ルーカスと呪われた遊園地(上)

大森かおり

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4 妹の決断

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「そっちこそ、何歳になっても、お節介なことするの、やめてよね」
 その二人の様子を見ていたルーカスは、なにやら顔をにやつかせていた。
「じゃあ俺いくから、二人とも、ちゃんと鍵探ししろよ」
 それだけ言うと、京一は、すぐに北にいってしまった。
 京一の背中が、だんだんと小さくなっていくのを二人で眺めながら、
「いっちゃったね」と、呟くように、ルーカスが言った。
「うん」
 乙葉が言った。
 すると唐突にルーカスが、
「ふふふ」と、笑い出した。
「ルーカス、いきなり笑い出して、どうしたの?」
 けげんに思った乙葉が言った。
「僕、わかっちゃったんだ」
 得意げにルーカスが言った。
「わかったって、なにが?」
 なんのことだかさっぱりわからずに、戸惑いながら乙葉が聞いた。
「乙葉、京一のこと、好きなんでしょ」
 ルーカスにそう言われ、乙葉は、顔を真っ赤にさせると、
「ち、ちがうわよ。そんなわけないじゃない」と言った。
「顔が赤くなってるー。やっぱりそうなんだ」
 否定する乙葉を無視して、ルーカスははやし立てた。
「だから、違うって言ってるでしょ」
 強い口調で、乙葉が言った。
「あ、見て! あそこに京一がいるよ!」
 突然、大きな声で指をさしながら、ルーカスがそう言った。
「え? うそっ、どこ?」
 いまの話を、京一に聞かれていないか心配になりながら、乙葉はあたりを見まわした。
「ほら!」
 再びルーカスが指をさし、大声で言った。
 しかし、ルーカスの指をさした場所や、その周辺を見ても、京一の姿はどこにもなく、
「ほらって、どこにもいないじゃない」と、乙葉が言った。
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