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7 お化け屋敷と空中ブランコ
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「前を見てみろよ」
京一がそう言うと、久遠はすぐに前を見た。
すると目の前には、やけにおそろしい外観の、お化け屋敷があった。
そのお化け屋敷は、瓦で作られた和風の建物だった。入り口には、雲の絵が書かれている、黒くて長い暖簾があって、中が見えないようになっていた。両サイドには、一つ目で長い舌を出した赤色の提灯お化けが、屋根から吊るされている。その近くに、色あせた、のぼり旗が置かれていて、『お化け屋敷』と、まるで血が流れているように見える、赤く垂れた文字で、書かれてあった。その上、壁にはいくつか穴が空いていて、やぶれて傾いた障子が、立てかけられている。
いかにも恐怖心を煽っているつくりだ。久遠はそれらを見て、思わずゴクッと、唾を飲み込んだ。
「ここが……そうですか?」
「そうだが?」
こわがりながら言っている久遠に対して、京一は、冷静に言い放った。
「へ、へー。た、楽しみだなー」
久遠は強がって言ってしまったが、内心はいますぐにでも、帰りたい気持ちで一杯だった。
「じゃ、入るか」
あっさりと京一が言った。
しかし、まだ充分に心の準備ができていない久遠は、
「えっ、入るんですか?」と、抵抗して言った。
「いや、なんのためにここまできたと思ってるんだよ。入って鍵探しをするためだろ」
京一は呆れた様子で言った。
「まあ、そうなんですけど……」
そう言いつつも、久遠の足は、恐怖でなかなか前に進まなかった。
「はあ……行かなきゃいけないのか」
京一に聞こえるか聞こえないか、わからないくらいの声の大きさで、久遠は愚痴をこぼした。
そこで久遠は、自分がうっかり失言してしまったことに対して、ハッとした。
そして、となりにいた京一の顔をちらりと見ると、なにも動じていない顔だったため、聞こえてはいないだろうと思い、ホッと胸をなで下ろした。
京一がそう言うと、久遠はすぐに前を見た。
すると目の前には、やけにおそろしい外観の、お化け屋敷があった。
そのお化け屋敷は、瓦で作られた和風の建物だった。入り口には、雲の絵が書かれている、黒くて長い暖簾があって、中が見えないようになっていた。両サイドには、一つ目で長い舌を出した赤色の提灯お化けが、屋根から吊るされている。その近くに、色あせた、のぼり旗が置かれていて、『お化け屋敷』と、まるで血が流れているように見える、赤く垂れた文字で、書かれてあった。その上、壁にはいくつか穴が空いていて、やぶれて傾いた障子が、立てかけられている。
いかにも恐怖心を煽っているつくりだ。久遠はそれらを見て、思わずゴクッと、唾を飲み込んだ。
「ここが……そうですか?」
「そうだが?」
こわがりながら言っている久遠に対して、京一は、冷静に言い放った。
「へ、へー。た、楽しみだなー」
久遠は強がって言ってしまったが、内心はいますぐにでも、帰りたい気持ちで一杯だった。
「じゃ、入るか」
あっさりと京一が言った。
しかし、まだ充分に心の準備ができていない久遠は、
「えっ、入るんですか?」と、抵抗して言った。
「いや、なんのためにここまできたと思ってるんだよ。入って鍵探しをするためだろ」
京一は呆れた様子で言った。
「まあ、そうなんですけど……」
そう言いつつも、久遠の足は、恐怖でなかなか前に進まなかった。
「はあ……行かなきゃいけないのか」
京一に聞こえるか聞こえないか、わからないくらいの声の大きさで、久遠は愚痴をこぼした。
そこで久遠は、自分がうっかり失言してしまったことに対して、ハッとした。
そして、となりにいた京一の顔をちらりと見ると、なにも動じていない顔だったため、聞こえてはいないだろうと思い、ホッと胸をなで下ろした。
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