ルーカスと呪われた遊園地(上)

大森かおり

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5 ドキドキ観覧車

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 乙葉が言った。
「なんだろうな——けっこう重いけど。よし、開けてみよう」
 そう言うと、京一は早速、箱のフタを開けはじめた。
 すると中からは、ひとつの輪っかに、いくつも繋げられている、鍵が出てきた。
「鍵だ……!」
 京一は目を丸くして言った。
「まあ、本当だわ! やったわね、京一!」
 両手をあげながら、乙葉は声を上げてよろこんだ。
 よく見るとその鍵は、メリーゴーランドで見つけた鍵と、おなじタイプの鍵だった。ただひとつちがったのは、鍵の色が白色ではなく、黄色なところだ。
「いや、よろこぶのはまだ早い。もしかしたら、またダミーの鍵かもしれないぞ」
 慎重になっているのか、京一は手にしている鍵を、うたがって言った。
「そっか、それもそうね」
 すこし残念に思いながら、乙葉が言った。
 しかし、二つ目に見つけた鍵には変わりない。これが本物の鍵なら、皆、街に帰れる。乙葉はダミーの鍵かもしれないとは思いつつも、期待をせずにはいられなかった。
 やがて、乙葉と京一の二人はゴンドラからおりると、まだ後ろのゴンドラに乗っている、ほかの三人がおりてくるのを待った。
「あー、楽しかった!」
 おりて早々、ルーカスが言った。
 しかし柚子と久遠の二人は、全然楽しそうではなく、むしろげっそりとしていた。
 乙葉と京一は、そんな二人を見て、苦笑した。
「僕、酔ったかもしれません」
 気持ちが悪そうに久遠が言った。
「おい、大丈夫か?」
 心配して京一が言った。
「はい……」
 久遠はそう返事はするものの、とても大丈夫そうには見えなかった。
「久遠くん、大丈夫? 座って休んでいたら?」
 乙葉がうながした。
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