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それから立て続けに、
「私、これからどうしたらいいのかしら。こんな世にもおぞましい死海で、たった一人で過ごすなんて、絶対にいや」と、ダイアナが、不安に顔を強ばらせながら言った。
「ましてや私、あの船を出たことなんて、おばけになってから、一度だってなかったわ」
ダイアナは加えて、うつむきがちに、体をくねくねさせながら、そう言った。
「それなのに、居場所をなくした、この憐れな可愛い小羊である、この私。そんな私は、これから先、ラズたちを失ってしまえば、家なしの一人ぼっちよ」
その言いようはまるで、悲劇のヒロインのようだ。
「そんな勇気のいるようなこと、私には、到底できっこないわ」
そのあと、両頬を触ると、
「ああ、本当に、私って、なんて不幸なの……」と、嘆き悲しんだ。
どうやらダイアナは、もう死ぬことのないおばけのくせに、これまでに、一度たりとしてなかったできごとを前にして、心配が止まらないらしい。
ダイアナの、そう言った、悲しげな姿を見たネルーピーは、
「ダイアナはまだいいじゃないか。だって、もう死ぬことはないんだから、新たな家を見つけさえすれば、それだけで解決する話だろう? オイラたちより、ずっとマシさ」と言った。
しかしダイアナは、ネルーピーの言うことを無視し、変わらず悩み続けているようだった。
そうしてみんなが、それぞれに不安を抱えている中で、ルビットは一人、こんな時も相変わらずマイペースに、何も言わずに座りながら、孤独に何かを、深く考えているようだった。
「まあ! みんな見て!」
目線の先で起こる、異常な事態に、真っ先に気づいたラズが、大きな声で言った。
「岩が崩れていくわよ!」
それもそのとおり。ラズたちの乗っている岩は、ゾルディーネの力によって、端の方から徐々に、崩れていた。
「お、落ちるー!」
とっさに、ラズの首に飛びつき、前の両足でがっしりと掴んで、中々しがみついて離れようとしないネルーピーが、叫んだ。
「みんな、後ろに下がるんだ!」
船長のリドが、みんなに向かって、しっかりとした声で、そう指示を出した。
「私、これからどうしたらいいのかしら。こんな世にもおぞましい死海で、たった一人で過ごすなんて、絶対にいや」と、ダイアナが、不安に顔を強ばらせながら言った。
「ましてや私、あの船を出たことなんて、おばけになってから、一度だってなかったわ」
ダイアナは加えて、うつむきがちに、体をくねくねさせながら、そう言った。
「それなのに、居場所をなくした、この憐れな可愛い小羊である、この私。そんな私は、これから先、ラズたちを失ってしまえば、家なしの一人ぼっちよ」
その言いようはまるで、悲劇のヒロインのようだ。
「そんな勇気のいるようなこと、私には、到底できっこないわ」
そのあと、両頬を触ると、
「ああ、本当に、私って、なんて不幸なの……」と、嘆き悲しんだ。
どうやらダイアナは、もう死ぬことのないおばけのくせに、これまでに、一度たりとしてなかったできごとを前にして、心配が止まらないらしい。
ダイアナの、そう言った、悲しげな姿を見たネルーピーは、
「ダイアナはまだいいじゃないか。だって、もう死ぬことはないんだから、新たな家を見つけさえすれば、それだけで解決する話だろう? オイラたちより、ずっとマシさ」と言った。
しかしダイアナは、ネルーピーの言うことを無視し、変わらず悩み続けているようだった。
そうしてみんなが、それぞれに不安を抱えている中で、ルビットは一人、こんな時も相変わらずマイペースに、何も言わずに座りながら、孤独に何かを、深く考えているようだった。
「まあ! みんな見て!」
目線の先で起こる、異常な事態に、真っ先に気づいたラズが、大きな声で言った。
「岩が崩れていくわよ!」
それもそのとおり。ラズたちの乗っている岩は、ゾルディーネの力によって、端の方から徐々に、崩れていた。
「お、落ちるー!」
とっさに、ラズの首に飛びつき、前の両足でがっしりと掴んで、中々しがみついて離れようとしないネルーピーが、叫んだ。
「みんな、後ろに下がるんだ!」
船長のリドが、みんなに向かって、しっかりとした声で、そう指示を出した。
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