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第2章 始まりの地
第2話 死霊の還る場所レディベト
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「黒魔導士と何かあるのかい?まあ、彼らに何かしらの思いを持ってる人は数多くいるからね。ここで一緒に来て後悔しないと誓えるかい?少しでも弱い心があるならここで止まっていた方が身のためだよ」
今までとは違って冷たくあしらうような表情を浮かべていた。その顔はこれから先に待ち受ける困難を物語っていた。覚悟無き者は死ぬ恐れがある。だからこそその警鐘を鳴らしているのだ。
だがここで引き下がってしまっては到底レグナマリアには辿り着けないし、この先逃げ続けることになるだろう。それにロゼやマザーのためにもここで引き下がるわけにはいかない。そのために特訓を重ね、ここに立っているのだから。
「覚悟は当に出来ています。ここで逃げては犠牲になったみんなに顔向けできませんから」
凜とした顔つきでロレッタはアシュトトを見つめた。その真っすぐな曇りのない目と信念に折れたアシュトトの口角が上がった。
「君は不思議な子だ。その眼を見ていると何かやってくれそうな、そんな気がしてくる。いいよ、君の強い思いに免じてここからの同行を許可しようじゃないか」
上機嫌に笑いだしたアシュトトの姿を見て度肝を抜かれてしまったロレッタはただぼけっと立ち尽くすのだった。もしかして私の気持ちを試したの?と思いながら。
「な、なに笑ってるんですか」
「ああ、ごめんごめん。今から行くところは危険なところ、そして弱い心に憑りつく習性があるんだ。そこでどれくらいの覚悟があるか試させてもらったんだ。でも君なら大丈夫だと確信したよ。それにさっきの起点を利かせながらの戦い振りも実に面白い。君、魔法使えないでしょ?」
確信をつかれドキッとした。戦い方から察したのだろうか。それとも魔力感知が出来るのだろうか。どちらにせよ一番痛いところをつかれてしまったような気がした。
今までとは違って冷たくあしらうような表情を浮かべていた。その顔はこれから先に待ち受ける困難を物語っていた。覚悟無き者は死ぬ恐れがある。だからこそその警鐘を鳴らしているのだ。
だがここで引き下がってしまっては到底レグナマリアには辿り着けないし、この先逃げ続けることになるだろう。それにロゼやマザーのためにもここで引き下がるわけにはいかない。そのために特訓を重ね、ここに立っているのだから。
「覚悟は当に出来ています。ここで逃げては犠牲になったみんなに顔向けできませんから」
凜とした顔つきでロレッタはアシュトトを見つめた。その真っすぐな曇りのない目と信念に折れたアシュトトの口角が上がった。
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「ああ、ごめんごめん。今から行くところは危険なところ、そして弱い心に憑りつく習性があるんだ。そこでどれくらいの覚悟があるか試させてもらったんだ。でも君なら大丈夫だと確信したよ。それにさっきの起点を利かせながらの戦い振りも実に面白い。君、魔法使えないでしょ?」
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