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5 ドキドキ観覧車
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「うわあっ」
乙葉は突然、悲鳴をあげた。
気づくと、真っ暗な場所に落ちていた。上を見ると、鏡の世界が見える。
どうやら、落とし穴に、ハマってしまったようだ。
「もういや……このハウス」
泣きそうな声で、乙葉が言った。
不気味な笑い声が聞こえてくるは、壁から水が出てくるは、落とし穴があるは、本当にとんでもないハウスだ。乙葉は、終始、このハウスに翻弄されっ放しでいる自分を、情けなく思った。
しかし幸いにも、穴はそこまで深くはなく、自力で落とし穴から出られるようになっていたため、乙葉はすぐに、落とし穴からはい上がった。
そして先を急ごうと思い、乙葉はまた、迷路の奥へと進みはじめた。
笑い声はこのハウスの仕かけなのか、それとも、本当にだれかが出している声なのか、わからなかったが、いまのところ、子供だましな仕かけしかなく、これといった危害はない。
不気味でいやな雰囲気のあるところだったが、ここでようやく、本来の目的である鍵探しのことを思い出した乙葉は、いやいやながらも、周囲を確認しながら走った。
♢♢♢
乙葉は突然、悲鳴をあげた。
気づくと、真っ暗な場所に落ちていた。上を見ると、鏡の世界が見える。
どうやら、落とし穴に、ハマってしまったようだ。
「もういや……このハウス」
泣きそうな声で、乙葉が言った。
不気味な笑い声が聞こえてくるは、壁から水が出てくるは、落とし穴があるは、本当にとんでもないハウスだ。乙葉は、終始、このハウスに翻弄されっ放しでいる自分を、情けなく思った。
しかし幸いにも、穴はそこまで深くはなく、自力で落とし穴から出られるようになっていたため、乙葉はすぐに、落とし穴からはい上がった。
そして先を急ごうと思い、乙葉はまた、迷路の奥へと進みはじめた。
笑い声はこのハウスの仕かけなのか、それとも、本当にだれかが出している声なのか、わからなかったが、いまのところ、子供だましな仕かけしかなく、これといった危害はない。
不気味でいやな雰囲気のあるところだったが、ここでようやく、本来の目的である鍵探しのことを思い出した乙葉は、いやいやながらも、周囲を確認しながら走った。
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