人とも不思議そうにしていたが。
さーて、ここからが問題だ。
我が家ではお茶の時間だなと思いを馳せていると、枯れた木の枝に包まれた女性の姿。
成程、力が無く瀕死だ。
パーティには女性の姿は見えていないようなので、気付かれないように元の姿に戻ると、闇の結界を張ってこちらが見えないように、音も遮断した。
当然だが怪しまれないように、全員が互いを見えないように囲った。
そしてすぐに風魔法で女を力で満たす。
風属性だと思ったのは、髪の色で判断した。
目を開いた女は俺にすぐ気付いた。
「……闇の神様…?」
また一から説明するのは時間の無駄なので、リタリアと回線を繋がせて、一気に理解させた。
「あぁ…お祈りが上手くいったのね…!」
理解した女は泣きながら俺に跪く。
「俺は急いでいる。他の仲間か暴走している奴の居場所を知らないか?」
「闇の神様、ここから北に火山があり、我々の同志が。」
恭しく頭を下げて女が言う。
珍しい、情報が得られた。
「闇の神様。我々はこの地の力を回復次第、貴方の元へ赴きます。」
何かラスボスに対して手段でもあるのだろうか?
「わかった、先に行って待ってる。」
「有難うございます!あ、シルヴァと申します。」
シルヴァも俺に礼をしたそうだったが、急いでウェルナートの姿に変わる。
ダリアが自分を閉じ込めている俺の結界を解除をしようと術を行使していたので、それで解けたかに見えるように結界を解いた。
みんな何らかのトラップだと思ったようだ。
シルヴァの姿は今も見えていなかった。
恐らく人間には見えない程の力を、シルヴァが…神候補達は持っているのだろう。
リタリアとシルヴァが来るまでに、残りの神候補を見つけないとならない。
パーティの彼らには、彼女達の姿は見えない…つまり、手分けして探す事が出来ないということ。
悪いが足手まといになる。
が、一緒に居て都合がいい事が一つだけある。
俺がこれから受ける褒賞を、彼らに押し付けられる。
手柄とか、その後の褒美、地位、名声とか要らない。
その段取り自体も彼らにやってもらおうと思ってる。
そうすれば無駄な時間が省けるからな。
もう暫くの間一緒に居る事にした。
「さすがダリア!神官の娘は伊達じゃないな!」
ロジャーの言葉で、初めてダリアが神官の娘だと知る。
神官の血筋でも神の姿(シルヴァの事)は見えないのか…。
俺は取り敢えず、偽物の地図を精製し、拾った振りをして、彼らを北の火山に導く事にした。
火山までの道は遠く、シルヴァを使って転移したかったが、パーティメンバーを連れて行く以上、簡単に上位の魔法を見せたくない。
そんなわけで、長旅になってしまったので野宿する事になった。
0
お気に入りに追加
9
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【完結】初級魔法しか使えない低ランク冒険者の少年は、今日も依頼を達成して家に帰る。
アノマロカリス
ファンタジー
少年テッドには、両親がいない。
両親は低ランク冒険者で、依頼の途中で魔物に殺されたのだ。
両親の少ない保険でやり繰りしていたが、もう金が尽きかけようとしていた。
テッドには、妹が3人いる。
両親から「妹達を頼む!」…と出掛ける前からいつも約束していた。
このままでは家族が離れ離れになると思ったテッドは、冒険者になって金を稼ぐ道を選んだ。
そんな少年テッドだが、パーティーには加入せずにソロ活動していた。
その理由は、パーティーに参加するとその日に家に帰れなくなるからだ。
両親は、小さいながらも持ち家を持っていてそこに住んでいる。
両親が生きている頃は、父親の部屋と母親の部屋、子供部屋には兄妹4人で暮らしていたが…
両親が死んでからは、父親の部屋はテッドが…
母親の部屋は、長女のリットが、子供部屋には、次女のルットと三女のロットになっている。
今日も依頼をこなして、家に帰るんだ!
この少年テッドは…いや、この先は本編で語ろう。
お楽しみくださいね!
HOTランキング20位になりました。
皆さん、有り難う御座います。

凡人がおまけ召喚されてしまった件
根鳥 泰造
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。
仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。
それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。
異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。
最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。
だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。
祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。
スキルが【アイテムボックス】だけってどうなのよ?
山ノ内虎之助
ファンタジー
高校生宮原幸也は転生者である。
2度目の人生を目立たぬよう生きてきた幸也だが、ある日クラスメイト15人と一緒に異世界に転移されてしまう。
異世界で与えられたスキルは【アイテムボックス】のみ。
唯一のスキルを創意工夫しながら異世界を生き抜いていく。

スキル【レベル転生】でダンジョン無双
世界るい
ファンタジー
六年前、突如、異世界から魔王が来訪した。「暇だから我を愉しませろ」そう言って、地球上のありとあらゆる場所にダンジョンを作り、モンスターを放った。
そんな世界で十八歳となった獅堂辰巳は、ダンジョンに潜る者、ダンジョンモーラーとしての第一歩を踏み出し、ステータスを獲得する。だが、ステータスは最低値だし、パーティーを組むと経験値を獲得できない。スキルは【レベル転生】という特殊スキルが一つあるだけで、それもレベル100にならないと使えないときた。
そんな絶望的な状況下で、最弱のソロモーラーとしてダンジョンに挑み、天才的な戦闘センスを磨き続けるも、攻略は遅々として進まない。それでも諦めずチュートリアルダンジョンを攻略していたある日、一人の女性と出逢う。その運命的な出逢いによって辰巳のモーラー人生は一変していくのだが……それは本編で。
小説家になろう、カクヨムにて同時掲載
カクヨム ジャンル別ランキング【日間2位】【週間2位】
なろう ジャンル別ランキング【日間6位】【週間7位】


最弱スキルも9999個集まれば最強だよね(完結)
排他的経済水域
ファンタジー
12歳の誕生日
冒険者になる事が憧れのケインは、教会にて
スキル適性値とオリジナルスキルが告げられる
強いスキルを望むケインであったが、
スキル適性値はG
オリジナルスキルも『スキル重複』というよくわからない物
友人からも家族からも馬鹿にされ、
尚最強の冒険者になる事をあきらめないケイン
そんなある日、
『スキル重複』の本来の効果を知る事となる。
その効果とは、
同じスキルを2つ以上持つ事ができ、
同系統の効果のスキルは効果が重複するという
恐ろしい物であった。
このスキルをもって、ケインの下剋上は今始まる。
HOTランキング 1位!(2023年2月21日)
ファンタジー24hポイントランキング 3位!(2023年2月21日)

2回目チート人生、まじですか
ゆめ
ファンタジー
☆☆☆☆☆
ある普通の田舎に住んでいる一之瀬 蒼涼はある日異世界に勇者として召喚された!!!しかもクラスで!
わっは!!!テンプレ!!!!
じゃない!!!!なんで〝また!?〟
実は蒼涼は前世にも1回勇者として全く同じ世界へと召喚されていたのだ。
その時はしっかり魔王退治?
しましたよ!!
でもね
辛かった!!チートあったけどいろんな意味で辛かった!大変だったんだぞ!!
ということで2回目のチート人生。
勇者じゃなく自由に生きます?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる