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6 久遠類の恋心
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結果、妹の話によると、乙葉は体調不良ではなく、なんと、行方不明になっていることがわかった。
久遠はそれを聞いておどろいたが、最初から体調不良ではないと勘ぐっていたために、おおかた、思ったとおりだった。けれど、行方不明というのは、さすがに予想していなかった。
やがて、妹との話は終わり、久遠は、乙葉の家をあとにした。
一体、乙葉の身に、なにがあったというのだろうか。京一との関係はいまだにあやしいが、もしも別の理由があるのだとしたら、それはそれで大変な事態だ。
いま、自分にできることと言ったら、乙葉が見つかるまで、休んだ分のノートを作成して、それを届けることくらいしか、ほかに思いつかない。
いまはそれくらいしかできないけど、乙葉のために、少しでも役に立ちたい。久遠は強くそう思った。
その翌日——。
目が覚めた久遠は、ベッドサイドの小机に置いてある、眼鏡をかけて、ベッドから起き上がった。そしてカーテンを全開にして、たっぷりと、日の光を部屋の中に入れた。
そのあと、静かで無駄に大きい家の中で、腹ごしらえをするために、久遠はリビングに向かった。
誰もいないリビングに入ると、二匹の猫が、足元に寄ってきて、頭や尻をすりすりと、久遠の両足に擦りつけてきた。
きっと、餌がほしいのだろう。この猫たちは、いつもこういう、自分たちの都合のいい時だけ、甘えてくる。猫というのは、本当に気まぐれだ。
そう思いながら、久遠は、猫二匹を優しくなでたあと、袋に入ったキャットフードを手にとり、ざらざらと音を立てながら、猫用の皿の上に出した。
すると、猫たちは、目を鋭く光らせ、餌をめがけて、がっつきはじめた。
その、猫が美味しそうに、餌を食べているところを、しばらく見てから、久遠は冷蔵庫を開いて、自分が食べる分の、コンビニのサンドイッチと、飲むヨーグルトをとり出した。
そしてそのまま、ソファに座って、テレビをつけた。
一人でボーッとしながら、サンドイッチを食べ、テレビを見る。これが、久遠の朝のルーティンだ。親と暮らしてはいるのに、まるで一人暮らしのようなこの生活に、久遠はもうすっかり、慣れ切っていた。
久遠はそれを聞いておどろいたが、最初から体調不良ではないと勘ぐっていたために、おおかた、思ったとおりだった。けれど、行方不明というのは、さすがに予想していなかった。
やがて、妹との話は終わり、久遠は、乙葉の家をあとにした。
一体、乙葉の身に、なにがあったというのだろうか。京一との関係はいまだにあやしいが、もしも別の理由があるのだとしたら、それはそれで大変な事態だ。
いま、自分にできることと言ったら、乙葉が見つかるまで、休んだ分のノートを作成して、それを届けることくらいしか、ほかに思いつかない。
いまはそれくらいしかできないけど、乙葉のために、少しでも役に立ちたい。久遠は強くそう思った。
その翌日——。
目が覚めた久遠は、ベッドサイドの小机に置いてある、眼鏡をかけて、ベッドから起き上がった。そしてカーテンを全開にして、たっぷりと、日の光を部屋の中に入れた。
そのあと、静かで無駄に大きい家の中で、腹ごしらえをするために、久遠はリビングに向かった。
誰もいないリビングに入ると、二匹の猫が、足元に寄ってきて、頭や尻をすりすりと、久遠の両足に擦りつけてきた。
きっと、餌がほしいのだろう。この猫たちは、いつもこういう、自分たちの都合のいい時だけ、甘えてくる。猫というのは、本当に気まぐれだ。
そう思いながら、久遠は、猫二匹を優しくなでたあと、袋に入ったキャットフードを手にとり、ざらざらと音を立てながら、猫用の皿の上に出した。
すると、猫たちは、目を鋭く光らせ、餌をめがけて、がっつきはじめた。
その、猫が美味しそうに、餌を食べているところを、しばらく見てから、久遠は冷蔵庫を開いて、自分が食べる分の、コンビニのサンドイッチと、飲むヨーグルトをとり出した。
そしてそのまま、ソファに座って、テレビをつけた。
一人でボーッとしながら、サンドイッチを食べ、テレビを見る。これが、久遠の朝のルーティンだ。親と暮らしてはいるのに、まるで一人暮らしのようなこの生活に、久遠はもうすっかり、慣れ切っていた。
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