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「ここにいたか、望」
「社長」
オフィス廊下の突き当たりにある、大窓が広がる休憩スペース。
自販機で買った飲み物片手に窓の外を眺めていると、背後から快活な声がかかった。
会社内で自分を「望」と呼ぶのはこの人しかいない。
望が勤める会社の創設者。初代社長の榊木昇だ。
御年五十五。
ほんのり入り交じった白髪は年相応でも、はつらつとした笑顔もピンと背筋が伸びた佇まいも、その辺の若者よりよほどパワーがみなぎっている。
「お一人さまの休憩じゃ寂しいだろ。俺も隣にご一緒させてもらっていいか?」
「ご辞退しても居座るつもりでしょう」
「ははっ、邪険にするなよ。一カ月ぶりに可愛い甥の顔を見に来ただけさ」
「……社内じゃ甥扱いは控えてくれっていってるだろ。昇おじさん」
諦めたようにうなだれる望をよそに、昇は嬉しそうに頭を撫でつける。
伯父である昇が一人会社を立ち上げたのは、望が小学生の頃だった。
それがいつの間にか仲間が一人、また一人と増え、気づけば東京の一等地にオフィスを構える有名イベント企画会社へと成長を遂げていた。
その変貌ぶりを、望は間近で見てきた。
就職活動をはじめた望は、迷うことなく伯父が経営する会社への就職を希望した。
「お前のところのプロジェクト要員、来週以降に補充が出来る目処が付いた。あとで詳細を送るから確認を頼む」
「承知しました。他メンバーの空きは大丈夫ですか」
「問題ないさ。いざとなれば俺が直接動く。管理職もたまには頭を動かさねえと錆びちまうからな」
「はあ。現場荒しの異名を持つ人がよくいう」
「お。なんだなんだ。ついに可愛い甥っ子も反抗期かあ?」
「あいにく、反抗期なんて時期はとうに過ぎましたよ」
「だな。お前は結局、そういった時期がないまま大きくなっちまったもんなあ」
「……伯父さんがいないところでは、それなりにありましたよ」
年長者としての詫びの感情が滲む言葉に、望はすぐさま首を横に振る。
母は未婚のまま望を産んだ。
父親の話を聞いたことはあるが、どうやら妊娠を知るやいなや母と自分を捨てて逃げたらしい。
以来、母は身重で必死に働き、未婚だった伯父もまたかなりの援助をしてくれた。
金銭だけではない。
父兄参観には毎年欠かさず出てくれたし、運動会ではぶっちぎりで父親リレーを走りきってくれた。
加えて母子家庭をからかうクラスメート相手に、あの手この手を使って打ち負かす術も伝授してくれた。
どんな逆境でも、たちまち奇跡を起こす。
伯父は望にとって、無敵のヒーローだった。
「まあ、いつまでもお前にこっちの仕事を任せっきりにするわけにはいかないからなあ」
「気づけばもう来月ですもんね」
「お前、本当にいいのか? 一年間の大阪赴任」
「何を今さら」
伯父の会社は順調に規模を拡大し、昨年には大阪支社を新たに立ち上げた。
徐々に仕事を獲得していたそちらでの新しいチーフリーダーとして、望に新たに白羽の矢が立ったのは先月のことだ。
関西の業務内容に、能力面、住環境面からも、望はまさに適任だった。
断る理由も特になかった望は、二つ返事で引き受けた。
「あっさり決めちまったけど、本当にいいのか? お前もこっちに愛着もあるだろうし、それこそ、いい人の一人や二人いてもおかしくねえだろ?」
「確かに東京に愛着はありますが、残念ながらいい人はいませんよ。考えたこともありません」
「もったいねえなあ。うちの妹に似て、きれいな面に生んでもらったのによ」
酷く重いため息を吐くものだから、望も何となく居心地悪く視線を背ける。
「うちの社に入ってから、社内の子にだって何度か告白されたって聞いたけど」
「はあ、まあ」
「取引先の受付嬢にも、数名からお誘いを受けたって聞いたけど」
「はあ、まあ」
「イベント当日の女性客にも、複数名から声をかけられたって聞い」
「……あんたは甥の恋愛情報を集めるのが仕事なのか?」
思わずため口で突っ込んでしまった望に、昇はにやりと口元に意地悪い笑みを浮かべる。
「今は離れた母親に代わって俺が気にしてやってるんだよ。可愛い可愛い甥っ子の行く末を」
「野暮な詮索は不要ですから、また妙な気を利かせて見合い話とか持ってこないでくださいね」
「はいはいわかった……、ん?」
「あ」
会話が進んだこともあり、追加でコーヒーを購入しようと財布を手に取ったときだった。
折りたたみ財布の狭間から滑り落ちた茶色の紙が、ひらひらと木の葉のように昇の靴先に不時着したのだ。
まずい。
そう思ったときにはすでに、紙は昇の手に拾われていた。
次の瞬間、昇の顔ににんまりと愉快げな笑みが上っていく。
「これはこれは。確かに昇伯父さんの手助けは不要なわけだなあ。甥っ子に、こんな可愛いメモ紙を渡してくれる存在がいるとはねえ?」
「……言っておきますが、最近初めて訪れた夜食処の方が、事務的に渡してくれているものですから。別に何か意味があるわけでは」
「ほおおおお。事務的かあ。事務的ねえ」
なるほどなるほど、と仰々しく顎をさする伯父が差し出すメモ紙を、昇は憮然とひったくる。
事務的に渡しているだけのメモ紙。
それはこの紙を受け取ったときから、幾度となく自分自身に告げてきた言葉だった。
これはあの人が仕事の一環で渡しているだけの紙。
他になんの意図もないのだと。
「脇目も振らずに仕事に精を出してきた、副作用が出ちまってるなあ」
なんとも言えない呟きを残し、伯父は去って行った。
そんな背中を見送ったあと、望は手元に戻った茶色のメモ紙を開く。
記されているのは、先日メニューの主役として登場した春キャベツの簡単レシピだ。
手書きで記したレシピで、どうやら野菜ごとに何パターンか用意されているらしい。
そしてメモ紙の下部には、数行のメッセージを残すことができるスペースがあった。
──今日も本当にお疲れさまでした。
──春キャベツの優しさで、今夜はぐっすりお休みになれますように。
ココア色の水性ペンで記されていたのは、紛れもなく手書きされた沙都の文字だった。
初来店のあのとき、つい眠りこけてしまった自分に向けて残してくれた、自分宛のメッセージ。
文末には、簡易的な沙都の似顔絵まで加えられている。
「……可愛い人、だよな」
本人がいないからこそ、ぽつりと漏れた言葉だった。
連日の仕事疲れに押しつぶされそうになっていた望を、偶然の出逢いが力強く引き上げた。
その正体は店舗のまとう温かな空気かも、春キャベツの力かも、あの人の柔らかな人となりかもしれない。
でもあと一カ月。
どうせあと一カ月で、自分はこの街を離れる。
あの店とも当然、繋がりは途絶えるだろう。
「……さて、仕事仕事」
メモ紙を静かに財布に仕舞った望は、今日中にこなすべき業務スケジュールの洗い出しをはじめた。
「社長」
オフィス廊下の突き当たりにある、大窓が広がる休憩スペース。
自販機で買った飲み物片手に窓の外を眺めていると、背後から快活な声がかかった。
会社内で自分を「望」と呼ぶのはこの人しかいない。
望が勤める会社の創設者。初代社長の榊木昇だ。
御年五十五。
ほんのり入り交じった白髪は年相応でも、はつらつとした笑顔もピンと背筋が伸びた佇まいも、その辺の若者よりよほどパワーがみなぎっている。
「お一人さまの休憩じゃ寂しいだろ。俺も隣にご一緒させてもらっていいか?」
「ご辞退しても居座るつもりでしょう」
「ははっ、邪険にするなよ。一カ月ぶりに可愛い甥の顔を見に来ただけさ」
「……社内じゃ甥扱いは控えてくれっていってるだろ。昇おじさん」
諦めたようにうなだれる望をよそに、昇は嬉しそうに頭を撫でつける。
伯父である昇が一人会社を立ち上げたのは、望が小学生の頃だった。
それがいつの間にか仲間が一人、また一人と増え、気づけば東京の一等地にオフィスを構える有名イベント企画会社へと成長を遂げていた。
その変貌ぶりを、望は間近で見てきた。
就職活動をはじめた望は、迷うことなく伯父が経営する会社への就職を希望した。
「お前のところのプロジェクト要員、来週以降に補充が出来る目処が付いた。あとで詳細を送るから確認を頼む」
「承知しました。他メンバーの空きは大丈夫ですか」
「問題ないさ。いざとなれば俺が直接動く。管理職もたまには頭を動かさねえと錆びちまうからな」
「はあ。現場荒しの異名を持つ人がよくいう」
「お。なんだなんだ。ついに可愛い甥っ子も反抗期かあ?」
「あいにく、反抗期なんて時期はとうに過ぎましたよ」
「だな。お前は結局、そういった時期がないまま大きくなっちまったもんなあ」
「……伯父さんがいないところでは、それなりにありましたよ」
年長者としての詫びの感情が滲む言葉に、望はすぐさま首を横に振る。
母は未婚のまま望を産んだ。
父親の話を聞いたことはあるが、どうやら妊娠を知るやいなや母と自分を捨てて逃げたらしい。
以来、母は身重で必死に働き、未婚だった伯父もまたかなりの援助をしてくれた。
金銭だけではない。
父兄参観には毎年欠かさず出てくれたし、運動会ではぶっちぎりで父親リレーを走りきってくれた。
加えて母子家庭をからかうクラスメート相手に、あの手この手を使って打ち負かす術も伝授してくれた。
どんな逆境でも、たちまち奇跡を起こす。
伯父は望にとって、無敵のヒーローだった。
「まあ、いつまでもお前にこっちの仕事を任せっきりにするわけにはいかないからなあ」
「気づけばもう来月ですもんね」
「お前、本当にいいのか? 一年間の大阪赴任」
「何を今さら」
伯父の会社は順調に規模を拡大し、昨年には大阪支社を新たに立ち上げた。
徐々に仕事を獲得していたそちらでの新しいチーフリーダーとして、望に新たに白羽の矢が立ったのは先月のことだ。
関西の業務内容に、能力面、住環境面からも、望はまさに適任だった。
断る理由も特になかった望は、二つ返事で引き受けた。
「あっさり決めちまったけど、本当にいいのか? お前もこっちに愛着もあるだろうし、それこそ、いい人の一人や二人いてもおかしくねえだろ?」
「確かに東京に愛着はありますが、残念ながらいい人はいませんよ。考えたこともありません」
「もったいねえなあ。うちの妹に似て、きれいな面に生んでもらったのによ」
酷く重いため息を吐くものだから、望も何となく居心地悪く視線を背ける。
「うちの社に入ってから、社内の子にだって何度か告白されたって聞いたけど」
「はあ、まあ」
「取引先の受付嬢にも、数名からお誘いを受けたって聞いたけど」
「はあ、まあ」
「イベント当日の女性客にも、複数名から声をかけられたって聞い」
「……あんたは甥の恋愛情報を集めるのが仕事なのか?」
思わずため口で突っ込んでしまった望に、昇はにやりと口元に意地悪い笑みを浮かべる。
「今は離れた母親に代わって俺が気にしてやってるんだよ。可愛い可愛い甥っ子の行く末を」
「野暮な詮索は不要ですから、また妙な気を利かせて見合い話とか持ってこないでくださいね」
「はいはいわかった……、ん?」
「あ」
会話が進んだこともあり、追加でコーヒーを購入しようと財布を手に取ったときだった。
折りたたみ財布の狭間から滑り落ちた茶色の紙が、ひらひらと木の葉のように昇の靴先に不時着したのだ。
まずい。
そう思ったときにはすでに、紙は昇の手に拾われていた。
次の瞬間、昇の顔ににんまりと愉快げな笑みが上っていく。
「これはこれは。確かに昇伯父さんの手助けは不要なわけだなあ。甥っ子に、こんな可愛いメモ紙を渡してくれる存在がいるとはねえ?」
「……言っておきますが、最近初めて訪れた夜食処の方が、事務的に渡してくれているものですから。別に何か意味があるわけでは」
「ほおおおお。事務的かあ。事務的ねえ」
なるほどなるほど、と仰々しく顎をさする伯父が差し出すメモ紙を、昇は憮然とひったくる。
事務的に渡しているだけのメモ紙。
それはこの紙を受け取ったときから、幾度となく自分自身に告げてきた言葉だった。
これはあの人が仕事の一環で渡しているだけの紙。
他になんの意図もないのだと。
「脇目も振らずに仕事に精を出してきた、副作用が出ちまってるなあ」
なんとも言えない呟きを残し、伯父は去って行った。
そんな背中を見送ったあと、望は手元に戻った茶色のメモ紙を開く。
記されているのは、先日メニューの主役として登場した春キャベツの簡単レシピだ。
手書きで記したレシピで、どうやら野菜ごとに何パターンか用意されているらしい。
そしてメモ紙の下部には、数行のメッセージを残すことができるスペースがあった。
──今日も本当にお疲れさまでした。
──春キャベツの優しさで、今夜はぐっすりお休みになれますように。
ココア色の水性ペンで記されていたのは、紛れもなく手書きされた沙都の文字だった。
初来店のあのとき、つい眠りこけてしまった自分に向けて残してくれた、自分宛のメッセージ。
文末には、簡易的な沙都の似顔絵まで加えられている。
「……可愛い人、だよな」
本人がいないからこそ、ぽつりと漏れた言葉だった。
連日の仕事疲れに押しつぶされそうになっていた望を、偶然の出逢いが力強く引き上げた。
その正体は店舗のまとう温かな空気かも、春キャベツの力かも、あの人の柔らかな人となりかもしれない。
でもあと一カ月。
どうせあと一カ月で、自分はこの街を離れる。
あの店とも当然、繋がりは途絶えるだろう。
「……さて、仕事仕事」
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