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始動
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遂に来た。そう思った途端、一気に凍結した冷凍室のように空気が冷たく刺さった。視界の先に何かがいるようなそんな気がして背筋が強張った。透明な空間に僅かに生じる歪に私は少し目を奪われ、恐怖心と好奇心の狭間に苛まれついつい次の言霊を唱えるのを忘れてしまった。
「ダルマさん鬼交代」
私は蝋燭を背後に立ちあがり玄関に向けて歩みだそうとしたその時、背後から聞き覚えのある女の声が聞こえてきた。その声に誘われるが如く振り返りそうになって強引に静止をかけた。一瞬意識操作のような暗示に掛かり頭がぼぉっとしてしまった。そして重りを背負っているかのように急に重くなった。
玄関までの距離は僅か数メートルのはずなのにまるで1キロ以上あるかのように感じた。緊張感がそうさせているのか視界が歪み、激しい頭痛が襲ってくる。
そんな私の状態とは裏腹に鬼の掛け声が背後からはっきりと聞こえた。
「ダ~ルマ……サ~ンガ……………コロ……………ンダ」
少し甲高い声が背後から全身を舐め回すように響いた。私の身体は汗でびっちょり湿っていた。今、私の後ろに得体の知れないナニカがいる。そしてそれはどういうわけか消えた頬月唯の声そのものだった。聞き間違えるはずがない……あれだけ動画を見ているのだから。
だがこれで確信した。この都市伝説を生き抜けば唯が失踪した原因に辿り着けるかもしれないと。
「ダルマさん鬼交代」
私は蝋燭を背後に立ちあがり玄関に向けて歩みだそうとしたその時、背後から聞き覚えのある女の声が聞こえてきた。その声に誘われるが如く振り返りそうになって強引に静止をかけた。一瞬意識操作のような暗示に掛かり頭がぼぉっとしてしまった。そして重りを背負っているかのように急に重くなった。
玄関までの距離は僅か数メートルのはずなのにまるで1キロ以上あるかのように感じた。緊張感がそうさせているのか視界が歪み、激しい頭痛が襲ってくる。
そんな私の状態とは裏腹に鬼の掛け声が背後からはっきりと聞こえた。
「ダ~ルマ……サ~ンガ……………コロ……………ンダ」
少し甲高い声が背後から全身を舐め回すように響いた。私の身体は汗でびっちょり湿っていた。今、私の後ろに得体の知れないナニカがいる。そしてそれはどういうわけか消えた頬月唯の声そのものだった。聞き間違えるはずがない……あれだけ動画を見ているのだから。
だがこれで確信した。この都市伝説を生き抜けば唯が失踪した原因に辿り着けるかもしれないと。
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