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2 残虐な着ぐるみ
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そして急いで着ぐるみから逃げようと思い、踵を返した。しかし、間髪入れずに、着ぐるみに片手で首を掴まれ、持ち上げられた。
「うっ……ぐっ……」
乙葉がうめいた。
(苦しい。首を絞められて息ができない……)
乙葉は着ぐるみの手を掴み、必死で引きはがそうとしたが、びくともしなかった。
「おお、久しぶりの人間だ。うれしいねえ。ところで君。前はよく人間が何人かできていたんだけど、最近は滅多にこなくなってしまったんだよ。どうしてだろうね?」
乙葉の首を絞めながら、着ぐるみは淡々と話した。
その間、乙葉は足をジタバタさせ、着ぐるみに思い切り蹴りを入れた。しかし残念ながら、なんのダメージもないように見えた。
「おっと、抵抗してもムダだ。もう逃げられないからな」
あくまでも冷静に話す着ぐるみに、乙葉は怒りを覚えながらも、手足を動かすことだけはやめなかった。
「は…‥離してっ……」
乙葉がそう言っても、着ぐるみは相変わらず、首を絞める手をゆるめなかった。
そのため、乙葉だんだんと、意識が遠くなりそうになった。
このまま、この着ぐるみによって、乙葉は殺されてしまうのだろうか。味方かもしれないなんて、甘い考えをした自分がバカだった。着ぐるみは完全に敵だ。もっと園内を警戒してまわればよかった。乙葉はひたすら頭の中で後悔した。
「あれ? 俺の声が聞こえなかったのかな? それとも、長い間人間と話していないから、俺の言葉が通じないのか? ふは、そんなわけないよな——まあいい、せっかくだから教えてあげよう。ここに来た人間はね、みんな殺さなくちゃいけない決まりがあるんだ。だから、君も同じようになってもらわなきゃ困る」
着ぐるみの表情はマントで隠れていてわからない。でもきっと、残酷な顔をして言っているに違いないと乙葉は思った。
「いや……だ……離……して…………」
着ぐるみに話が通じないことはわかっていても、少しの希望を頼りに、乙葉はひるまず抵抗した。
「だからだめだって言ってるだろう。大人しくしていた方が、かえって楽というものだ」
「うっ……ぐっ……」
乙葉がうめいた。
(苦しい。首を絞められて息ができない……)
乙葉は着ぐるみの手を掴み、必死で引きはがそうとしたが、びくともしなかった。
「おお、久しぶりの人間だ。うれしいねえ。ところで君。前はよく人間が何人かできていたんだけど、最近は滅多にこなくなってしまったんだよ。どうしてだろうね?」
乙葉の首を絞めながら、着ぐるみは淡々と話した。
その間、乙葉は足をジタバタさせ、着ぐるみに思い切り蹴りを入れた。しかし残念ながら、なんのダメージもないように見えた。
「おっと、抵抗してもムダだ。もう逃げられないからな」
あくまでも冷静に話す着ぐるみに、乙葉は怒りを覚えながらも、手足を動かすことだけはやめなかった。
「は…‥離してっ……」
乙葉がそう言っても、着ぐるみは相変わらず、首を絞める手をゆるめなかった。
そのため、乙葉だんだんと、意識が遠くなりそうになった。
このまま、この着ぐるみによって、乙葉は殺されてしまうのだろうか。味方かもしれないなんて、甘い考えをした自分がバカだった。着ぐるみは完全に敵だ。もっと園内を警戒してまわればよかった。乙葉はひたすら頭の中で後悔した。
「あれ? 俺の声が聞こえなかったのかな? それとも、長い間人間と話していないから、俺の言葉が通じないのか? ふは、そんなわけないよな——まあいい、せっかくだから教えてあげよう。ここに来た人間はね、みんな殺さなくちゃいけない決まりがあるんだ。だから、君も同じようになってもらわなきゃ困る」
着ぐるみの表情はマントで隠れていてわからない。でもきっと、残酷な顔をして言っているに違いないと乙葉は思った。
「いや……だ……離……して…………」
着ぐるみに話が通じないことはわかっていても、少しの希望を頼りに、乙葉はひるまず抵抗した。
「だからだめだって言ってるだろう。大人しくしていた方が、かえって楽というものだ」
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