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2 残虐な着ぐるみ
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「ふふふ、あいつ面白いよね。からかいがいがある」
ルーカスは意地悪な笑みを浮かべて言った。
そんなルーカスを見て、乙葉は苦笑すると、
「あの、ルーカス。さっきは助けてくれて、どうもありがとう」と言った。
「どういたしまして」
そう言うと、ルーカスは空中で、華麗にお辞儀をした。
「ルーカスはどうしてあの時、私を助けてくれたの?」
乙葉はルーカスを見上げながら言った。
「そんなの、答えは単純明快さ。君と友達になりたかったからだよ」
それ以外にはなんの理由もないとでも言うように、ルーカスが言い切った。
「そう、そうなのね」
乙葉が言った。
このルーカスという男の子は、一体何者なのだろう。乙葉はここで、あらためて疑問に思った。
ルーカスに対する疑問は、自分を助けた理由だけではなく、他にもたくさんある。空を飛べる理由や、どうしてここにいるのかなど、数え出したらキリがないくらいだ。さきは長いかもしれないし、乙葉は急がずに、ひとつひとつルーカスに聞いていくことにした。
「他に、なにか質問ある?」
あとで色々聞こうと思っていたら、ルーカスの方から先に、質問を聞いてくれた。
「えっと、じゃあ、ルーカスはいつからここにいるの?」
とっさに思いついた質問を、乙葉が尋ねた。
「うーん……」
なぜかルーカスは急に首をかしげて、とぼけ出した。
「あれ? いつだったっけ? 忘れちゃった」
「えっ? 忘れた?」
乙葉は予想外のルーカスの回答に、戸惑いながら言った。
「うん。なんか、最近物忘れが激しいんだ、僕」
おどけてルーカスが言った。
「自分から質問あるか聞いたのに、答えられなくてごめんね」
「そんな、私よりもずっと若いのに、冗談言わないでよ」
ルーカスは意地悪な笑みを浮かべて言った。
そんなルーカスを見て、乙葉は苦笑すると、
「あの、ルーカス。さっきは助けてくれて、どうもありがとう」と言った。
「どういたしまして」
そう言うと、ルーカスは空中で、華麗にお辞儀をした。
「ルーカスはどうしてあの時、私を助けてくれたの?」
乙葉はルーカスを見上げながら言った。
「そんなの、答えは単純明快さ。君と友達になりたかったからだよ」
それ以外にはなんの理由もないとでも言うように、ルーカスが言い切った。
「そう、そうなのね」
乙葉が言った。
このルーカスという男の子は、一体何者なのだろう。乙葉はここで、あらためて疑問に思った。
ルーカスに対する疑問は、自分を助けた理由だけではなく、他にもたくさんある。空を飛べる理由や、どうしてここにいるのかなど、数え出したらキリがないくらいだ。さきは長いかもしれないし、乙葉は急がずに、ひとつひとつルーカスに聞いていくことにした。
「他に、なにか質問ある?」
あとで色々聞こうと思っていたら、ルーカスの方から先に、質問を聞いてくれた。
「えっと、じゃあ、ルーカスはいつからここにいるの?」
とっさに思いついた質問を、乙葉が尋ねた。
「うーん……」
なぜかルーカスは急に首をかしげて、とぼけ出した。
「あれ? いつだったっけ? 忘れちゃった」
「えっ? 忘れた?」
乙葉は予想外のルーカスの回答に、戸惑いながら言った。
「うん。なんか、最近物忘れが激しいんだ、僕」
おどけてルーカスが言った。
「自分から質問あるか聞いたのに、答えられなくてごめんね」
「そんな、私よりもずっと若いのに、冗談言わないでよ」
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