ルーカスと呪われた遊園地(上)

大森かおり

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7 お化け屋敷と空中ブランコ

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 それからまもなくして、乙葉の耳打ちが終わると、
「へー、柚子ってブランコが好きなんだ! で、深い事情ってなに?」と、ルーカスが柚子に向かって聞いた。
 柚子は引きつった顔をすると、
「もう、その話なら教えないって言ったのに、なんでルーカスにまで言っちゃうの?」と言った。
「だって、柚子が教えようとしないんだもの」
 悪気なく乙葉が言った。
「だってじゃないわよ」
 柚子は、あからさまに不機嫌になって言った。
 このままだと、ついに姉妹喧嘩が勃発ぼっぱつしそうだと思われた時、
「あ、見て! あそこに、京一と久遠がいるよ!」と、タイミングよく、ルーカスが遠くを見ながら言った。
「え? どこに?」
 乙葉が尋ねた。
「ほら、あそこ!」
 ルーカスが遠くを指さした。
 乙葉は、ルーカスが指をさした方向を見ると、
「本当だ! 柚子も見なさいよ」と言った。
「うそ、私見ない」
 まだ怒って意地を張っているのか、柚子が顔をしかめながら言った。
「うそじゃないってば! ほら、見て!」
 柚子は仕方なしに遠くを見ると、
「あ……本当だ」と言った。
 これまでしかめていたはずの柚子の顔は、途端に赤くなり、ぼうっとしたような顔に変わった。
「京一ー!」
 誰よりも真っ先に、ルーカスが京一たちの元へ飛んでいった。
「おう、ルーカス」
「ルーカスさん」
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