ルーカスと呪われた遊園地(上)

大森かおり

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3 メリーゴーランド

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 諦めることなく、ルーカスが言った。
「しつこいわねえ。さっき一緒に探すって、約束したばかりでしょう?」
 いらだちながら乙葉が言った。
 しかし、ルーカスはそんなことおかまいなしに、その後も駄々をこね続けた。
 それでとうとう、乙葉の方がおれて、
「ああ、もう。わかったわよ。遊べばいいんでしょ、遊べば」と言った。
「わーい!」
 ルーカスは小屋中を飛びまわりながら、全身でよろこびを表現しているようだった。
「遊んだ後は、ちゃんと鍵探し手伝ってよね」
 語気をあらげて、乙葉が言った。
「もちろんだよ!」
 元気よくルーカスが答えた。
 乙葉とルーカスは、小屋の外に出たあと、ルーカスの気がすむまで、だるまさんがころんだや、追いかけっこをして遊んだ。乙葉は最初こそ、イヤイヤ遊んでいたが、しだいに楽しくなり、最終的には、ルーカスと一緒になって、はしゃぎ、楽しんでいた。しかし頭の中には、つねに、鍵のことが片隅にあった。
「さ、つぎはなにして遊ぶ?」
 ひとしきり遊んだ後で、ルーカスが言った。
「だめだめ。今度こそ鍵探しよ」
 顔をしかめて乙葉が言った。
「だって、もう十分遊んだでしょ?」
「ええ、いやだよ。僕、まだ遊びたりないー!」
 ルーカスが手足を動かして、空中で暴れながらそう言った。
 子供の扱いに慣れていない乙葉は、どうしたらいいものやら、ルーカスのわがままに、すっかり困り果てていた。
 そんな時、二人がそう言い争いをしながら、園内のゲート付近を歩いていると、遠くに、がいるのが見えた。
「ねえ、ルーカス。あそこになにか見えない?」
 目をこらしながら、乙葉が言った。
「え? どこどこ?」
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