ルーカスと呪われた遊園地(上)

大森かおり

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7 お化け屋敷と空中ブランコ

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「あ、ごめん」
 そう言うと、ルーカスは乙葉から、すぐに離れた。
 そのあと、ルーカスと柚子はブランコに乗り、乙葉は操作室に移動した。操作の仕方は、最初に柚子たちと練習したため、問題なかった。
 それから、柚子たちが、安全にブランコに乗ったことを確認すると、乙葉は操作室で、運転開始のボタンを押した。
 その途端、空中ブランコは、徐々に動き出すと同時に、上昇していった。
「わっ、上がった!」
 柚子が言った。
「もっと上がれーっ」
 ルーカスが声を上げた。
 とても楽しそうにしている二人の姿を見て、ここへきてよかったと、あらためて乙葉は思った。
 しばらく、二人が乗った空中ブランコを眺めていると、突如、どこからともなく、ガタ、ガタガタ……ガタン、という大きな物音がした。
 乙葉はおどろいて、すぐにあたりを見まわした。
 すると、すこし遠くに設置されているゴミ箱が、倒れて転がっているのがわかった。
 風は吹いていないはずなのに、どうして勝手に、物が倒れたりしたのだろう。
 乙葉はその時、なんだか妙な違和感を感じながら、そのゴミ箱を見た。
(誰か、いる……?)
 京一や久遠は北に行っているから、ここにはいないはずだし、バーサークは日中には行動しない。それにもかかわらず、人の気配があるということは、乙葉たち以外の誰かが、また新たに、この園内にやってきたということだろうか。
 乙葉が一人でそんなことを考えていると、柚子が操作室の前をとおり、
「お姉ちゃん、どうかしたの?」と、ブランコに乗った柚子が、乙葉を見て言った。
「ううん、なんでもないわよ」
 乙葉は、姿がすでに見えなくなってしまった柚子に向かって、声を張り上げた。
「そうー? ならいいけど!」
 柚子が空中ブランコの柱の向こう側から、大きな声でそういうのが聞こえた。
 一体、先ほど感じた、あの妙な人の気配はなんだったのか。
 もしも、あれが敵かなにかだったら——乙葉はそう考えれば考えるほど、不安にかられた。
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