21 / 27
第二章 ダストロッド
1.上陸
しおりを挟む
基地内のエアポートに急ぐ。ダストロッドは廃棄物処理場。生態に影響をなるべく与えないようにと隔絶された大地に聳える。コロッセオのような形で円柱状の岩壁で造られている。
一般市民で訪れる者はおらず空からか船を使っていくしか方法がない。だが、海原は魚型の獰猛な機械獣が巣くい、簡単には行けない。
一番手っ取り早いのが空からの航路になる。
エレベーターで3階に移動し、ダクトを通りながらエアポートへ駆けた。エアポートの入口に社員証を掲げ、眼球認証で中に入る。そして、腕にレーザータクトと呼ばれる羅針盤を付けた。これは拠点の位置が常に把握できるようにマップ上に赤点で示される。動く艦隊であるからこそ必要なシステムでこれがないとどこにいるのか見失ってしまう。オペレーターに聞けばある程度分かるのだが磁場が強い場所等だと通じない可能性もある。その点これは画期的でどんな磁場にも耐えられるよう設計されている。腕時計と変わらないサイズなのでそこまで苦にならない。
エアポートに着くと駐輪場のように上下に5台ずつの括りで計20台のカーゴシップが陳列されていた。これを使うためにレーザータクトをポートに認証させると内部に埋め込まれたマイクロチップ情報を読み取りそのIDに一致するカーゴシップが自動的に排出される仕組みだ。だから取り間違いや盗みの心配はよっぽどない。
私たちはダストロッドへ出発する。そのためのキーメンバーであるサラちゃんがじっと私たちを見つめていた。彼女の表情は強張っていたけどどこか希望を抱いた顔つきになっていた。
彼女は小刻みに震える手を押さえながら強い視線を向けた。その目には意思がメラメラと滾っているように見えた。
「……………兄を救えるの?」
彼女は先ほどの会話を聞いていたようだ。そして、その方法を知り希望を得たのかもしれない。例え、少ない可能性だとしても縋りたいものはあるものだ。
一般市民で訪れる者はおらず空からか船を使っていくしか方法がない。だが、海原は魚型の獰猛な機械獣が巣くい、簡単には行けない。
一番手っ取り早いのが空からの航路になる。
エレベーターで3階に移動し、ダクトを通りながらエアポートへ駆けた。エアポートの入口に社員証を掲げ、眼球認証で中に入る。そして、腕にレーザータクトと呼ばれる羅針盤を付けた。これは拠点の位置が常に把握できるようにマップ上に赤点で示される。動く艦隊であるからこそ必要なシステムでこれがないとどこにいるのか見失ってしまう。オペレーターに聞けばある程度分かるのだが磁場が強い場所等だと通じない可能性もある。その点これは画期的でどんな磁場にも耐えられるよう設計されている。腕時計と変わらないサイズなのでそこまで苦にならない。
エアポートに着くと駐輪場のように上下に5台ずつの括りで計20台のカーゴシップが陳列されていた。これを使うためにレーザータクトをポートに認証させると内部に埋め込まれたマイクロチップ情報を読み取りそのIDに一致するカーゴシップが自動的に排出される仕組みだ。だから取り間違いや盗みの心配はよっぽどない。
私たちはダストロッドへ出発する。そのためのキーメンバーであるサラちゃんがじっと私たちを見つめていた。彼女の表情は強張っていたけどどこか希望を抱いた顔つきになっていた。
彼女は小刻みに震える手を押さえながら強い視線を向けた。その目には意思がメラメラと滾っているように見えた。
「……………兄を救えるの?」
彼女は先ほどの会話を聞いていたようだ。そして、その方法を知り希望を得たのかもしれない。例え、少ない可能性だとしても縋りたいものはあるものだ。
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
古代日本文学ゼミナール
morituna
SF
与謝郡伊根町の宇良島神社に着くと、筒川嶼子(つつかわのしまこ)が、海中の嶋の高殿から帰る際に、
龜比賣(かめひめ)からもらったとされる玉手箱を、住職が見せてくれた。
住職は、『玉手箱に触るのは、駄目ですが、写真や動画は、自由に撮って下さい』
と言った。
俺は、1眼レフカメラのレンズをマクロレンズに取り替え、フラッシュを作動させて、玉手箱の外側および内部を、至近距離で撮影した。
すると、突然、玉手箱の内部から白い煙が立ち上り、俺の顔に掛かった。
白い煙を吸って、俺は、気を失った。
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
SFゲームの世界に転移したけど物資も燃料もありません!艦隊司令の異世界宇宙開拓紀
黴男
SF
数百万のプレイヤー人口を誇るオンラインゲーム『SSC(Star System Conquest)』。
数千数万の艦が存在するこのゲームでは、プレイヤーが所有する構造物「ホールドスター」が活動の主軸となっていた。
『Shin』という名前で活動をしていた黒川新輝(くろかわ しんき)は自らが保有する巨大ホールドスター、『Noa-Tun』の防衛戦の最中に寝落ちしてしまう。
次に目を覚ましたシンの目の前には、知らない天井があった。
夢のような転移を経験したシンだったが、深刻な問題に直面する。
ノーアトゥーンは戦いによってほぼ全壊! 物資も燃料も殆どない!
生き残るためにシンの手にある選択肢とは....?
異世界に転移したシンキと、何故か一緒に付いてきた『Noa-Tun』、そして個性派AIであるオーロラと共に、異世界宇宙の開拓が始まる!
※小説家になろう/カクヨムでも連載しています
ワンダリング・ワンダラーズ!!
ツキセ
SF
当時ハマったゲームの続編を、当時の友達と遊ぶことになった話。
そのゲームの名は……『ワンダリング・ワンダラーズ!!』
「ええと、今作のジャンルは……『近未来惑星観光開拓MMOフルダイブシミュ――
……って長いわ! 前作よりさらに長くなってんじゃねーか!」
「盛った、だけ?」
「……まぁ、わかりやすくは……あるのか?」
一章完結まで毎日連載中。
ご意見・ご感想、お待ちしております!
小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話
矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」
「あら、いいのかしら」
夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……?
微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。
※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。
※小説家になろうでも同内容で投稿しています。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
彷徨う屍
半道海豚
ホラー
春休みは、まもなく終わり。関東の桜は散ったが、東北はいまが盛り。気候変動の中で、いろいろな疫病が人々を苦しめている。それでも、日々の生活はいつもと同じだった。その瞬間までは。4人の高校生は旅先で、ゾンビと遭遇してしまう。周囲の人々が逃げ惑う。4人の高校生はホテルから逃げ出し、人気のない山中に向かうことにしたのだが……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる