25 / 29
第2章 始まりの地
第2話 死霊の還る場所レディベト
しおりを挟む
少し俯いたのをよそ眼に面白いことを言った。
「でも、だからこそいい。いいかい、これから僕たちが向かうところの話をしておこう。今から僕たちはレディベトに向かう。そしてここの地下に保管されているある鍵をまず手に入れるんだ。この鍵の入手をロレッタ、君に一任したい」
一体何の鍵だろうか。それにその重要な役を私に……大役を任せてくれたことに驚きを感じつつも責任感の強いロレッタは素直に了承した。これは私を信用してくれている証なのだろうと心が高鳴った。
「一体なんの鍵なんですか?キーアイテムなら厳重に保管されてるのではないですか?」
「レディベトを廃村とした元凶となったお姫様の住む城に入るためのスペアキーだよ。彼女は首にワダツミの種を打ち込まれ狂ってしまった。元々優秀なネクロマンサーの家系でね、本当は優しいお嬢さんなんだけどある時、不治の病でご両親を亡くしてからは心を塞ぎ込んでしまってたんだ。その弱みを利用した黒魔導士は彼女を利用したってわけさ。とことん腐った連中さ」
拳を握りしめ虚空を見上げた。その後も色々話を聞くとアーデンシュレイン城のお姫様のリンネ=フォン=アーデンベルクが奴らの手に堕ちているらしい。そしてアシュトトは城の王家の墓守を担当し彼女との面識があるそうだ。
「そのお城のリンネさんを元に戻せば死霊は消えてもとに戻せるんですね」
「その通り、まずはレディベトで鍵を掻っ攫う。さあ行こう」
アシュトトは軽やかに歩み出した。霧は晴れ、雲の合間から日差しが降り注いでいた。
「でも、だからこそいい。いいかい、これから僕たちが向かうところの話をしておこう。今から僕たちはレディベトに向かう。そしてここの地下に保管されているある鍵をまず手に入れるんだ。この鍵の入手をロレッタ、君に一任したい」
一体何の鍵だろうか。それにその重要な役を私に……大役を任せてくれたことに驚きを感じつつも責任感の強いロレッタは素直に了承した。これは私を信用してくれている証なのだろうと心が高鳴った。
「一体なんの鍵なんですか?キーアイテムなら厳重に保管されてるのではないですか?」
「レディベトを廃村とした元凶となったお姫様の住む城に入るためのスペアキーだよ。彼女は首にワダツミの種を打ち込まれ狂ってしまった。元々優秀なネクロマンサーの家系でね、本当は優しいお嬢さんなんだけどある時、不治の病でご両親を亡くしてからは心を塞ぎ込んでしまってたんだ。その弱みを利用した黒魔導士は彼女を利用したってわけさ。とことん腐った連中さ」
拳を握りしめ虚空を見上げた。その後も色々話を聞くとアーデンシュレイン城のお姫様のリンネ=フォン=アーデンベルクが奴らの手に堕ちているらしい。そしてアシュトトは城の王家の墓守を担当し彼女との面識があるそうだ。
「そのお城のリンネさんを元に戻せば死霊は消えてもとに戻せるんですね」
「その通り、まずはレディベトで鍵を掻っ攫う。さあ行こう」
アシュトトは軽やかに歩み出した。霧は晴れ、雲の合間から日差しが降り注いでいた。
0
お気に入りに追加
5
あなたにおすすめの小説
傭兵アルバの放浪記
有馬円
ファンタジー
変わり者の傭兵アルバ、誰も詳しくはこの人間のことを知りません。
アルバはずーっと傭兵で生きてきました。
あんまり考えたこともありません。
でも何をしても何をされても生き残ることが人生の目標です。
ただそれだけですがアルバはそれなりに必死に生きています。
そんな人生の一幕
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
【取り下げ予定】愛されない妃ですので。
ごろごろみかん。
恋愛
王妃になんて、望んでなったわけではない。
国王夫妻のリュシアンとミレーゼの関係は冷えきっていた。
「僕はきみを愛していない」
はっきりそう告げた彼は、ミレーゼ以外の女性を抱き、愛を囁いた。
『お飾り王妃』の名を戴くミレーゼだが、ある日彼女は側妃たちの諍いに巻き込まれ、命を落としてしまう。
(ああ、私の人生ってなんだったんだろう──?)
そう思って人生に終止符を打ったミレーゼだったが、気がつくと結婚前に戻っていた。
しかも、別の人間になっている?
なぜか見知らぬ伯爵令嬢になってしまったミレーゼだが、彼女は決意する。新たな人生、今度はリュシアンに関わることなく、平凡で優しい幸せを掴もう、と。
*年齢制限を18→15に変更しました。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
君が僕を呼んだから
radio
ファンタジー
「君が僕を呼んだから」
そんな声が聞こえた気がした。
そして俺は目を瞑った。
「ここはどこだ?」
目が覚めると暗い空間に俺はいた。
初めての作品です。
はめられた主人公が復讐する話。
つたない文章ですがお付き合い願えたら嬉しいです。
絶対に間違えないから
mahiro
恋愛
あれは事故だった。
けれど、その場には彼女と仲の悪かった私がおり、日頃の行いの悪さのせいで彼女を階段から突き落とした犯人は私だと誰もが思ったーーー私の初恋であった貴方さえも。
だから、貴方は彼女を失うことになった私を許さず、私を死へ追いやった………はずだった。
何故か私はあのときの記憶を持ったまま6歳の頃の私に戻ってきたのだ。
どうして戻ってこれたのか分からないが、このチャンスを逃すわけにはいかない。
私はもう彼らとは出会わず、日頃の行いの悪さを見直し、平穏な生活を目指す!そう決めたはずなのに...……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる