ルーカスと呪われた遊園地(上)

大森かおり

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7 お化け屋敷と空中ブランコ

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「そっか! たしかに、それなら大丈夫だね!」
 ルーカスが言った。
「じゃあさ、二人とも、はやく乗りにいこうよ!」
「うん。でもその前に、このことは、京一たちには内緒にしてね? あとでバレたら、いろいろとまずいから」
 唇に人さし指を近づけ、しーっというように、乙葉は、口を横にひろげて見せた。
「わかった!」
 素直にルーカスが言った。
「もう、私は別に、遊びたいわけじゃなかったのに、どうして、空中ブランコに乗らないといけないのよ。私の話を聞かずに、勝手にお姉ちゃんだけで、話を進めるんだから、いやになっちゃう」
 ぶつぶつと、柚子は独り言を呟いた。
「遊び終わったら、ちゃんと鍵探しを再開しましょう。それじゃ、早速、空中ブランコまで行こう!」
 声をはずませながら、乙葉が言った。
「聞こえないのなら、これ言っても多分バレないわね。お姉ちゃんって、本当に中身が子供」
 またもや、柚子は独り言を呟いた。
 その独り言がよく聞こえた乙葉は、
「なによ、柚子の方が子供じゃない」と言った。
「え、ちょっと、なんでこれだけは聞こえるのよ」
 予想外だったのか、柚子は動揺を見せた。
「一人で大人ぶってないで、柚子もはやく行くわよ!」
 そう言うと、乙葉は空中ブランコまで走った。
 ルーカスも、乙葉のあとを追いかけるように、空を飛んだ。
「はあ、わかったわよ」
 げんなりしながら言った柚子だったが、だんだんと笑顔になって、
「でも、空中ブランコ、すこし楽しそうかも」と言った。
 そして、走り出すと、
「お姉ちゃん、ルーカス、待ってー」と、大きな声で言った。
 三人は空中ブランコに向かって、まるで競争するように移動した。

                 ♢♢♢
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