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5 ドキドキ観覧車
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「柚子! あなた、最高」
そう言うと、乙葉は柚子に抱きついた。
「でもお姉ちゃん。これで私にひとつ借りができたわね」
にやりと笑いながら、柚子が言った。
それで乙葉は、とっさに柚子から離れると、
「ちょっと! 借りってなによ、そんなのいちいち借りにしないでよ」と、思わず声を荒げて言った。
しかし、柚子は聞いていないふりをすると、いたずらな笑みを浮かべて、
「今度なにか奢ってもらおうっと」と、楽しそうに言った。
「だめ! 私はなにも奢らないからね!」
そうして乙葉と柚子が騒いでいると、横でずっと倒れていた久遠が、目を覚ました。
「あれ……ここはどこだ?」
目だけを左右に動かしながら、久遠が言った。
「久遠くん!」
「やっと起きたんですね」
乙葉と柚子が口々に言った。
久遠はおどろいた様子で周囲を見まわすと、そばにいた柚子を見て、
「廃墟の遊園地は、一体どこへ?」と聞いた。
「久遠さん、ここは現実の世界じゃないみたいですよ」
柚子が言った。
「現実の世界じゃない……? どういうことだ……」
考えるように、久遠は頭をかかえた。
そして、ふと柚子の隣にいる乙葉を目にすると、ハッとして起き上がった。
「くっ、倉本さん! 無事だったんですね!」
「って、いまさら」
苦笑した柚子が、聞こえるか聞こえないかわからないくらいの小さな声で、久遠に言った。
乙葉は笑顔になると、ガッツポーズをして、
「ええ、私はこのとおり、ピンピンしてるわ」と言った。
「よかった。本当によかった」
そう言うと、乙葉は柚子に抱きついた。
「でもお姉ちゃん。これで私にひとつ借りができたわね」
にやりと笑いながら、柚子が言った。
それで乙葉は、とっさに柚子から離れると、
「ちょっと! 借りってなによ、そんなのいちいち借りにしないでよ」と、思わず声を荒げて言った。
しかし、柚子は聞いていないふりをすると、いたずらな笑みを浮かべて、
「今度なにか奢ってもらおうっと」と、楽しそうに言った。
「だめ! 私はなにも奢らないからね!」
そうして乙葉と柚子が騒いでいると、横でずっと倒れていた久遠が、目を覚ました。
「あれ……ここはどこだ?」
目だけを左右に動かしながら、久遠が言った。
「久遠くん!」
「やっと起きたんですね」
乙葉と柚子が口々に言った。
久遠はおどろいた様子で周囲を見まわすと、そばにいた柚子を見て、
「廃墟の遊園地は、一体どこへ?」と聞いた。
「久遠さん、ここは現実の世界じゃないみたいですよ」
柚子が言った。
「現実の世界じゃない……? どういうことだ……」
考えるように、久遠は頭をかかえた。
そして、ふと柚子の隣にいる乙葉を目にすると、ハッとして起き上がった。
「くっ、倉本さん! 無事だったんですね!」
「って、いまさら」
苦笑した柚子が、聞こえるか聞こえないかわからないくらいの小さな声で、久遠に言った。
乙葉は笑顔になると、ガッツポーズをして、
「ええ、私はこのとおり、ピンピンしてるわ」と言った。
「よかった。本当によかった」
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