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2 残虐な着ぐるみ
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母には『すぐ帰る』なんて言ってしまったが、本当はすぐに帰る気なんてさらさらない。乙葉を探し出すまでは、家に帰るつもりは一切ない。
京一は家を出てから、乙葉が行きそうな場所にはひと通り足を運んだ。でも、どこにも乙葉の姿はなかった。一体どこへ行ってしまったのか。暗い夜道で一人、京一は頭を悩ませた。
(くそ、こうなるくらいなら、今朝、乙葉がコンビニにきた時に聞いておけばよかった。どこに散歩に行くのか、と。そうしておけば、今頃こんなに悩まずにすんだのに。どうして俺は、あんなに素っ気なく答えてしまったんだ)
しかし、後悔してももう遅い。後悔する時間を作るくらいなら、近くにいる人に聞き込みでもしていた方がよっぽどいい。そう思った京一は、早速、気持ちを切り替えて、コンビニからそう遠くない場所で、聞き込み調査をすることにした。
さすがに夜遅い時間ということもあって、人通りはかなり少なかった。厳しい状況ではあるが、ここまできたら、もうやるしかない。
「すみません、今朝、高校生くらいの女の子を、どこかで見かけませんでしたか? 髪が長くて、白くて大きめのパーカーを着ていたと思うんですが」
京一は通りすがりの、推定五十代くらいの私服を着た男の人に、声をかけた。
「さあね、知らないよ」
男の人はそれだけいうと、すぐにどこかに行ってしまった。
(まあ、最初はこんなものだろう)
こんなことでこりていたら、いつまで経っても、乙葉を探すことなんてできない。京一はその後も諦めずに、聞き込みを続けた。
それから十五人目にさしかかった時だった。路地を歩いていると、偶然家から出てきた老人を見て、京一はすぐに、いままでと同じように聞きこみをした。
「おお、そう言う子なら、たしかに見たよ。よく家にくる野良の三毛猫がおるんだが、その猫と一緒にどこかに行きよったよ」
京一は家を出てから、乙葉が行きそうな場所にはひと通り足を運んだ。でも、どこにも乙葉の姿はなかった。一体どこへ行ってしまったのか。暗い夜道で一人、京一は頭を悩ませた。
(くそ、こうなるくらいなら、今朝、乙葉がコンビニにきた時に聞いておけばよかった。どこに散歩に行くのか、と。そうしておけば、今頃こんなに悩まずにすんだのに。どうして俺は、あんなに素っ気なく答えてしまったんだ)
しかし、後悔してももう遅い。後悔する時間を作るくらいなら、近くにいる人に聞き込みでもしていた方がよっぽどいい。そう思った京一は、早速、気持ちを切り替えて、コンビニからそう遠くない場所で、聞き込み調査をすることにした。
さすがに夜遅い時間ということもあって、人通りはかなり少なかった。厳しい状況ではあるが、ここまできたら、もうやるしかない。
「すみません、今朝、高校生くらいの女の子を、どこかで見かけませんでしたか? 髪が長くて、白くて大きめのパーカーを着ていたと思うんですが」
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それから十五人目にさしかかった時だった。路地を歩いていると、偶然家から出てきた老人を見て、京一はすぐに、いままでと同じように聞きこみをした。
「おお、そう言う子なら、たしかに見たよ。よく家にくる野良の三毛猫がおるんだが、その猫と一緒にどこかに行きよったよ」
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