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7 お化け屋敷と空中ブランコ
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乙葉がいぶかりながら、柚子の名前を呼んだ。
すると、ようやく気づいたのか、柚子は乙葉を見ると、
「あ、ごめん、なに? ぼうっとしてた」と、いそいで言った。
「もう、大丈夫? その辺で、転んだりしないでよ」
笑って乙葉が言った。
「そんなことありませんー。お姉ちゃんじゃあるまいし」
いやみっぽく柚子が言った。
「あのねえ、私がいつ、ぼうっとして転んだっていうの?」
怒ったように乙葉が言うと、柚子は楽しそうに笑った。
しかし、そのあとすぐに、柚子はまた呆然としながら、遠くを眺めはじめた。
なんだかずっと上の空になっている柚子だけれど、大丈夫だろうか。乙葉はそんな柚子を見て、すこし心配に思った。
でもきっと、まだこの遊園地にきたばかりで、一日中鍵探しをしていたから、そうとう疲れているのだろう。今日はゆっくり寝かせてあげたい。乙葉は心の中で、そう思った。
すると、ふいに柚子が、
「ねえお姉ちゃん。ずっと気になっていたことがあるんだけど」と言った。
「なに?」
乙葉は首をかしげた。
「鍵探しをする前に、お姉ちゃん、空中ブランコに乗ろうって提案してくれたでしょう? あれさ、なんで空中ブランコだったの? 乗り物はほかにもたくさんあるはずなのに、わざわざ空中ブランコを選んだ理由は、なに?」
柚子は不思議そうに尋ねた。
一瞬、間の抜けた顔をした乙葉は、すぐに笑顔になって、
「ああ、それは単純に、あの時いた場所から近かったから。あとほら、柚子って昔から、ブランコが好きだったでしょ? だからよ」と言った。
「じゃあ、それはつまり、私のためを思って、選んでくれたっていうこと?」
すこしうれしそうな声で、柚子が言った。
「そうよ。私って、本当に優しいお姉ちゃんよね。悩める妹のために、気遣ってあげられるんだから」
乙葉は誇らしげに言った。
すると、ようやく気づいたのか、柚子は乙葉を見ると、
「あ、ごめん、なに? ぼうっとしてた」と、いそいで言った。
「もう、大丈夫? その辺で、転んだりしないでよ」
笑って乙葉が言った。
「そんなことありませんー。お姉ちゃんじゃあるまいし」
いやみっぽく柚子が言った。
「あのねえ、私がいつ、ぼうっとして転んだっていうの?」
怒ったように乙葉が言うと、柚子は楽しそうに笑った。
しかし、そのあとすぐに、柚子はまた呆然としながら、遠くを眺めはじめた。
なんだかずっと上の空になっている柚子だけれど、大丈夫だろうか。乙葉はそんな柚子を見て、すこし心配に思った。
でもきっと、まだこの遊園地にきたばかりで、一日中鍵探しをしていたから、そうとう疲れているのだろう。今日はゆっくり寝かせてあげたい。乙葉は心の中で、そう思った。
すると、ふいに柚子が、
「ねえお姉ちゃん。ずっと気になっていたことがあるんだけど」と言った。
「なに?」
乙葉は首をかしげた。
「鍵探しをする前に、お姉ちゃん、空中ブランコに乗ろうって提案してくれたでしょう? あれさ、なんで空中ブランコだったの? 乗り物はほかにもたくさんあるはずなのに、わざわざ空中ブランコを選んだ理由は、なに?」
柚子は不思議そうに尋ねた。
一瞬、間の抜けた顔をした乙葉は、すぐに笑顔になって、
「ああ、それは単純に、あの時いた場所から近かったから。あとほら、柚子って昔から、ブランコが好きだったでしょ? だからよ」と言った。
「じゃあ、それはつまり、私のためを思って、選んでくれたっていうこと?」
すこしうれしそうな声で、柚子が言った。
「そうよ。私って、本当に優しいお姉ちゃんよね。悩める妹のために、気遣ってあげられるんだから」
乙葉は誇らしげに言った。
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