手毬哥

猫町氷柱

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2.始動 追われる恐怖 探す勇気 巻き込む怪異

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 お腹に突き立てられた包丁を手を合わせてから抜き取り再び玄関に向かう。一枚壁の向こうにはあの悪魂がいるかと思うと気が気でないが目標がそこにあるのだから行くしかない。和沙の思いも胸に焼き付けるともう迷いは感じなかった。玄関戸をこじ開け、奥に見えた悪魂の顔面付近に包丁を突き立てると止めどない嫌なブヨブヨした液体をまき散らし、断末魔の叫び声を挙げながら暴れ回った。
 僕はそれに足を取られながらもなんとかその場を抜け出し、井戸に飛び込んだ。頭上を見上げると悪玉が怨めしそうに眺めているのだった。
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