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3 メリーゴーランド
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なにげない様子で、京一が言った。
「それだけは絶対にだめ。夜こそ危険よ」
即座に乙葉が否定した。
「なんで夜が危険なんだよ」
京一はけげんそうな顔をして言った。
「夜はバーサークっていう悪いやつが、園内をうろついているから、出歩かない方がいいよ。じゃないと殺されちゃうからね」
横からルーカスが言った。
「バーサーク? なんだそれ」
わけがわからないといった様子で、京一が言った。
「マントをきた着ぐるみの名前だよ」
ルーカスが京一に向かって言った。
「なんか変な名前だな」
顔をしかめて京一が言った。
「それにしても殺されるって、そんなヤバイ不審者が、この園内でうろついているっていうのか?」
「そうよ」
乙葉が答えた。
「私なんて昨日、首をしめられて殺されるかと思ったんだから。あの時はルーカスが助けてくれたからよかったけど。だからとにかく、バーサークのいる夜は、大人しくしておいた方がいいわ」
昨日のことを思い出すと、それだけで震えそうになる。バーサークは残酷で容赦がない。見つかったら最後だ。京一はまだ、バーサークに会ったことがないから、平気そうにしているけど、この先、もし会うことがあれば、そのおそろしさに気づくにちがいない。
「なるほど。それはたしかに、気をつける必要があるな」
考えるように京一が言った。
「でしょ?」
乙葉が言った。
「だから、夜に鍵を探すのはなしにして、朝か昼のあつくない時だけ、鍵を探すことにしましょうよ」
「それだけは絶対にだめ。夜こそ危険よ」
即座に乙葉が否定した。
「なんで夜が危険なんだよ」
京一はけげんそうな顔をして言った。
「夜はバーサークっていう悪いやつが、園内をうろついているから、出歩かない方がいいよ。じゃないと殺されちゃうからね」
横からルーカスが言った。
「バーサーク? なんだそれ」
わけがわからないといった様子で、京一が言った。
「マントをきた着ぐるみの名前だよ」
ルーカスが京一に向かって言った。
「なんか変な名前だな」
顔をしかめて京一が言った。
「それにしても殺されるって、そんなヤバイ不審者が、この園内でうろついているっていうのか?」
「そうよ」
乙葉が答えた。
「私なんて昨日、首をしめられて殺されるかと思ったんだから。あの時はルーカスが助けてくれたからよかったけど。だからとにかく、バーサークのいる夜は、大人しくしておいた方がいいわ」
昨日のことを思い出すと、それだけで震えそうになる。バーサークは残酷で容赦がない。見つかったら最後だ。京一はまだ、バーサークに会ったことがないから、平気そうにしているけど、この先、もし会うことがあれば、そのおそろしさに気づくにちがいない。
「なるほど。それはたしかに、気をつける必要があるな」
考えるように京一が言った。
「でしょ?」
乙葉が言った。
「だから、夜に鍵を探すのはなしにして、朝か昼のあつくない時だけ、鍵を探すことにしましょうよ」
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