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おさななじみの次期公爵に「あなたを愛するつもりはない」と言われるままにしたら挙動不審です
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わたしにあったのはピアノだけだった。
「いい?教養をつけて、いい旦那さんを捕まえるのよ?あなたはわたしみたいに美人じゃないんだから」
年の離れた姉のキヤンがわたしに呪文のように言う言葉だった。
「セリアお姉様!」
子どもの時、そんなわたしを慕ってくれる人がただ一人いた。
「ノウェ、今日もレッスンが同じ日になったわね」
「待っている間、セリアお姉様のピアノを聞くのが楽しみなんです」
「ありがとう……」
ノウェは、公爵家の長男だった。金髪碧眼で美しいノウェとの仲をわたしは、徹底的に家族に隠していた。ノウェとの交友を利用されたくない。
「姉様!この曲を今度弾いてくれませんか?」
「いいけれど……」
これくらい、ノウェなら弾けるだろうに。
「わかったわ、次のレッスンがかぶったらでいい?」
「はい!」
そして、次のレッスンは来なかった。
◇◇
「次の夜会はいいお相手がいるといいわね?セリア」
姉のキヤンが嬉しそうに言う。
「……ええ、そうですわね」
あれからわたしは、20歳になっていた。言い返す口も器量もわたしは持っていない。キヤンは侯爵の長男に嫁いでおり、ちょうど今日は、伯爵家の実家に帰ってきていたのだ。
「次の夜会のおうちはちょうどあなたのピアノを披露できるんでなくて?それしか能がないものねえ」
「ピアノの披露だなんて、わたしには図々しいですわ」
「そうよねえ、自分のこと、分かっているじゃない。じゃあ、わたしは用も済んだし帰るわ」
「お疲れ様ですわ。お姉様」
ばたん。と扉が開くと、わたしは笑顔を作ったままの顔の表情を崩し、疲れが顔に現れているだろう。
「もう20歳か……18歳で侯爵様と結婚したお姉様には何も言えないな」
「ノウェは今何してるのかな」
約束の場所に現れなかったノウェとの再会を期待しているけれど、彼は夜会には現れない。最上位の公爵家の人間だし、あの容姿の美しさだ。現れただけで話題になるはずだ。
「わたしは、お姉様みたいに美人じゃないし、結婚できるのかな……」
茶髪のロングヘア―に紫色の瞳。美醜を感じたことはないが、ただ、姉への劣等感がある。
◇◇
「じゃあ、粗相のないようにね」
「もちろんです、お母様」
わたしは、結婚相手とのつながりを作るために夜会に向かう。今日の主催は音楽好きで、わたしも何度かピアノを披露させてもらっている。
(目立つためにピアノを披露しているわけではないけど、それしか芸がないんだもの。頑張らなきゃ)
馬車をおり、会場に入る。
「本日はお招きいただきありがとうございます」
主催の男性にまず挨拶をする。いつまでも相手が決まらないわたしには挨拶はなれたものだ。
「セリア嬢!今日は来賓がいらっしゃるんです。今日はピアノを披露してくださいますね?」
(ええええ!?)
「セリア様ほどの腕前の方はいらっしゃいませんから。今日の来賓の方はめったに表れない超VIPなんです」
(余計、気が進まないのですが!?)
「そこをなんとか……」
「あ、えっと……」
(でも、いつもお世話になっている方だし……)
「わ、わかりました!」
◇◇
ピアノの前に座ると、配置されていたのは懐かしい楽譜だった。
(セリアお姉様!これ、弾いてください!)
(ノウェ……)
聞かせてあげられなかったあの時のことを思ってわたしは、ピアノを弾き始めた。
(姉様!)
わたしを認めてくれた唯一の人……
そして、曲を弾き終えると拍手の渦がわたしを包んでくれた。席を離れようとしたとき、私の腕をつかむ人がいた。
「きゃ!」
わたしはあまりに力が強かったので思わず悲鳴を上げてしまった。
「申し訳ない」
声の主は手を離した。
「あの方って……」
「そうよね……?」
ホールがざわめきだす。
主催者が焦った様子で現れた。
「ノウェ様、気に入っていただけたのですか?」
「ノ、ウェ……!?」
「約束を果たせず、すいませんでした。セリア様」
美しい青年に成長したノウェだった。
「ノウェ……様、お久しぶりです」
「突然すいませんでした。では、失礼します」
「ええ!?」
主催者はノウェを追いかけていった。
「セリア様!ノウェ様とはどういう関係ですの?」
「あのノウェ様の表情はただものではありませんでしたわ」
「まず、ノウェ様をホールに連れ出したことが驚嘆ですわよ!?」
わたしは質問責めだが、上手く答えられなかった。自分でもわからなかったから。
「それにしても、ノウェ様……」
「麗しいですわあー」
「しかも次期公爵!」
ノウェは順当に美しい青年に成長していたのは同感だ。
(やっと会えて嬉しかったのに……)
そそくさと去ってしまった。
◇◇
「わたしが、ノウェの妻に?」
「ええ!よくやったわね!次期公爵夫人よ!教養教育の甲斐があったわね」
「……何かの間違いよ」
母から驚きの知らせを受けるもこころがおいつかない。
姉はぶつぶつと恨み言を言っている。
公爵家から婚姻の申し込みがあったらしい。分かっているのはこれだけ。
(でも……嫌じゃないな。ノウェがどんな人かは小さいころだけど知っているし……)
「我が家から公爵家にはいる人間が生まれるのよー!」
(お母様も喜んでいるし)
◇◇
「あなたを愛することはありません」
「え?」
「あなたと夜の関係を持つことはないということです」
「え?」
「あなたには決まったルーティーンを毎日過ごしていただきます」
ノウェが言っていることが理解できなかった。言葉を理解できるのだが意図が理解できない。
「ええと、それは……?」
「わたしから言うことはありません」
(思っていたのと違う!!!)
◇◇
まず召使に従ってルーティーンをこなしてみる。
朝、見た目を整え、ノウェと食事をとる。
その間は好きなことをする。
昼も、ノウェと食事をとる。
そこからは、ピアノのレッスンを受ける。そこまで厳しくなかったが、きびしくしてほしいとお願いすることにした。
夜に、ノウェと食事をとる。そして、真顔のノウェの前でピアノを披露する。
そして、湯あみをして、ノウェと別の部屋で寝る。
(いったい何!?)
疑問符しか浮かばないが、食事も一流で、十分なピアノのレッスンを受けられるので文句の言いようがない。
「……寝ようか」
すばらしい寝具で身体になじみ、一瞬で寝ることができた。
◇◇
ノウェはわたしに話しかけない。
昔とどうしても比べてしまう。しかし、わたしに求められているのはルーティーンをこなすこと。そうおもい、こなすようにした。
ご飯は残さないように監視しているのかよく見られている。
ピアノの披露の時間は、わたしを一心に見ている。ミスをしないようににらんでいるのだろうか。
そうやって過ごしていく中で、食事はわたしの好みのものが優先して出てくるようになった。
◇◇
「今日は昔頼まれた曲を弾いてみようかな」
「そんなことがあったのですか?」
講師が質問する。
「はい……それ以降会えなくなってしまったのですが」
「ノウェ様に最近会いましたが、少し雰囲気が柔らかくなった気がします」
「……そうなんですか」
今日のレッスンでは例の曲を練習し、夕食に備えた。
「ノウェ様、今日は特に心を込めて、演奏させていただきます」
演奏の時間になり私は気合を込めて席に着いた。
「え……」
ノウェは少し驚いたような顔をしていた。
(お姉様!確かに上手な人はたくさんいるけれど、ぼくにとってお姉様の音色は大事なんです)
(お姉様の髪の色はきれいですね)
(お姉様!)
いろんなことを思い出しながら私はピアノを弾き終えた。
そして、立ち上がり会釈しようとすると……
再会した時は手をつかんだが、ノウェがわたしを抱きしめられた。
「ばかな男の懺悔を聞いてください」
「あなたに会えなくなったのは、当主であった父が体調を崩し、補佐にならなけれならず、教養や夜会どころではなくなってしまったからなんだ」
「ずっと、大変で苦しかった」
「ずっとあなたのピアノが聴きたかった。何回もあなたにせがんだ曲を聴いたけど満たされなかった。あなたを求めているのか、ピアノを求めているのか分かりたかった。そしてわかった」
そう言ってノウェはわたしを抱きしめた。
「あなたのその、茶色のサラサラの髪も、紫色の瞳も、人のことを優先しがちなところも好きだ。今更だがこれからも一緒にいさせてほしい」
「もちろんです、これからもわたしのピアノを聴いてくださいね」
わたしたちの音色はこれからも響いていくだろう。
◇◇おわり◇◇
「いい?教養をつけて、いい旦那さんを捕まえるのよ?あなたはわたしみたいに美人じゃないんだから」
年の離れた姉のキヤンがわたしに呪文のように言う言葉だった。
「セリアお姉様!」
子どもの時、そんなわたしを慕ってくれる人がただ一人いた。
「ノウェ、今日もレッスンが同じ日になったわね」
「待っている間、セリアお姉様のピアノを聞くのが楽しみなんです」
「ありがとう……」
ノウェは、公爵家の長男だった。金髪碧眼で美しいノウェとの仲をわたしは、徹底的に家族に隠していた。ノウェとの交友を利用されたくない。
「姉様!この曲を今度弾いてくれませんか?」
「いいけれど……」
これくらい、ノウェなら弾けるだろうに。
「わかったわ、次のレッスンがかぶったらでいい?」
「はい!」
そして、次のレッスンは来なかった。
◇◇
「次の夜会はいいお相手がいるといいわね?セリア」
姉のキヤンが嬉しそうに言う。
「……ええ、そうですわね」
あれからわたしは、20歳になっていた。言い返す口も器量もわたしは持っていない。キヤンは侯爵の長男に嫁いでおり、ちょうど今日は、伯爵家の実家に帰ってきていたのだ。
「次の夜会のおうちはちょうどあなたのピアノを披露できるんでなくて?それしか能がないものねえ」
「ピアノの披露だなんて、わたしには図々しいですわ」
「そうよねえ、自分のこと、分かっているじゃない。じゃあ、わたしは用も済んだし帰るわ」
「お疲れ様ですわ。お姉様」
ばたん。と扉が開くと、わたしは笑顔を作ったままの顔の表情を崩し、疲れが顔に現れているだろう。
「もう20歳か……18歳で侯爵様と結婚したお姉様には何も言えないな」
「ノウェは今何してるのかな」
約束の場所に現れなかったノウェとの再会を期待しているけれど、彼は夜会には現れない。最上位の公爵家の人間だし、あの容姿の美しさだ。現れただけで話題になるはずだ。
「わたしは、お姉様みたいに美人じゃないし、結婚できるのかな……」
茶髪のロングヘア―に紫色の瞳。美醜を感じたことはないが、ただ、姉への劣等感がある。
◇◇
「じゃあ、粗相のないようにね」
「もちろんです、お母様」
わたしは、結婚相手とのつながりを作るために夜会に向かう。今日の主催は音楽好きで、わたしも何度かピアノを披露させてもらっている。
(目立つためにピアノを披露しているわけではないけど、それしか芸がないんだもの。頑張らなきゃ)
馬車をおり、会場に入る。
「本日はお招きいただきありがとうございます」
主催の男性にまず挨拶をする。いつまでも相手が決まらないわたしには挨拶はなれたものだ。
「セリア嬢!今日は来賓がいらっしゃるんです。今日はピアノを披露してくださいますね?」
(ええええ!?)
「セリア様ほどの腕前の方はいらっしゃいませんから。今日の来賓の方はめったに表れない超VIPなんです」
(余計、気が進まないのですが!?)
「そこをなんとか……」
「あ、えっと……」
(でも、いつもお世話になっている方だし……)
「わ、わかりました!」
◇◇
ピアノの前に座ると、配置されていたのは懐かしい楽譜だった。
(セリアお姉様!これ、弾いてください!)
(ノウェ……)
聞かせてあげられなかったあの時のことを思ってわたしは、ピアノを弾き始めた。
(姉様!)
わたしを認めてくれた唯一の人……
そして、曲を弾き終えると拍手の渦がわたしを包んでくれた。席を離れようとしたとき、私の腕をつかむ人がいた。
「きゃ!」
わたしはあまりに力が強かったので思わず悲鳴を上げてしまった。
「申し訳ない」
声の主は手を離した。
「あの方って……」
「そうよね……?」
ホールがざわめきだす。
主催者が焦った様子で現れた。
「ノウェ様、気に入っていただけたのですか?」
「ノ、ウェ……!?」
「約束を果たせず、すいませんでした。セリア様」
美しい青年に成長したノウェだった。
「ノウェ……様、お久しぶりです」
「突然すいませんでした。では、失礼します」
「ええ!?」
主催者はノウェを追いかけていった。
「セリア様!ノウェ様とはどういう関係ですの?」
「あのノウェ様の表情はただものではありませんでしたわ」
「まず、ノウェ様をホールに連れ出したことが驚嘆ですわよ!?」
わたしは質問責めだが、上手く答えられなかった。自分でもわからなかったから。
「それにしても、ノウェ様……」
「麗しいですわあー」
「しかも次期公爵!」
ノウェは順当に美しい青年に成長していたのは同感だ。
(やっと会えて嬉しかったのに……)
そそくさと去ってしまった。
◇◇
「わたしが、ノウェの妻に?」
「ええ!よくやったわね!次期公爵夫人よ!教養教育の甲斐があったわね」
「……何かの間違いよ」
母から驚きの知らせを受けるもこころがおいつかない。
姉はぶつぶつと恨み言を言っている。
公爵家から婚姻の申し込みがあったらしい。分かっているのはこれだけ。
(でも……嫌じゃないな。ノウェがどんな人かは小さいころだけど知っているし……)
「我が家から公爵家にはいる人間が生まれるのよー!」
(お母様も喜んでいるし)
◇◇
「あなたを愛することはありません」
「え?」
「あなたと夜の関係を持つことはないということです」
「え?」
「あなたには決まったルーティーンを毎日過ごしていただきます」
ノウェが言っていることが理解できなかった。言葉を理解できるのだが意図が理解できない。
「ええと、それは……?」
「わたしから言うことはありません」
(思っていたのと違う!!!)
◇◇
まず召使に従ってルーティーンをこなしてみる。
朝、見た目を整え、ノウェと食事をとる。
その間は好きなことをする。
昼も、ノウェと食事をとる。
そこからは、ピアノのレッスンを受ける。そこまで厳しくなかったが、きびしくしてほしいとお願いすることにした。
夜に、ノウェと食事をとる。そして、真顔のノウェの前でピアノを披露する。
そして、湯あみをして、ノウェと別の部屋で寝る。
(いったい何!?)
疑問符しか浮かばないが、食事も一流で、十分なピアノのレッスンを受けられるので文句の言いようがない。
「……寝ようか」
すばらしい寝具で身体になじみ、一瞬で寝ることができた。
◇◇
ノウェはわたしに話しかけない。
昔とどうしても比べてしまう。しかし、わたしに求められているのはルーティーンをこなすこと。そうおもい、こなすようにした。
ご飯は残さないように監視しているのかよく見られている。
ピアノの披露の時間は、わたしを一心に見ている。ミスをしないようににらんでいるのだろうか。
そうやって過ごしていく中で、食事はわたしの好みのものが優先して出てくるようになった。
◇◇
「今日は昔頼まれた曲を弾いてみようかな」
「そんなことがあったのですか?」
講師が質問する。
「はい……それ以降会えなくなってしまったのですが」
「ノウェ様に最近会いましたが、少し雰囲気が柔らかくなった気がします」
「……そうなんですか」
今日のレッスンでは例の曲を練習し、夕食に備えた。
「ノウェ様、今日は特に心を込めて、演奏させていただきます」
演奏の時間になり私は気合を込めて席に着いた。
「え……」
ノウェは少し驚いたような顔をしていた。
(お姉様!確かに上手な人はたくさんいるけれど、ぼくにとってお姉様の音色は大事なんです)
(お姉様の髪の色はきれいですね)
(お姉様!)
いろんなことを思い出しながら私はピアノを弾き終えた。
そして、立ち上がり会釈しようとすると……
再会した時は手をつかんだが、ノウェがわたしを抱きしめられた。
「ばかな男の懺悔を聞いてください」
「あなたに会えなくなったのは、当主であった父が体調を崩し、補佐にならなけれならず、教養や夜会どころではなくなってしまったからなんだ」
「ずっと、大変で苦しかった」
「ずっとあなたのピアノが聴きたかった。何回もあなたにせがんだ曲を聴いたけど満たされなかった。あなたを求めているのか、ピアノを求めているのか分かりたかった。そしてわかった」
そう言ってノウェはわたしを抱きしめた。
「あなたのその、茶色のサラサラの髪も、紫色の瞳も、人のことを優先しがちなところも好きだ。今更だがこれからも一緒にいさせてほしい」
「もちろんです、これからもわたしのピアノを聴いてくださいね」
わたしたちの音色はこれからも響いていくだろう。
◇◇おわり◇◇
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